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ヘロデ大王 ― 優れた建築家目ざめよ! 2009 | 9月
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ヘロデの別の偉業は要塞宮殿ヘロディウムの建設です。それはベツレヘムの南東5㌔の目立つ丘にあり,上ヘロディウムと下ヘロディウムの二つから成っていました。上ヘロディウムには,堂々たる要塞宮殿がありました。5層の東塔が高く突き出ていましたが,今では残っていません。2年前に国際通信社は,ヘロデの墓の遺跡がヘロディウムの上部斜面で発見されたと報じ,ヘロデの埋葬行列に関する1世紀のヨセフスの記述が裏づけられたと述べました。
下ヘロディウムには,幾つもの離宮や事務所がありました。ひときわ目を引いたのは,巨大な池を取り囲むようにして柱が立ち並ぶローマ式の庭園でした。池の中央には美しい島がありました。この池は,現代のオリンピック・プールのほぼ2倍の大きさで,貯水池の役目を果たすと共に,そこで水泳やボート遊びができました。水は5㌔離れた泉から送水路を通って運ばれてきました。
数年前にこの場所を訪れた人は,周囲の地形についてこう述べています。「東には,はるかかなたに死海が見え,目の前には,ダビデがサウルから身を隠したユダヤの荒野が広がっていました。起伏が多く,どうしてダビデが身を隠せたかがよく分かりました。しかもダビデは若いころから,その辺りをよく知っていたに違いありません。ダビデは羊を放牧する間に,わたしたちと同じようにこの丘に登って壮大な眺めを楽しんだのだろうか,と思いました」。
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ヘロデ大王 ― 優れた建築家目ざめよ! 2009 | 9月
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[26ページの図版]
ヘロディウム
想像図
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