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未来を“予報”するものみの塔(一般用)2018 | No. 2
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未来を“予報”する
自分や家族の未来が気になったことはありませんか。順風満帆,それとも波瀾万丈? 和気あいあい,それとも天涯孤独? 長寿,それとも早死に? 人間は何千年も前からこうしたことを問い続けてきました。
今では,世界の動向を研究し,未来を予測する専門家がいます。予測が的中したこともあれば,外れたこともあります。中には,大外れもありました。例えば,無線通信の開発者グリエルモ・マルコーニは1912年,「無線時代が到来すれば,戦争はなくなる」と言ったとされています。また1962年,デッカ・レコードの責任者は,ギター主体のバンドは時代遅れだと考え,まだ無名だったビートルズを不採用にしてしまいました。
未来を知ろうとして,神秘的な力に頼る人は少なくありません。占星術者に意見を求める人もいます。多くの雑誌や新聞には星占いが連載されています。占い師や霊能者に伺いを立てる人もいます。タロットカードや数字,手相から未来を“読む”というわけです。
未来を読み解くため,古代の人々は神託(祭司を通じて伝えられる神々からのお告げ)を求めることもありました。例えば,リュディアの王クロイソスは,ペルシャの王キュロスと戦ったらどうなるかを教えてもらうために,ギリシャのデルフォイの神託所に高価な品々を寄進しました。与えられた神託は,キュロスと戦えば“大帝国”を滅ぼすだろう,というものでした。勝利を確信したクロイソスは進軍しましたが,滅んだ“大帝国”は自分の国でした。
あいまいな神託には何の価値もありませんでした。どちらが負けても,間違いとは言えなかったからです。当てにならない情報を信じたために,クロイソスは全てを失いました。では今,人気の占いに頼っている人たちは,クロイソスの二の舞いになるのでしょうか。
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星占いや運勢判断 未来をのぞく窓?ものみの塔(一般用)2018 | No. 2
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星占いや運勢判断 未来をのぞく窓?
星占い
星占いは,星,月,惑星などが地球にいる人間の生涯を左右する,という考えに基づいています。占星術によると,人の性格や将来はその人の誕生時の星座によって決まります。
古代バビロンに起源を持つ星占いは,今でも人気があります。2012年にアメリカで実施された調査によれば,星占いについて,3人に1人が「まあまあ科学的」と考え,10人に1人が「とても科学的」と回答しました。本当に科学的なのでしょうか。答えはノーです。どうしてそう言えますか。
占星術者の主張とは違い,惑星や星は,人間に影響を及ぼすような特殊な力を放出していません。
ほとんどの占いは,何とでも解釈でき,誰にでも当てはまります。
星占いは,惑星が地球の周りを回っているという古代の考え方に基づいています。でも実際には,惑星は太陽の周りを回っています。
同じ人物を占っても,占う人によって結果は違ってきます。
星占いでは,人を誕生日で12の星座に分類します。しかし,何世紀もの間に宇宙空間における地球の位置が変化し,地球から見える太陽と星座の位置関係にずれが生じています。それで,今では誕生日と星座は一致していません。
星座で人の性格が分かるとされています。でも現実的に考えれば,同じ誕生日だからといって性格が同じとは言えません。誕生日だけでは,その人の人となりは全く分かりません。その人がどんな人か分からないのに,ひとまとめにこういう人だと決め付ける星占いは,見方が偏っているのではありませんか。
運勢判断
運勢判断の起源は古代にまでさかのぼります。占いの方法はさまざまです。動物や人間の内臓,おんどりの餌のつつき方,茶葉の様子やコーヒーカップに残った模様で占う人もいました。現代では,タロットカード,水晶球,さいころなどが使われています。このような運勢判断は,未来を知る手掛かりになりますか。これも答えはノーです。次の点を考えてみてください。
一貫性についてはどうでしょうか。占いの方法を変えると,正反対の結果が出ることはよくあります。同じ方法で占ったとしても,結果はいろいろです。例えば,2人の占い師に同じタロットカードについて同じ質問をすれば,同じ答えが返ってくるはずです。ですが,多くの場合,答えは異なります。
占いの方法や動機はどうでしょうか。それも疑わしい場合があります。タロットカードや水晶球はただの小道具にすぎず,占い師は依頼人の反応を見て占う,とも言われています。当たると評判の占い師の中には,まず一般的な質問をして,依頼人の反応や答えに注目する人がいます。そして,依頼人が気付かずに与えてしまった情報を,あたかも自分が「読み取った」かのように見せ掛けます。そのようにして信頼を得て,依頼人から多額のお金を巻き上げるのです。
聖書が教えていること
星占いや運勢判断は,未来が決まっているという前提があって成り立つものです。しかし,そうなのでしょうか。聖書によると,人には何を信じ何をするかを選ぶ自由があり,その選択でその人の未来が変わります。(ヨシュア 24:15)
聖書の神を信じる人は星占いや運勢判断をしません。それは,聖書の神がどんな占いも禁じているからです。こう書かれています。「あなたの中に以下のような人がいてはなりません。……占いをする人,魔術を行う人,吉凶を判断する人,呪術師,呪文をかける人,霊媒師や占い師に相談する人,死者に尋ねる人などです。エホバaはこうしたことを行う人をひどく嫌い……ます」。(申命記 18:10-12)
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すでに実現した預言ものみの塔(一般用)2018 | No. 2
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すでに実現した預言
最初の記事で,クロイソスがデルフォイの神託に惑わされてペルシャの王に敗北した,という伝説を紹介しました。一方,聖書にもそのペルシャの王についての驚くべき預言が記されています。その預言は細かい点まで実現しました。
ペルシャの王が生まれる200年も前に,ヘブライ人の預言者イザヤは,キュロスという名前の者が大都市バビロンを征服すると語りました。また,その都市がどのようにして攻略されるかも予告しました。
イザヤ 44:24,27,28 「エホバはこう言う。『私は……深い水に,「蒸発せよ。私はあなたの川を全て干上がらせる」と言う。キュロスについて,「私の牧者,私が望むことを完全に成し遂げる者」と言う。エルサレムについて,「建て直される」と言い,神殿について,「土台が据えられる」と言う』」。
ギリシャの歴史家ヘロドトスによると,キュロスの軍隊はバビロンの中を通るユーフラテス川の流れを変え,現れた川床を渡って都市に侵入しました。キュロスはバビロンを制圧した後,捕囚にされていたユダヤ人を解放し,70年前に滅ぼされたエルサレムを再建することを許可しました。
イザヤ 45:1 「私はキュロスの右手を取った。国々を彼に従わせ,王たちの武器を取り上げ,彼の前で2枚扉を開いて,門が閉じられないようにする。エホバは自分が選んだ者であるキュロスにこう言う」。
ペルシャ軍は,城壁の巨大な2枚扉から市内に侵入しました。バビロン軍がキュロスの戦略を知っていたなら,川に面している門を全て閉じていたはずです。しかし,不注意にも開けたままにしていたので,都市は無防備な状態にありました。
正確に実現した聖書の預言はほかにもたくさんあります。a 人間がする予測は神々からのお告げとされることもありますが,聖書の預言はエホバ神からのものです。エホバは自分のことをこう言っています。「私は,結末を初めから,まだ行われていないことをずっと前から予告する」。(イザヤ 46:10)
そう言えるのは,真の神エホバだけです。エホバという名前には,「彼はならせる」という意味があると考えられています。つまり,エホバ神は未来を知り,未来を意のままにつくる能力を持っているということです。エホバの約束は全て必ず果たされるのです。
今,実現している預言
今の時代について聖書が何と預言しているか,気になりませんか。聖書は2000年ほど前に,「終わりの時代は困難で危機的な時になります」と予告していました。何が終わるのでしょうか。人類でもこの地球でもありません。人類を何千年もの間悩ませてきた,争いや圧政や苦しみが終わるのです。では,今が「終わりの時代」であることを示す預言を幾つか調べてみましょう。
テモテ第二 3:1-5 「終わりの時代[に]人々は自分を愛し,お金を愛し,自慢ばかりし,傲慢で,神や人を冒瀆し,親に従わず,感謝せず,不忠実になります。自然な愛情を持たず,全く人に同意しようとせず,中傷し,自制心がなく,乱暴で,善いことを愛しません。人を裏切り,強情で,思い上がり,神ではなく快楽を愛し,信心深く見えても実際には神を敬っていません」。
このような傾向がますますエスカレートしていると思いませんか。自分ファーストで,お金を愛し,プライドの高い人たちが大勢います。人に要求ばかりして,自分は要求に応じない人も増えています。親に反抗する子供や,神様を無視して快楽におぼれる人が一般的になっています。そのような人は増えるばかりです。
マタイ 24:6,7 「あなたたちは戦争の音や戦争の知らせを聞きます。……国民は国民に,王国は王国に敵対して立ち上がり……ます」。
1914年以降の戦争や内戦による死者の総数は1億人をはるかに上回るとされています。日本の全人口に匹敵する人数です。どれほど多くの人が泣き悲しみ,苦しんだことでしょう。では,国々は過ちから学んで,戦争をなくす努力を払っているでしょうか。
マタイ 24:7 「食糧不足……があります」。
国連の世界食糧計画(WFP)はこう述べています。「この世界は全ての人を養えるだけの食物を生産できる。それなのに,8億1500万人(9人に1人)が毎日おなかをすかせたまま寝ている。さらに,それを上回る人数の人々(3人に1人)が何らかの栄養不良に苦しんでいる」。毎年およそ300万人の子供が飢餓で亡くなっていると見られています。
ルカ 21:11 「大きな地震があり……ます」。
人が揺れを感じるほどの地震は,毎年約5万回発生しています。そのうちのおよそ100回は建物に大きな被害が出ていて,少なくとも1回は大地震です。統計によれば,1975年から2000年にかけて地震で亡くなった人の数は47万1000人に上ります。
マタイ 24:14 「王国の良い知らせは,全ての国の人々が聞けるように世界中で伝えられます。それから終わりが来ます」。
現在,エホバの証人は800万人を超えていて,世界の240ほどの国や地域で神の王国についての良い知らせを伝えています。大都会や農村部でも,ジャングルや山岳地帯でも広めています。預言によると,神様が十分だと思う時までこの活動が行われたなら,「終わりが来ます」。その時,人間の支配は終わり,神の王国の統治が始まります。神の王国の下では,どんな約束が実現するでしょうか。続きをご覧ください。
a 「雄弁に語る歴史の証人」という記事をご覧ください。
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雄弁に語る歴史の証人ものみの塔(一般用)2018 | No. 2
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雄弁に語る歴史の証人
イタリアのローマ中心部にある凱旋門は,世界中から来る観光客でにぎわっています。この史跡は有名なローマ皇帝ティツスをたたえて建てられたものです。
ティツスの凱旋門にある2つの大きなレリーフには,歴史上有名な出来事が描かれています。あまり知られていませんが,この凱旋門は聖書と深い関わりがあります。聖書預言が正確であることを雄弁に語る歴史の証人なのです。
滅びに定められた都市
西暦1世紀の初めごろ,ローマ帝国はイギリスやガリア(現在のフランス)からエジプトに至る広大な地域を支配していました。それらの地域はかつてないほど平和で,繁栄していました。しかし,ローマにとって悩みの種が1カ所ありました。それは属州ユダヤです。
古代ローマ百科事典(英語)にはこう書かれています。「ローマの支配下で,ユダヤほどローマと険悪な関係にある地域はなかった。ユダヤ人はローマ人を嫌っていた。自分たちの伝統をローマ人が重んじなかったからだ。一方でローマ人はユダヤ人を厳しく扱った。ユダヤ人が従おうとしなかったからである」。ユダヤ人の多くが期待していたのは,救世主が現れて,憎いローマ人を追い出し,イスラエルの黄金時代を取り戻してくれることでした。でもイエス・キリストは西暦33年,エルサレムが大惨事に見舞われると予告しました。
イエスはこう述べました。「敵があなたの周りに先のとがった杭で柵を築き,あなたを完全に包囲する時が来るからです。敵は,あなたとあなたの子供たちを滅ぼし尽くし,あなたの中で石を石の上に残したままにはしておきません」。(ルカ 19:43,44)
イエスの弟子たちはその言葉の意味が分からなかったようです。2日後,神殿を見た弟子の1人が,「先生,見てください。何と見事な石と建物なのでしょう」と言ったからです。神殿の石は長さ11㍍,幅5㍍,高さ3㍍を超えるものもあったようです。イエスはこう答えました。「あなたたちがいま見ているこれらの物についていえば,石が石の上に残らずに崩されてしまう時が来ます」。(マルコ 13:1。ルカ 21:6)
イエスはさらにこう述べています。「エルサレムが陣営を張った軍隊に囲まれるのを見たなら,その時,荒廃が近づいたことを知りなさい。その時,ユダヤにいる人は山に逃げ始めなさい。都の中にいる人はそこを出なさい。田舎にいる人は都に入ってはなりません」。(ルカ 21:20,21)では,イエスの言葉の通りになったでしょうか。
都市の滅び
それから33年たっても,ユダヤはローマの圧制下にありました。しかし西暦66年,ユダヤを治めていたローマの行政長官ゲッシウス・フロールスが聖なる神殿の宝物庫から巨額の金を奪いました。もはや我慢できなくなったユダヤ人は,武器を手にエルサレムへなだれ込んで守備隊を虐殺し,ローマからの独立を宣言しました。
およそ3カ月後,ケスティウス・ガルスが3万人を超えるローマ軍を率いて,反乱を鎮圧するためにエルサレムに攻めてきます。ローマ軍はあっという間に市内に侵入し,神殿域の外壁の下を掘り始めます。ところが,これといった理由もないのに撤退していきます。ユダヤの反乱軍はそれを見て喜び,すぐにローマ軍を追撃します。どちらの軍も市内からいなくなったため,エルサレムにいたクリスチャンはイエスの警告に従って,ヨルダン川の向こうにある山地に逃げます。(マタイ 24:15,16)
翌年,将軍ウェスパシアヌスと息子ティツスが率いるローマ軍はユダヤに対する攻撃を再開します。しかし,皇帝ネロが西暦68年に死ぬとすぐ,ウェスパシアヌスは皇帝になるためにローマへ戻り,ユダヤに対する軍事作戦と6万人ほどの兵士を息子ティツスに委ねます。
西暦70年6月,ティツスは兵士たちに,エルサレム一帯の樹木をことごとく切り倒し,とがった杭でエルサレムの周囲に7㌔ほどの柵を築くよう命じます。9月には,ローマ軍はエルサレムと神殿を略奪して火を放ち,イエスの予告通り,全ては廃虚と化します。(ルカ 19:43,44)この時,エルサレムや帝国内で死んだ人の数は,少なく見積もっても「25万から50万人ほど」だったとされています。
壮大な凱旋
西暦71年にイタリアに戻ったティツスは,ローマ市民の熱狂的な歓迎を受け,全市が祝賀ムードに包まれます。このパレードは,首都ローマで行われた凱旋行列の中でも極めて豪華なものでした。
群衆の前を,目もくらむような財宝が運ばれていきます。人々は戦利品の船,戦闘の再現シーン,エルサレムの神殿の財宝を見て歓声を上げました。
ティツスは父ウェスパシアヌスが死ぬと,西暦79年に皇帝になりました。しかし,2年後に急死したため,弟のドミティアヌスが次の皇帝になり,すぐさま兄の業績をたたえる凱旋門を建てます。
現在の凱旋門
ローマにあるティツスの凱旋門
フォロ・ロマーノの人気スポットとなっているティツスの凱旋門は,壮大な芸術品,帝政ローマの威光の象徴,また陥落したエルサレムとその神殿の記念碑として,大勢の観光客を今でも魅了しています。
とはいえ,この凱旋門は,聖書を注意深く読む人にはそれ以上の価値があります。聖書預言が正確で信頼でき,神の導きを受けたものであることを裏付ける,歴史の証人なのです。(ペテロ第二 1:19-21)
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これから実現する約束ものみの塔(一般用)2018 | No. 2
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これから実現する約束
イエスの預言通り,神の王国の良い知らせは世界中で伝えられています。(マタイ 24:14)聖書のダニエル書によると,この王国はおもに神の政府を指しています。ダニエル 2章に収められている預言は,古代バビロンから現代までの主要な政府や王国の移り変わりをたどっています。今後の進展について,2章44節にはこう書かれています。
「天の神は決して滅ぼされることのない王国を建てます。その王国はほかのどんな民にも渡されません。これらの王国を全て打ち砕いて終わらせ,その王国だけが永遠に存続します」。
こうした預言によれば,神の王国が人間に代わって治め,地球全体に秩序と安定が行き渡るようになります。その時,どんな生活が待っているのでしょうか。間もなく,次のような素晴らしい約束が実現します。
戦争がなくなる
詩編 46:9 「神は地上の全ての場所で戦いを終わらせる。弓を折り,やりを砕き,兵車を火で焼く」。
兵器開発のための資金や研究が,人を殺すことではなく生かすことに向けられたら,どんなに良い世界になるでしょう! 神の王国では,この約束が実現します。
病気がなくなる
イザヤ 33:24 「『私は病気だ』と言う住民はいなくなる」。
心臓病,がん,マラリアなどで苦しむ人がいない世界を想像してみてください。病院も薬も要らなくなります。誰もが完全に健康になります。
食糧不足がなくなる
詩編 72:16 「地上には穀物が豊かに実り,山々の頂でも豊作になる」。
食糧が豊かに生産され,食べ物に困ることがなくなります。飢餓や栄養不良に苦しむことはありません。
苦しみ,悲しみ,死がなくなる
啓示 21:4 「神は人々の目から全ての涙を拭い去ります。もはや死はなくなり,悲しみも嘆きも苦痛もなくなります。以前のものは過ぎ去ったのです」。
楽園となった地上で,いつまでも健康に生き続けることができます。愛情深いエホバ神が,このような生活を約束しているのです。
「確実に果たす」
出来過ぎた話だと思いますか。そうなればいいとは思っても,永遠に生きるなんて信じられないかもしれません。それも無理はありません。永遠に生きた人などいないからです。
多くの人は長年,病気や死に悩まされてきたため,「人生には苦しみや悲しみ,逆境が付き物で,仕方がないことだ」と考えています。でもこうした考えは,人間を創造したエホバ神の意図とは全く異なります。
エホバ神は自分が必ず約束を守ることについて,こう言っています。「私の口から出る言葉も,成果を収めずに私のもとに戻ることはない。必ず私の望むことを成し遂げ,私が託した使命を確実に果たす」。(イザヤ 55:11)
聖書によると,エホバは「偽ることができません」。(テトス 1:2)そのエホバがこれほど素晴らしい未来を約束しているのですから,次の点を検討してみるのはいかがでしょうか。楽園となった地上で永遠に生きることは本当に可能でしょうか。どうすればエホバ神が約束している生活を送れるでしょうか。続く記事に,その答えを知るのに役立つ情報が載せられています。
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健康にいつまでもものみの塔(一般用)2018 | No. 2
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健康にいつまでも
そうなったら素晴らしいと思いませんか。人間を創造した神様は,この地球での永遠の命を約束しています。それでも,多くの人はそんなことは不可能だと感じています。「誰だっていつかは死ぬ」とか,「死は自然の摂理」と考えています。永遠に生きられるとしても,それはこの地上での話ではなく,死んであの世に行ってからだと思っているのです。あなたはどう思いますか。
でもまず,次の3つの点について聖書が何と述べているか考えましょう。(1)体の造りからして,人間はどれくらい生きられるのか。(2)神様は何のために地球や人間を造ったのか。(3)人間はなぜ死ぬのか。では,一つずつ調べてみましょう。
人間は特別な存在
神様が創造した地球の生物の中でも,人間は特別な存在です。聖書によれば,人間だけが「神に似た者として」創造されました。(創世記 1:26,27)つまり,人間は愛や公正といった,神様の性格や気質に倣えるように造られたということです。
また,人間には筋道立てて考える力,道徳心,宗教心なども与えられています。宇宙の壮大さや自然界の素晴らしさに感動したり,美術,音楽,詩などを楽しんだりすることもできます。さらに,人間だけが神様を崇拝できます。これらのことからすると,人間と動物に決定的な違いがあることが分かります。
考えてみてください。神様は,こんなにも素晴らしい能力や無限の可能性を人間に与えておきながら,ほんの数十年の命しか与えないのでしょうか。そんなはずはありません。神様は,人間がいつまでも幸せな生活を楽しめるように造りました。確かに,人間は特別な存在です。
何のために地球や人間を造ったのか
人間が地球で永遠に生きるのは神様のお考えではない,と言う人もいます。地球は仮の住まいであって,誰が天国で永久に神様と暮らす資格があるかをテストする場所だ,と言うのです。それが真実であれば,神様が人間をテストするために世の中の悪や苦しみをつくり出していることになります。でも神様はそのような方ではありません。聖書は神様について,「神の道は全て公正である。決して不公正ではなく,信頼できる神。正しく,真っすぐな方」と述べています。(申命記 32:4)
では,神様は何のために地球を造ったのでしょうか。聖書には,「天はエホバのもの。地は人間に与えられたもの」とあります。(詩編 115:16)神様は人間のための美しい住まいとして地球を造り,人間がそこでいつまでも幸せに暮らせるようにしてくれたのです。(創世記 2:8,9)
「天はエホバのもの。地は人間に与えられたもの」。詩編 115:16
聖書は,神様が人間を造った理由も明らかにしています。神様は最初の夫婦アダムとエバに,「地上全体に広がり,地球を管理しなさい。また……地上を動くあらゆる生き物を治めなさい」と命じました。(創世記 1:28)パラダイスを管理して,地球全体に広げていくという仕事を与えたのです! アダムとエバには,天ではなくこの地球で,子孫と共に永遠に生きるという見込みがありました。
人間はなぜ死ぬのか
聖書によれば,問題の発端となったのは,ある天使が神様に反逆して悪魔サタンとなり,エデンの園における神様のプロジェクトを妨害したことでした。どのように妨害したのでしょうか。
サタンは,アダムとエバを唆し,反逆に加わらせようとしました。神様は人間に善悪を決める権利を与えないことで出し惜しみをしている,と言ったのです。アダムとエバはサタンに同調し,神様に背きました。その結果,2人は神様の警告通りに死に,パラダイスで永遠に生きる見込みも失いました。(創世記 2:17; 3:1-6; 5:5)
アダムとエバがしたことは,今でも全ての人に影響を及ぼしています。聖書にはこうあります。「1人の人[アダム]によって人類に罪が入り,罪によって死が入り,こうして……死が全ての人に広がった」。(ローマ 5:12)私たちが死ぬのは,最初の親であるアダムとエバから罪と死を受け継いでいるからです。神様がそうなるよう定めていたわけではありません。
いつまでも生きられる
エデンの園で反逆が起きましたが,神様が人間や地球に対して願っていることは変わっていません。神様は完全な愛と公正の感覚を持っているので,人間を罪と死の束縛から解放することにしました。使徒パウロはこう説明しています。「罪の代償は死ですが,神が与える贈り物は,私たちの主であるキリスト・イエスによる永遠の命なのです」。(ローマ 6:23)「神は,自分の独り子[イエス・キリスト]を与え……,独り子に信仰を抱く人が皆,滅ぼされないで永遠の命を受けられるようにしました」。(ヨハネ 3:16)イエスは喜んで自分の命を犠牲にして贖いとなり,アダムのせいで失われたもの全てを取り戻しました。a
神様が約束している地上の楽園がもうすぐ実現します。その素晴らしい未来を手にするには,イエスのこの勧め通りにする必要があります。「狭い門を通って入りなさい。滅びに至る門は広くてその道は広々としており,それを通って入っていく人は多いからです。一方,命に至る門は狭くてその道は狭められており,それを見つける人は少ないのです」。(マタイ 7:13,14)あなたの未来はあなた自身に懸かっています。
a 贖いについて詳しくは,エホバの証人が発行した「いつまでも幸せに暮らせます」という本のレッスン27をご覧ください。www.pr418.comから無料でダウンロードできます。
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あなたの未来 どちらを選ぶ?ものみの塔(一般用)2018 | No. 2
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あなたの未来 どちらを選ぶ?
自分の未来は本当に自分で選べるのでしょうか。人生は個人の選択ではなく運命で決まる,と信じている人もいます。何かに失敗しても,「仕方がない」と諦めます。「そうなる運命だった」と言うのです。
また,過酷で不公正な社会から抜け出せなくてがっかりしている人もいます。もっと良い生活をしたいと思って何度努力しても,戦争,犯罪,災害,病気などのせいで,努力が水の泡になってしまいます。それで,「何をやっても,どうせ無駄だ」と諦めるのです。
計画を立てても,さまざまな事情で挫折することがあるものです。(伝道の書 9:11)それでも,あなたの未来は自分で選べます。聖書も,人の未来はその人の選択に懸かっていると教えています。
例えば,古代イスラエルの指導者モーセは,約束の地に入ろうとしていた時,民にこう述べました。「私は……あなたの前に,命と死,祝福と災いを置きました。あなたは生きるために,命を選ばなければなりません。あなたもあなたの子孫もです。すなわち,あなたの神エホバを愛し,神の言うことを聞き,神にしっかり付くのです」。(申命記 30:15,19,20)
「私は……あなたの前に,命と死,祝福と災いを置きました。あなたは……命を選ばなければなりません」。申命記 30:19
神様は,イスラエル人をエジプトでの奴隷状態から救い出し,約束の地では自由で幸せな生活ができるという希望を与えました。とはいえ,それが自動的に実現したわけではありません。祝福を受けるには,自分で「命を選ばなければなりません」でした。「神エホバを愛し,神の言うことを聞き,神にしっかり付く」必要があったのです。
私たちも同じような状況にいます。自分の未来は自分の選択に懸かっています。エホバを愛し,エホバの言うことを聞き,エホバにしっかり付くなら,命を選ぶことになります。地上の楽園でいつまでも生きられるのです。では,具体的にはどうすればよいのでしょうか。
自分の意志でエホバを愛する
エホバ神の性格を一言で表すとしたら,愛です。使徒ヨハネはエホバに導かれて,「神は愛……です」と書きました。(ヨハネ第一 4:8)イエスも,律法の中で最も重要なおきてはどれかと尋ねられて,こう答えました。「あなたは,心を尽くし,知力を尽くし,自分の全てを尽くして,あなたの神エホバを愛さなければならない」。(マタイ 22:37)エホバ神と親しくなるには,恐れや単なる服従ではなく,愛が必要です。でも,自分の意志でエホバを愛する必要があるのはなぜでしょうか。
エホバが人間に抱いている愛は,親が子供に抱く愛と似ています。愛情深い親は,いつも上手にできるとは限りませんが,子供を教え,元気づけ,支え,しつけます。子供の幸せと成功を願っているからです。そして,子供がその愛に応え,親を愛し,親の教えを守ることを望みます。愛情深い天のお父さんエホバも,私たちのためになることを完璧に行ってくれます。そして,人間がその愛に応え,感謝することを望んでいます。
エホバの言うことを聞く
聖書中で「聞く」と訳されている言葉には,「従う」というニュアンスが含まれています。子供に従ってほしいときには,「言うことを聞きなさい」という言い方をします。ですから,「神の言うことを聞」くとは,エホバの教えを学び,それに従うことです。実際に声は聞こえなくても,聖書を読み,その通りにするなら,エホバの声を“聞く”ことができます。(ヨハネ第一 5:3)
ある時イエスは,「人は,パンだけではなく,エホバの口から出る全ての言葉によって生きなければならない」と述べ,エホバの声を聞くことの大切さを示しました。(マタイ 4:4)食事を取ることは大切ですが,神様についての知識を吸収することはもっと大切です。なぜでしょうか。賢い王ソロモンはこう説明しています。「お金は身の守りであり,知恵も身の守りである。しかし知識や知恵の利点は,人の命を保たせることだ」。(伝道の書 7:12)神様が与えてくれる知識と知恵は,今でも私たちのためになります。賢明な選択をして,いつまでも幸せに生きる上で役立ちます。
エホバにしっかり付く
前の記事に出てきたイエスの例え話を思い出してください。イエスはこう語りました。「命に至る門は狭くてその道は狭められており,それを見つける人は少ないのです」。(マタイ 7:13,14)旅をするときには,道をよく知っているガイドがいてくれると安心です。私たちは終わりのない命を目指して旅をしています。神様ほど頼れるガイドはいません。それで,神様から離れずにいることが大切です。(詩編 16:8)では,どうすればそうできるでしょうか。
毎日,したいことやしなければならないことがたくさんあります。神様が望んでいることを考える時間はほとんどありません。それで聖書はこうアドバイスしています。「自分の歩み方をしっかり見守りましょう。賢くない人ではなく賢い人のように歩み,時間を有効に使ってください。今は悪い時代だからです」。(エフェソス 5:15,16)神様との関係を何よりも大切にして初めて,神様にしっかり付くことができるのです。(マタイ 6:33)
自分で選べる!
過去は変えられませんが,自分と大切な人たちの未来は選べます。聖書によると,天のお父さんエホバは私たち一人一人を深く愛し,どんな歩みをすればよいのかを教えてくれています。預言者ミカはこう言っています。
「神はあなたに,何が善いことかを伝えた。エホバがあなたに求めていることは何か。ただ公正を守り,揺るぎない愛を抱き,慎みを持って神と共に歩むことである」。(ミカ 6:8)
エホバは,共に歩む人たちに永遠の祝福を与えると約束しています。そして,エホバと共に歩むことは自分で選べます!
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温厚な人は地上に住み続けるものみの塔(一般用)2018 | No. 2
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温厚な人は地上に住み続ける
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