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諸国民に対するエホバの計り事イザヤの預言 ― 全人類のための光 I
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モアブ人はキル・ハレセトの干しぶどうの菓子のために嘆き悲しむことになります。それはその都市の主要な産物だったようです。(イザヤ 16:6,7)ぶどうの栽培で有名なシブマとヤゼルは,たたきのめされます。(イザヤ 16:8-10)
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諸国民に対するエホバの計り事イザヤの預言 ― 全人類のための光 I
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イザヤ自身も,こうした裁きの成就を確信し,心を強く動かされます。たて琴の弦が振動するように,イザヤの内なる部分は,モアブに対する災いの音信のゆえに哀れみに動かされます。―イザヤ 16:11,12。
12 モアブに対するイザヤの言葉はどのように成就しましたか。
12 この預言はいつ成就するのでしょうか。遠い先のことではありません。「これが以前にモアブに関してエホバの語られた言葉である。そして今,エホバは語って言われた,『モアブの栄光もまた,雇われた労働者の年期にしたがって,三年のうちにあらゆる大騒ぎをもって必ず卑しめられる。残りの者はごく少数となり,力もなくなる』」。(イザヤ 16:13,14)この言葉と調和して,考古学上の証拠は,西暦前8世紀にモアブがひどい苦しみを経験し,その都市の多くで人口が激減したことを示しています。ティグラト・ピレセル3世は,自分に貢ぎ物を納めた支配者たちの一人としてモアブのサラマヌに言及しています。セナケリブは,モアブの王カンムスナドビから貢ぎ物を受けました。アッシリアの君主であるエサル・ハドンとアシュルバニパルは,自分たちの臣下としてモアブ人の王であるムスリとカマシャルトゥの名を挙げています。今から何世紀も前に,民族としてのモアブ人は存在しなくなりました。モアブ人のものと考えられる都市の廃墟がいくつも発見されていますが,これまでのところ,イスラエルの強力な敵であったこの民のことを示す物的証拠はほとんど出土していません。
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諸国民に対するエホバの計り事イザヤの預言 ― 全人類のための光 I
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しかし,この現代の「モアブ」の中にいる人々には希望があります。イザヤは,モアブに対する預言の途中で,こう言います。「王座は愛ある親切のうちに必ず堅く立てられ,人はダビデの天幕の中で真実をもって必ずこれに座し,裁きを行ない,公正を求め,義に速やかな者となる」。(イザヤ 16:5)1914年,エホバは,ダビデ王の系統を引く支配者であるイエスの王座を確立されました。イエスの持つ王権はエホバの愛ある親切の表明であり,ダビデ王と結ばれた神の契約の成就として永久に存続します。(詩編 72:2; 85:10,11; 89:3,4。ルカ 1:32)大勢の柔和な人たちが現代の「モアブ」を後にし,命を得るためイエスに服するようになっています。(啓示 18:4)それらの人たちにとって,イエスが「公正とは何かを諸国民に明りょうにする」ということを知るのは,何と大きな慰めなのでしょう。―マタイ 12:18。エレミヤ 33:15。
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