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シャーク湾 ― 素晴らしき海の楽園目ざめよ! 2007 | 7月
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シャーク湾のスーパースター
シャーク湾で一番の魅力は,デナム半島のモンキーマイア・ビーチにいるハンドウイルカ(バンドウイルカ)です。モンキーマイアは,野生のイルカが毎日のように浜辺にやって来て人間とふれあう,世界でも珍しい場所の一つです。このふれあいがいつごろ始まったのか,はっきりしたことは分かっていません。
ある人たちの話によると,1950年代にはイルカたちが魚をこの浅瀬に追い込んでいた,とのことです。そのような光景は今日でも目にすることができます。人間がそうした機会を利用して,イルカにえさをやり,仲良くなったのかもしれません。1964年,モンキーマイアで漁をしていた地元の女性が舟の周りで遊んでいた1頭のイルカに魚を投げてやりました。みんなからチャーリーと呼ばれたそのイルカは,次の晩もやって来て,女性の手から直接に魚を食べたのです。まもなく,チャーリーの仲間たちも加わるようになりました。
それ以来,イルカたちは3世代にわたって数え切れないほど多くの観光客を喜ばせてきました。生物学者たちも例外ではありません。世界各地の100人余りの学者がここに来てイルカに関する調査を行なったため,ここのイルカたちは世界で最もよく研究されています。
今日では,イルカたちは毎朝のように,たいてい子ども連れでモンキーマイア・ビーチに姿を現わします。大勢の観光客がどきどきしながらイルカの登場を待ちますが,えさをやれるのはほんの数人です。なぜでしょうか。公園のレンジャーは,イルカが人間の与えるえさに依存することのないようにしたいと思っているからです。それでも,そこにいる人は皆,一部始終を見ることができます。ある女性は感激して,「地球上のどんな生き物ともこんな風に仲良くなれるといいのにね!」と言いました。
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シャーク湾 ― 素晴らしき海の楽園目ざめよ! 2007 | 7月
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[17ページの図版]
モンキーマイア・ビーチには野生のイルカが毎日のようにやって来る
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