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コウモリ ― 誤解されていながらすばらしく,貴重でありながら危機に瀕している目ざめよ! 1989 | 1月22日
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ある種のコウモリは花の蜜を吸い,花粉を媒介するものとして価値ある奉仕を行なっています。ハチドリのように花の上を舞い,ブラシのような剛毛の付いた長い舌で蜜と花粉を吸い上げます。それらのコウモリは熱帯の動物であって,メキシコと米国南西部の間を渡ります。果実を食べるコウモリは広い範囲に種をまき散らします。タットルによると,「果実と花の蜜を食糧とするコウモリは種をまき散らし,花の受粉を行なうが,それらのコウモリは雨林が生き残るためにも,毎年多額の収益を上げる関連作物の生産にとっても,肝要なもの」なのです。
ニュー・サイエンティスト誌の1988年9月号はこう述べました。「コウモリを害獣と考えて,フルーツコウモリを殺す農民は,生産の面でさらに大きな損失を被るかもしれない。コウモリは果樹の他家受粉を行なわせるからである」。出荷する果実は熟する五ないし七日前に,地元用には二ないし四日早く収穫されますが,コウモリが食べるのは未収穫の熟した果実だけです。それは農家の人にとっては価値のないものです。コウモリが受粉を行なわせ種をまき散らすことに大きく依存している植物や樹木は,500種余りに上ります。
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コウモリ ― 誤解されていながらすばらしく,貴重でありながら危機に瀕している目ざめよ! 1989 | 1月22日
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オーストラリアでは,幾千幾万というオオコウモリとフルーツコウモリがぬぐい去られました。「その地域の生態学的ならびに経済的に極めて重要な樹木の一部が,それらのコウモリに依存しているという事実にもかかわらず」,また「コウモリによる作物の損害があっても繁殖の防止は正当化されないという,政府の学究的な調査結果」にもかかわらず,そうした事態が生じているのです。
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