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蛇の頭を打ち砕く啓示の書 ― その壮大な最高潮は近い!
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20 ヨハネは,最後の試みの時に何が起きることをわたしたちに告げていますか。
20 今や,最後の試みの時となります。エデンの最初の人間とは対照的に,完全になった,その人類の世は忠誠を保って,しっかりと立ちますか。ヨハネは何が起きるかをこう告げています。「さて,千年が終わると,サタンはすぐにその獄から解き放される。彼は出て行って,地の四隅の諸国民,ゴグとマゴグを惑わし,彼らを戦争のために集めるであろう。それらの者の数は海の砂のようである。そして,彼らは地いっぱいに広がって進み,聖なる者たちの宿営と愛されている都市を取り囲んだ」― 啓示 20:7-9(前半)。
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蛇の頭を打ち砕く啓示の書 ― その壮大な最高潮は近い!
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火と硫黄の湖
25 ヨハネは,「聖なる者たちの宿営」に対する反逆者たちの攻撃の結果をどのように描写していますか。それはサタンにとって何を意味することになりますか。
25 サタンのこの最後の努力は功を奏しますか。決して功を奏しません。それはマゴグのゴグが現代の霊的なイスラエルに対して行なおうとしている攻撃が功を奏さないのと同様です!(エゼキエル 38:18-23)ヨハネはその結果を鮮やかに描写しています。「しかし,天から火が下って彼らをむさぼり食った。そして,彼らを惑わしていた悪魔は火と硫黄との湖に投げ込まれた。そこは野獣と偽預言者の両方がすでにいるところであった」。(啓示 20:9[後半],10[前半])初めからの蛇であるサタンは今度は,単に底知れぬ深みに入れられるのではなく,実際に打ち砕かれてなくなる,粉砕される,あたかも火によってなされるかのように,完全に滅ぼし絶やされるのです。
26 「火と硫黄との湖」は,どうして文字通りの責め苦の場所ではあり得ませんか。
26 わたしたちは,「火と硫黄との湖」が文字通りの責め苦の場所ではあり得ないことについてすでに述べました。(啓示 19:20)もしサタンがそのような所で未来永劫この上ない苦痛にさいなまれることになっているとしたら,エホバはサタンを生き長らえさせておかなければならないでしょう。ところが,命は賜物で,罰ではありません。死は罪に対する罰で,聖書によれば,死んだ生き物は少しも苦痛を感じません。(ローマ 6:23。伝道の書 9:5,10)その上,後の箇所で,死そのものがハデスと共に,この同じ火と硫黄の湖に投げ込まれると記されています。確かに,死とハデスは苦痛を受けることができません!―啓示 20:14。
27 ソドムとゴモラに起きたことは,火と硫黄の湖という言葉を理解するのに,どのように役立ちますか。
27 このすべては,火と硫黄の湖は明らかに象徴的なものであるという見方をより強力に支持しています。それに,火と硫黄のことが述べられているので,甚だしい悪のゆえに神により滅ぼされた,古代のソドムとゴモラの悲運が思い出されます。それらの都市の最期が来た時,「エホバは,硫黄と火の雨をエホバのもとすなわち天からソドムとゴモラの上に降らせられ(まし)た」。(創世記 19:24)これら二つの都市が被ったのは,「永遠の火による司法上の処罰」でした。(ユダ 7)しかし,これら二つの都市は永遠の責め苦に遭ったのではありません。そうではなく,破壊され,その堕落した住民もろとも永遠に消滅させられたので,今日,存在してはいません。それらの都市がどこにあったかをはっきりと言える人は一人もいません。
28 火と硫黄の湖とは何ですか。それは死,ハデス,および底知れぬ深みとどのように異なっていますか。
28 このことと一致して,聖書そのものが火と硫黄の湖の意味をこう説明しています。「火の湖,これは第二の死を表わしている」。(啓示 20:14)それは明らかに,邪悪な者が責めさいなまれるのではなく,滅ぼされたままにされる場所,つまりイエスが話されたゲヘナと同じ所です。(マタイ 10:28)それは復活の希望のない,完全な徹底的な滅びを表わしています。したがって,死,ハデス,および底知れぬ深みのかぎはありますが,火と硫黄の湖を開けるかぎについては何も述べられていません。(啓示 1:18; 20:1)そこに捕らえられる者は決して解放されません。―マルコ 9:43-47と比較してください。
昼も夜も永久に責め苦に遭う
29,30 ヨハネは野獣や偽預言者はもとより悪魔について何と述べていますか。それをどのように理解すべきですか。
29 ヨハネは今や,悪魔のほかに野獣や偽預言者にも言及して,わたしたちにこう告げます。「そして彼らは昼も夜も限りなく永久に責め苦に遭うのである」。(啓示 20:10[後半])これは果たして何を意味しているのでしょうか。すでに述べたように,死やハデスはもとより,野獣や偽預言者などの象徴が文字通りの仕方で責めさいなまれることがあるというのは不合理な話です。したがって,サタンが未来永劫苦しめられるということを信ずべき理由はありません。サタンは滅ぼし絶やされることになっています。
30 ここで使われている,「責め苦に遭わせる」という意味のギリシャ語「バサニゾー」には,第一に「(金属を)試金石で試す」という意味があります。二番目の意味は,「拷問を加えて尋問すること」です。(「セアの新約聖書新希英辞典」)文脈からすれば,このギリシャ語が使われていることは,サタンに起きる事柄が,エホバの支配は正しくて義にかなっているかどうかに関する論争で未来永劫試金石になるということを示唆しています。最高の支配権にかかわるあの論争は,今度限りで解決されることになります。エホバの主権に対する挑戦が間違っていることを証明するために,長期間にわたって試されることは二度と再び必要ではなくなります。―詩編 92:1,15と比較してください。
31 「責め苦に遭わせる」という意味の言葉に関係のある,二つのギリシャ語は,悪魔サタンが被る処罰を理解するのに,どのように役立ちますか。
31 さらに聖書では,これと関係のある,「責め苦に遭わせる者」と訳される「バサニステース」という語が,「牢番」という意味で使われています。(マタイ 18:34,「王国行間逐語訳」,英文)このことと調和して,サタンは火の湖に永久に幽閉され,決して解放されることはありません。最後に,ヨハネのよく知っていたギリシャ語セプトゥアギンタ訳では,これと関係のある,「バサノス」という言葉が,死に至る恥辱を指して使われています。(エゼキエル 32:24,30)以上の事柄は,サタンが被る処罰が火と硫黄の湖における恥辱的な永遠の死であることを理解するのに役立ちます。サタンの業は彼と共に消滅します。―ヨハネ第一 3:8。
32 悪霊たちはどんな処罰を受けますか。それはどうして分かりますか。
32 また,この節では悪霊たちのことは述べられていません。彼らは千年の終わりに解き放たれて,それからサタンと一緒に永遠の死の処罰を受けるのでしょうか。証拠は,そうなることを示しています。イエスは羊とやぎのたとえ話の中で,やぎは「悪魔とその使いたちのために備えられた永遠の火に」入れられると言われました。(マタイ 25:41)「永遠の火」という表現は,サタンが投げ込まれようとしている,火と硫黄の湖を指しているに違いありません。悪魔の使いたちは悪魔と共に天から放逐されました。彼らは明らかに千年統治の初めごろ,悪魔と共に底知れぬ深みに入れられました。では,このことと一致して,彼らもまた,火と硫黄の湖で悪魔と共に滅ぼされることになります。―マタイ 8:29。
33 創世記 3章15節の最後のどんな詳細な点が成就しますか。今や,エホバの霊はどんな事柄にヨハネの注意を引きますか。
33 こうして,創世記 3章15節に記されている預言の最後の詳細な点が成就します。サタンは火の湖に投げ込まれる時,鉄のかかとで頭をすり砕かれるへびのように,死んだも同然になります。サタンとその悪霊たちは永久にいなくなります。彼らのことはこれ以上啓示の書の中では言及されていません。
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