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ダニエル書 ― 真偽が試されてきた書物ダニエルの預言に注意を払いなさい
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24 外典である「集会の書」は,どのようにダニエル書批判に用いられてきましたか。その論議の誤りを何が示していますか。
24 これら退けられた後代の書物の一つが,ダニエル書を批判する論議に用いられてきたとは,何という矛盾でしょう。外典である「集会の書」はイエス・ベン・シラにより,西暦前180年ごろに書かれたものと思われます。批評家たちは,同書の挙げる大勢の義人たちの中にダニエルの名がないことを好んで取り上げ,その当時ダニエルはまだ知られていなかったに違いない,と論じます。この論法は学者たちの間で広く受け入れられています。しかし,次の点を考慮してください。その同じ部分では,エズラとモルデカイ(どちらも捕囚後のユダヤ人にとって偉大な英雄),善良な王エホシャファトも省かれており,裁き人の中で名前が挙がっているのはサムエルだけです。d 正典でもない書の中でそのような人たちが省かれているからといって,しかも全員の名を網羅したと主張されてはいないのに,省かれた人すべてを架空の人物として退けるべきでしょうか。そうした考えは道理にかなっていません。
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ダニエル書 ― 真偽が試されてきた書物ダニエルの預言に注意を払いなさい
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d 対照的に,使徒パウロが霊感を受け,ヘブライ 11章で忠実な男女の名前を列挙した部分には,ダニエル書に記されている出来事にそれとなく言及しているふしがあります。(ダニエル 6:16-24。ヘブライ 11:32,33)とはいえ,同使徒も全員の名前を挙げているわけではありません。イザヤ,エレミヤ,エゼキエルなど,名前が挙げられていない人は大勢いますが,そのことはそれらの人々が実在しなかった証拠にはなりません。
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