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プエルトリコ ― 陽光あふれる豊かな島目ざめよ! 2008 | 10月
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エル・ユンケ国有林は,カリブ海諸島に残っている,数少ない熱帯雨林の一つを守るために設けられた保護区です。その斜面を飾るのは幾つもの滝です。雲霧林の緑の中にオレンジ色のアナナスが彩りを添え,大きな木生シダがつる植物やヤシの木と競うように生えています。アカビタイボウシインコは絶滅の危機にあるとはいえ,この楽園で何とか生き延びようとしています。プエルトリコの象徴にもなっているコキーという小さなアマガエルの鳴き声が,リズムのように繰り返され,森の中に響きわたります。
遠くから眺めたエル・ユンケの斜面は,銀色のベールをまとっているかのようです。この色は,トランペット・ツリーの葉によるものです。この植物は,何年も前のハリケーン・ヒューゴによる破壊の後に繁殖しました。新たに植物が育っているのは良い徴候と言えます。保護区の管理に当たる生物学者は,「森は,人が多くの手をかけなくても自然災害から立ち直っています。本当に危険なのは人間が及ぼす害です」と述べました。この保護区にはおよそ225種の樹木,100種のシダ類,50種のランが自生しています。植物の種類が豊富なため,国連の生物圏保護区に指定されています。
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プエルトリコ ― 陽光あふれる豊かな島目ざめよ! 2008 | 10月
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[16ページの図版]
エル・ユンケ雨林の木生シダ
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