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地震 ― 生き残るためにどのような備えができますか目ざめよ! 1987 | 12月22日
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地震が起きた時
何よりも慌てないことです。普通,最初の地震が最も激しく,しかも1分以上続くことはまずありません。a しかし,動けるならぐずぐずせずに火元をすべて消します。破損したパイプからガスが漏れたり,電線が露出したり,使用中の電気器具をそのままにしておいたりすると危険なので,できるだけ速やかにガスの元栓を閉め,配電盤のスイッチを切るようにしましょう。また,避難経路を確保するため,つかえて開かなくなる恐れのあるドアや大きな窓などを開けるようにします。それから,机やテーブルの下に潜ります。机の引き出しは補強の役目を果たすので,机は押しつぶされることなく,たいてい数トンの重さに耐えることができます。普通は,木製の机のほうが金属製の机よりも頑丈です。建設省建築研究所の石山祐二博士は,「机の下に避難するよう告げるほうが,他のどんな忠告よりもはるかに優れていると確信しています」と,「目ざめよ!」誌に語ってくれました。
適当な机がない場合,ソファーやベッド,あるいは倒れる恐れのない他の頑丈な家具のそばにかがむか横になるようにします。脚は容易に折れることがあるので,潜り込んではなりません。また,頭を保護するよう心がけましょう。建物の中の狭い部分には非常に多くの壁があるので,トイレはきっと最も安全な場所と言えるでしょう。
皮肉なことに,最近のメキシコ市の地震では,8階から20階建てのビルが倒れる一方,アドービれんが造りの家屋は被害を免れました。東京大学地震研究所の伯野元彦教授は,地震波の固有“共鳴”と関係があるに違いない,と「目ざめよ!」誌に語りました。建物の揺れ方は地震波の振動数によって異なります。伯野教授は,「我々には,地震の起きる時だけでなく,地震の種類や最も影響を受ける建物の種類も分からないので,安全上の規則を設けるのは難しい」と付け加えています。
ドアの枠やまぐさが建物の上部や周囲の重量に耐えられる構造になっている国の専門家たちは,「戸口に立つ」よう述べていますが,これは日本には当てはまりません。
火災が発生した場合どうしたらよいでしょうか。できるだけ早く対処すべきであることは明らかですが,その際隣近所の協力を呼び求める必要があるかもしれません。火災がどれほどひどくなっても,普通,床の近くには呼吸できる空気があることを忘れないでください。
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地震 ― 生き残るためにどのような備えができますか目ざめよ! 1987 | 12月22日
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[脚注]
a 以下の事柄は,非常に古い家屋や耐震構造になっていない家屋には当てはまらないことに注意してください。専門家たちは,そのようなもろい建物の中にいる時に地震が起きた場合,すぐ外に出るのが最善であると述べています。日本の当局者たちは,「かわらなどの落下物から身を守るため,座ぶとんや椅子で頭を覆い,素早く避難するように」忠告しています。
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