「わたしとわたしの家の者とはエホバに仕えます」
1 ある調査によると,十代の若者の大半は一日に母親と話すのに約1時間,父親とは15分も費やさず,会話の内容もほとんどの場合,車やスポーツ,娯楽といった浅い内容のものであったと報告されています。
2 思春期の子供を持つ親の中には,浅い内容の会話さえ困難になっていると感じている人もいます。子供を世に奪われてしまう原因として,親子のコミュニケーション・ギャップが大きな要素となっていることを考える時,子供との会話とその質は真剣に考えなければならない事柄です。―「ものみの塔」誌,1991年9月1日号,22ページ,10節。
3 親として行なえることはまず子供を知ることです。あなたはお子さんの関心事や趣味に純粋の関心を示していますか。お子さんの関心事や趣味に通じているなら,子供の目で物事を見ることができるようになり,子供との意思の疎通を図るための良い土台となります。―「目ざめよ!」誌,1980年4月22日号,18ページ,3,4節。
4 子供の関心事や趣味の中には,健全なものばかりではなく,暴力や不道徳を特徴とするテレビや音楽,読み物があることに気づくかもしれません。その時すぐに行なえることは,怒ったり,説教をしたりすることではなく,容易ではないかもしれませんが,「語ることに遅く,憤ることに遅くある」ことです。その後,ふさわしい時を見いだし,聖書と協会の出版物を用いて共に話し合うことができます。―ヤコ 1:19。「目ざめよ!」誌,1997年8月8日号,8ページ,7節; 9ページ,1節。
5 子供を知る上で感情移入も肝要です。親は自分が若かった時に経験した状況や環境と子供たちが今直面している状況が大いに異なっていることを認識しなければなりません。あなたは,お子さんが一日の大半をどのような環境の中で過ごしているかを知るため,定期的に学校を訪問したり,先生との話し合いの場を設けたりしていますか。そうすれば,お子さんの態度や話し方などの背後にある状況を知ることができるようになり,感情移入を示しやすくなります。
6 感情移入,つまり子供の目を通して物事を見る親の能力を増し加えるならば,上手な聞き方ができるようになり,お子さんの考えや感情を共にすることができるようになります。―「ものみの塔」誌,1991年9月1日号,22ページ,11節。
7 ここで取り上げられた事柄は,親子の会話の道を開き,その質の向上を図るための第一歩であり,さらに親子双方が努力すべき分野があります。それらについては,今後の号で取り上げられるでしょう。