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研究5 ― ヘブライ語聖書の本文『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
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16 (イ)ラテン語ウルガタ訳とはどんな翻訳ですか。その訳はなぜそれほど貴重ですか。(ロ)新世界訳の中でそれが参照されている箇所の一例を挙げなさい。
16 ラテン語ウルガタ訳。この訳は大勢のカトリックの翻訳者たちに用いられた原型本文となり,西方キリスト教世界の数多くの言語で他の訳が作り出されました。ウルガタ訳はどのようにして作り出されましたか。ラテン語の「ウルガートゥス」という言葉には,「共通の,大衆向きの」という意味があります。ウルガタ訳が最初に出された時,それは当時の共通あるいは大衆向きのラテン語で書かれていたので,西ローマ帝国の普通の人々が容易に理解できるものでした。この翻訳を行なった学者ヒエロニムスは,それ以前にギリシャ語セプトゥアギンタ訳と比較しながら,古ラテン語による詩編を2度改訂していました。しかし,彼の翻訳したウルガタ訳聖書は原語のヘブライ語およびギリシャ語から直接訳されたので,重訳ではありませんでした。ヒエロニムスは西暦390年から同405年にかけて,ヘブライ語からラテン語に翻訳する仕事に従事しました。その完成した訳には,そのころまでにセプトゥアギンタ訳の写本に入っていた外典の書も含まれていましたが,ヒエロニムスは正典の書とそうでないものとをはっきり区別していました。新世界訳はその脚注の中でヒエロニムスのウルガタ訳を何度も参照しています。g
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研究5 ― ヘブライ語聖書の本文『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
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g 出エジプト記 37:6に関する脚注,「ウル訳」の箇所をご覧ください。
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