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  • 消耗性疾患との闘い
    目ざめよ! 2001 | 3月8日
    • 消耗性疾患との闘い

      ターニャ・サーレイの語った経験

      私は,ほんの数年前まではアラバマ州の小さな町ルバーンで,母親として精力的に働き,また全時間奉仕を行なっていました。ここでの暮らしは平穏でのんびりしています。私にとっても,夫のデュークや年若い息子のダニエルにとっても,すべては順調に行っているように見えました。ところが,一回の簡単な手術で生活ががらりと変わってしまったのです。

      事の始まりは,1992年に受けた子宮の摘出手術でした。術後しばらくして,耐えがたい痛みを絶えず感じるようになり,排尿回数も増加しました(1日に50から60回)。かかりつけの婦人科医は,問題の原因を突き止めるために,最後に私を泌尿器科医にまわしました。

      私は病院へ検査に行きました。最初の診察の時,泌尿器科医は私の病気を間質性膀胱炎(IC),つまり消耗性の膀胱炎と診断しました。ICの診断は簡単ではありませんでした。泌尿器系の他の疾患と症状が似ているからです。さらに,ICを確認する確実な検査方法がありません。ですから,医師は言わば消去法によって他の病気を消していかなければ,ICと診断することはできません。

      私を診た医師は,治療をしてもほとんど効果はないので,最後には膀胱を取ることになるだろう,とそっけなく言いました。また,他にも治療法はあるが,どれもうまくいっていないということでした。かなりのショックを受けたことは言うまでもありません。それまで健康には割合に恵まれていて,デュークと共にエホバの証人として,全時間宣教を何年も行なっていました。それが今,膀胱を取る必要があると言われたのです。夫がよく支えてくれたことに感謝しています。

      私たちは別の泌尿器科医を探すことにしました。何人かの医師を訪ねてみましたが,残念なことに,当時の医師の多くはICについてあまり知りませんでした。また,たいていの泌尿器科医はICについて独自の考えを持っているので,勧める治療法もさまざまです。ある医学雑誌には,「この病気は長引く傾向がある」と述べられています。別の医学雑誌には,「科学者はいまだICの治療法を見いだしていないし,どの患者にどの治療法がいちばんよく効くかを予測することもできない。……医師はICの病因が分からないので,治療は諸症状を和らげることを目的としている」と述べられています。

      痙攣と頻尿に伴う痛みがあまりにもひどかったので,医師の勧めることは何でも試してみようと思いました。ハーブ,鍼治療,神経ブロック,硬膜外および脊髄麻酔,弱い電気的刺激を数分あるいは数時間体内に入れる経皮的電気神経刺激法(TENS)などに加えて,優に40を超える薬物療法を試みました。できる限り詳しく調べたので,少なくともどんなことが起きているのか,いくらか理解できるようになりました。

      現在のところは,痛みを和らげるメタドンのほかに,六つの薬物療法を用いています。またペインクリニックにも通っています。そこでは,痛みに耐えられるようにステロイドに加えて硬膜外注射をしてもらっています。頻尿について言えば,ほぼ3か月か4か月おきに病院に行って,水圧拡張療法と呼ばれる治療を受けています。これは液体を用いて膀胱を風船のように膨らませる治療です。この治療は幾度となく受けました。大体数か月は痛みが和らぎます。私はこの数年間に,入退院を30回以上繰り返しました。

      膀胱を取るという最後の治療法についてはどうでしょうか。ある権威者によれば,「ほとんどの医師は,個々の患者にもたらす結果を予測できないため,手術に消極的である。手術を受けても症状の現われる患者がいる」ということです。ですから,今のところ私はその選択肢を考慮に入れていません。

      激しい痛みが続く時は,くじけそうになります。自殺しようかという考えが脳裏をかすめることさえありました。でも,そのような行為がエホバのみ名にそしりをもたらすことを考えただけで耐えられませんでした。祈りや個人研究,そしてエホバとの親密な関係を培うことがどんなに大切であるか,よく分かります。生活を変えてしまうようなどんなことが起きるか,まったく分からないからです。エホバとのこの関係があったからこそ,病気の間ずっと自分の命を守ることができました。さもなければ自殺していたに違いないからです。

      この9年間を振り返ってみると,人生がいかに速く変化し得るかがよく分かります。伝道の書 12章1節の,「それで,あなたの若い成年の日にあなたの偉大な創造者を覚えよ。災いの日々がやって来る前に,『自分はそれに何の喜びもない』と言う年が到来する前に」という言葉の意味がよく分かります。15歳の時に全時間宣教を始め,20年近く続けることができたことを,本当にうれしく思います。その間にエホバとの親密な関係を培いました。

      夫と息子のダニエルのことも,エホバに感謝しています。二人は本当に大きな支えになってくれています。また,会衆の人が電話をくれたり,会いに来てくれたりする時,とても力づけられます。冬は寒さで痙攣がひどくなるため外出は困難です。そういう時は電話で証言をし,楽園の希望をいつも鮮明に保っています。病気や苦しみが過去のものとなり,思い出されることもない日が来るのを楽しみに待っています。―イザヤ 33:24。

  • 間質性膀胱炎とは何ですか
    目ざめよ! 2001 | 3月8日
    • 間質性膀胱炎とは何ですか

      簡単に言うと,膀胱炎とは膀胱内の炎症のことで,男性よりも女性に多く見られます。しかし,膀胱炎にはたくさんの種類があり,原因も様々です。

      一般的な症状にはどのようなものがあるでしょうか。ごく頻繁に排尿する必要に加えて,排尿障害,つまり焼けるような激痛といった,排尿時の不快感があります。しかし,慢性の間質性膀胱炎(IC)はどうですか。どのように異なるのでしょうか。a

      この分野の専門家であるスーザン・ケイ博士は,「ICは診断が非常に難しく,治療はさらに難しい」と述べ,次のように付け加えています。この病気にかかると「何年も苦しむことがあります。ICは何十年も続くかもしれず,激しい痛みを伴う,長期的な,生活様式を変えさせる問題となります」。残念なことに,多くの医師は長い間この病気を認識できず,すべて患者の思い過ごしであるかのような言い方をしてきました。しかし,ある医師が述べるように,「ICと診断して患者の症状に理解を示すことには,多くの場合治療上の効果がある」のです。

      ある報告によると,米国のIC患者数は70万人を超えており,「これは以前の報告より50%多い」数です。最近では,前立腺障害と診断される男性でも,実はICを患っている場合があるということが分かっています。言うまでもなく,この病気は間接的にたくさんの人々 ― 特に,ほとんどいつも痛みを感じている患者と同居する近親者や他の人々 ― に影響を及ぼします。当然のことながら,この病気に苦しんでいる人の,家庭や職場における有用性は低下します。実際,多くの人は仕事を辞めなければなりません。さらに,患者にとって性行為はひどい痛みを伴う場合があります。

      病気を完全に治すことはまだできないため,医師は苦痛を伴う症状の軽減に努力を集中しています。では,どのような治療法があるのでしょうか。

      治癒ではなく,苦痛の緩和

      タフツ大学医学部およびニューイングランド医学センターの,グラナム・R・サント博士の勧める主要な治療法は,抗ヒスタミン剤,三環系抗うつ薬,ポリ硫酸ペントサンを使用することです。これらはいずれも経口薬です。b

      前の記事で説明されている水圧拡張療法を勧める医師もいます。1回の治療で数か月から1年ほど苦痛が和らぐかもしれません。ほかに,ジメチルスルホキシド(DMSO)膀胱内注入療法があります。DMSOは米国食品医薬品局によって承認されており,2年ほど症状を軽減させることができます。しかし,深刻な血液凝固や他の問題を引き起こし得るため,泌尿器科医のケネス・ピーターズ博士はこの治療法に関して懸念を抱いています。

      ピーターズ博士による試験的な研究で用いられている最近の治療法は,BCG(カルメット-ゲラン菌)を膀胱内に注入することです。「BCGは結核菌の弱められた菌株である」と同博士は書いています。それは免疫機構を活性化させることによって効果を発揮するようです。この治療の比較試験を実施したところ,患者の60%に効果が認められました。患者のその後の経過は2年以上にわたって追跡調査されました。結果はどうだったでしょうか。ピーターズ博士によると,この治療が効いた患者の90%は,「その後も,痛みや頻尿の症状が臨床上明らかに改善された」ということです。

      エルミロンという薬によって苦痛が和らぐ患者もいます。レイモンド・ハーム博士によると,この薬は「実際に膀胱の内壁が修復されるのを助け」ます。時間はかかりますが,ある患者は『エルミロンのおかげで,膀胱の病気と付き合うことが楽になりました』と述べています。

      試験的に用いられている別の治療法は,システィスタットつまりヒアルロン酸の使用です。「この薬物は膀胱に直接注入されるもので,膀胱内のGAG[グルコサミノグリカン]粘膜の損傷を修復することによって効果を発揮すると考えられている。……現在[1998年]米国で臨床試験が開始されている。有効性は現時点では分かっていない」。ヨーロッパでは使用が認められていますが,米国ではまだ許可されていません。

      正看護婦であり,IC患者支援団体のリーダーでもあるベス・ゲッツはこう書いています。「患者は……代替療法について医師に尋ねるのをためらう場合がある。いま受けている伝統的な治療の不適切さを示唆することになる,と考えるのである。現在,IC患者の治療に当たる泌尿器科医のほとんどは,患者を危険にさらすものでない限り,代替療法を含む多様な治療法を用いることをよしとしている」。

      骨盤の慢性的な痛みを抱える人には,ペインクリニックに通うという方法もあります。治療には,前の記事で紹介されている経皮的電気神経刺激法や,神経ブロック,鍼治療,心理カウンセリング,機能回復プログラムなどが含まれるかもしれません。

      本誌は,1日に40回も50回も排尿しなくてはならない患者が抱える問題について,前述のピーターズ博士に話を聞きました。博士は仙骨神経刺激装置の使用を勧めました。これを使えばトイレに行く回数を1日6回ほどに減らせます。米国でインタースティム療法と呼ばれるものを用いる患者は,腹部に小さな装置を植え込まれます。この装置が,膀胱を制御する仙骨神経に微弱な電気信号を送るのです。

      最後の手段とみなされる手術も,成功を保証するものではありません。「ICの膀胱手術の結果は様々です」とサント博士は言います。「膀胱切除を受けた患者が,手術後も引き続き恥骨上部や骨盤の痛みを訴えることは少なくありません」。ですから専門家は,急いで膀胱切除術を受けるのではなく,十分慎重に考えたうえで,最後の手段として受けるようにとアドバイスしています。

      将来の希望

      米国メリーランド州ロックビルの間質性膀胱炎協会は次のように述べています。「すべてのIC患者を助ける単一の治療法を研究者たちが発見する可能性は低いが,新しい診断技術,新しい治療法,新しい治療の組み合わせなどの開発によって,さらに多くの患者を助けられるようになる可能性は非常に高い。ひとたびICの原因が明らかになったなら,治療法の発見にずっと近づくことになる」。世界中にいる大勢のIC患者は,これを聞いて喜ぶことでしょう。

      [脚注]

      a 別の種類のICは,ハンナー潰瘍としても知られる潰瘍性ICです。これは,膀胱壁の全層を冒す,斑点や潰瘍によって識別されます。

      b 「目ざめよ!」誌はここで論じられるどの治療法をも推奨してはいません。治療法や医薬品を選ぶ際には,必ずかかりつけの医師に相談することをお勧めします。「目ざめよ!」誌は,医師や他の専門家が利用可能とする医療の選択肢について読者に情報を提供することに努めます。

      [21ページの囲み記事]

      感情的な支え

      専門家によると,家族,友人,他のIC患者の感情的な支えは,IC患者が病気に対処するうえで大きな助けとなります。また,自分の障害について調べ,自分自身を顧みることに関心を払う患者は,早く快方に向かう傾向があります。

      [22ページの囲み記事]

      避けるべき食物

      臨床医学的な証拠はないものの,ICと食生活には幾らか関係があるということを多くの医師や患者は認めています。泌尿器科医のケネス・ピーターズ博士は,一部の患者が特定の食物に敏感に反応することを指摘し,各人はどの食物が症状を悪化させるかを見極めるべきだと述べています。同博士はカフェインやアルコールの摂取を避けるように勧めています。トマトや柑橘類もIC患者にとって良くないようです。しかし,患者がバランスよく色々なものを食べることは大切です。米,ジャガイモ,パスタ,野菜,獣肉,鶏肉などは最も問題が少ないと述べるIC患者もいます。また,水をたくさん飲むことによって,尿に含まれる酸を希釈し,膀胱壁への刺激を軽減できます。

      以下は避けるとよい食物の一部です。

      アスパルテーム

      アボカド

      アンズ

      アンチョビー

      イチゴ

      お茶

      加工獣肉/魚肉

      辛い食べ物

      カンタループ(メロンの一品種)

      キャビア

      クエン酸

      クランベリー/ジュース

      コンビーフ

      ざくろ

      サッカリン

      サラダドレッシング

      サワークリーム

      ジャンクフード

      熟成チーズ

      硝酸塩/亜硝酸塩

      醤油

      酢

      酸い練り粉パン

      そらまめ

      ダイオウ

      たばこ

      玉ねぎ

      炭酸飲料

      チョコレート

      豆腐

      ナッツ

      ネクタリン

      パイナップル

      バナナ

      ぶどう

      プラム

      マヨネーズ

      桃

      ヨーグルト

      ライマメ

      ライ麦パン

      りんご

      レバー

      [クレジット]

      Urologic Nursing, April 2000, Volume 20, Number 2

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