-
死海写本 ― 貴重な発見物ものみの塔 1991 | 4月15日
-
-
しかし世界を沸かせたのはイザヤの預言が書かれた聖書写本でした。その理由はどこにあったのでしょうか。
大変貴重なもの
この新たに発見されたイザヤの巻き物は,もとの長さが約7.5㍍ありました。羊皮紙とほとんど変わらないほどに処理し,丹念に作り上げられた17枚の獣の皮でできています。欄は54,行は各欄に平均30行という構成になっていて,罫線が注意深く引かれています。熟練した筆記者たちは,段落ごとに分けながら,この線に沿って本文の文字を書き込んでいます。―写真をご覧ください。
巻き物は棒には巻かれておらず,多くの人が読む際に手で持った中ほどの部分はほかのところよりずっと黒ずんでいます。使い古されたもので,上手に修理され補強された跡がありました。保存状態が良かったのは,壺の中に入れて注意深く封をしていたからです。この巻き物は,聖書学者たちにとって,さらにはわたしたちすべてにとって,どれほど価値があるのでしょうか。
預言者イザヤのこの写本は,現在残っている他の写本より1,000年ほど古いものであるにもかかわらず,その内容はさほど変わっていません。1950年に発行された本文の編集者である,ミラー・バローズ教授はこう述べました。「この写本の中のイザヤの本文には,つづりや文法にかなりの差異があり,興味深さや重要性を異にする異文も多いが,MT[マソラ学者のヘブライ語本文]がかなり後代に提供した本文と本質的には同じである」。a さらに,神の聖なるみ名エホバをヘブライ語で表わす四文字語<テトラグラマトン>,יהוהが一貫して用いられていることも注目に値します。
-