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聖書の19番目の書 ― 詩編『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
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28 (イ)パウロはヘブライ 1章から3章で,詩編を用いてどんな議論を展開していますか。(ロ)メルキゼデクの祭司職についてのパウロの論議に関し,詩編 110編4節はどのようにその根拠を提出していますか。
28 次にヘブライ人への手紙と照らし合わせてみましょう。最初の2章には,神によって天の王座に就けられたみ子イエスがみ使いたちに勝っていることに関し,詩編から幾度も聖句が引用されています。パウロは詩編 22編22節や他の聖句から,イエスが「兄弟たち」,すなわちアブラハムの胤の成員で,「天の召しにあずかる人たち」からなる会衆を持っていることを示しています。(ヘブライ 2:10-13,16; 3:1)次いで,ヘブライ 6章20節から7章全体を通じて,同使徒はイエスが『メルキゼデクのさまにしたがう永久の大祭司』として就く,付け加えられた任務について詳しく述べています。これは詩編 110編4節に記されている,誓いのもとになされた神の約束に言及したものです。パウロは何度もこの約束に触れながら,イエスの祭司職がアロンの祭司職に勝っていることを証明しています。彼は,イエス・キリストがエホバの誓いによる祭司であり,地上の祭司ではなく,天の祭司であることを説明し,イエス・キリストは「永久に祭司のままです」と述べています。イエス・キリストの祭司としての奉仕は,とこしえの益をもたらします。―ヘブライ 7:3,15-17,23-28。
29 詩編に述べられていて,ヘブライ 10章5節から10節に説明されているどんな際立った専心の模範にわたしたちは注意を払うべきですか。
29 さらに,ヘブライ 10章5節から10節は,自分に対する神のご意志であった犠牲の道に対するイエスの立派な認識と,神のご意志を成し遂げようとするその決意をわたしたちに告げています。これは詩編 40編6節から8節のダビデの言葉に基づいています。この模範的な専心の霊はわたしたちすべてに最大の益をもたらします。わたしたちはそれを熟考し,それに倣うことによって,神の是認を受けることができるからです。―詩編 116:14-19もご覧ください。
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