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エストニア2011 エホバの証人の年鑑
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ファンニは運搬役を務め,1950年代にはフィンランドからエストニアにマイクロフィルムや通信物を運びました。勇気のある思慮深い姉妹として知られていました。間一髪の状況を何度か切り抜けたとはいえ,捕まることはありませんでした。例えばある時は,レニングラード(サンクトペテルブルク)に行き,公園でフィンランド人の運搬役の兄弟からマイクロフィルムの包みを受け取ることになっていました。姉妹はその包みを二人のエストニア人の兄弟にできるだけ早く渡すよう指示されていました。しかし,その二人の兄弟は自分たちが秘密警察に付けられていることを察知し,ファンニに気づかれないようその場を離れることにしました。ところが何と,ファンニとフィンランド人の兄弟がエストニア人の兄弟たちの方に向かって歩いて来るではありませんか。もしファンニが二人にあいさつしたり包みを渡したりしようものなら,自分たちの関係が秘密警察に知られてしまいます。驚いたことにファンニは,全く知らない相手であるかのように二人の兄弟の横を通り過ぎて行きました。実は,二人をとてもよく知っていたのですが,その姿がともかく目に入らなかったのです。結果として,秘密警察はだれが運搬人かを突き止めることができず,包みは後で安全に手渡されました。ファンニの連絡役としての働きによって,霊的食物は滞ることなく手に入りました。幸いにも,マイクロフィルムが当局に発見されることはありませんでした。
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エストニア2011 エホバの証人の年鑑
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[図版]
レニングラードで運搬役を務める,1966年
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