この出版物は販売を目的としたものではありません。世界的な聖書教育活動の一環として提供されており，その活動は自発的な寄付によって支えられています。寄付をしたいと思われる方はdonate.jw.orgをご覧ください。聖句は，特に注記がない限り，「新世界訳聖書」からの引用です。

「ものみの塔」誌は，宇宙を治めるエホバ神をたたえます。また，天にある神の王国が間もなく悪を完全に取り除いて地上をパラダイスに変える，という希望を人々に伝えます。そして，イエス･キリストに信仰を持つように勧めます。イエスは人々が永遠に生きられるように命を差し出し，今は神の王国の王として治めています。1879年以来ずっと発行されてきた本誌は，政治と関わりを持たず，常に聖書を基盤としています。

神は私たちの幸せのためにどんな約束をしていますか。神の言葉は正確に伝えられてきましたか。この雑誌では，神の約束の幾つかを調べ，どうしてそれが信じられるのか，神の約束の素晴らしさをどうすれば味わえるかを考えます。

• 戦争や暴力，争いのない世界を望んでいますか。

• 病気や苦しみ，死がなくなればいいのにと思いますか。

• 心配や不安がなくなってほしいと思いますか。

• 自然災害のない所で暮らしたいですか。

愛情深い神は美しい地球を創造し，平和で幸せな生活がいつまでも続くことを人間に約束しました。信じられないと思いますか。

続く記事で次の点を考えましょう。

• 創造主は私たちのことをどう思っていますか。

• 神は私たちにどのようにメッセージを伝えていますか。

• 神の預言者はどんな素晴らしい約束を明らかにしましたか。

• 今も将来もずっと幸せに生きるために何ができますか。

ではまず，創造主が私たちを愛している証拠について調べましょう。

1. 創造主は太陽を昇らせている

生きていくのに太陽の光は欠かせません。木は太陽のエネルギーのおかげで，葉，花，果実，木の実，種を生み出します。また，木の根は土壌から水を吸い上げて葉まで運び，水蒸気として空中に放出します。

2. 創造主は雨を降らせている

雨は神からの大切な贈り物です。作物が収穫できるのはそのおかげです。神は天からの雨と実りの季節を与え，食物を豊かに供給して私たちの心を喜びで満たしています。

3. 創造主は食べ物と着る物を与えている

多くの父親は家族に衣食住を与えるために一生懸命です。一方で，聖なる書物にはこうあります。「鳥をよく観察しなさい。種をまいたり，刈り取ったり，倉に集めたりはしません。それでも天の父は鳥を養っています。あなたたちはそれよりも価値があるのではありませんか」。（マタイ 6:25，26）

「野のユリがどのように育つかをよく考えなさい。……しかし，華やかな生活を送ったソロモン王でさえ，このような花の1つほどにも装ってはいませんでした。では，神が……野の草木にこのように服を与えているなら，ましてあなたたちには服を与えてくださるのではないでしょうか」。（マタイ 6:28-30）

神が食べ物や服を与えてくださるのであれば，ほかに必要な物も手に入れられるよう必ず助けてくださいます。神が喜ぶことをしようと努めるなら，仕事を見つけて生活に必要な物を買ったり，作物を収穫したりできるよう，神は助けてくださいます。（マタイ 6:32，33）

太陽や雨，鳥や花について考えると，神から愛されていると感じませんか。では，創造主は人間にどのようにメッセージを伝えてきたでしょうか。次の記事を見てみましょう。

創造主は人間を創造した時から，天使や預言者たちを通して人とコミュニケーションを取ってきました。また，自分のメッセージや素晴らしい約束について書かせました。神からの約束はあなたの将来にも関係があります。では今の時代，どうすればその約束を知ることができますか。

神からのメッセージは聖なる書物に書かれています。（テモテ第二 3:16）神はどのように預言者たちに書かせたのでしょうか。筆者たちの思考を導いて，メッセージを書かせました。（ペテロ第二 1:21）今でも社長が秘書にメッセージを書かせることがあります。それは社長からのメッセージです。同じように，神が人間に書かせた書物も，神からの書物といえます。

神の言葉は広く読まれている

神はとても大切なメッセージを，全ての人に読んで理解してほしいと思っています。今日，「あらゆる国や民族や言語や種族」の人たちが，神からの「永遠の良い知らせ」を読むことができます。（啓示 14:6）神の祝福のおかげで，聖なる書物は全巻もしくは一部が3000以上の言語で入手できます。これほどの言語で読める本はほかにありません。

ある人たちは，神の言葉は書き換えられているのではないかと考えています。預言者イザヤは，神の言葉は「永遠に存続する」と言いました。（イザヤ 40:8）神の言葉が正確に伝わってきたと確信できるのはなぜでしょうか。

神は自分の言葉を保存し，改ざんされないよう守ってきました。古代の写字生は手書きの写本を作るとき，神聖な本文の一字一句を数え，追加や変更，削除がないように細心の注意を払いました。それでも，多少の間違いはありました。

神の言葉が変わらずに伝えられてきたと確信できるのはなぜか

聖なる書物を書き写した古代写本は何千もあります。1つの写本にごくわずかな相違があっても，それをほかの写本と比べることで，正確さを見極められます。（さらに詳しくは，jw.orgで「聖書には改ざんされた箇所がありますか」という記事をご覧ください。）

一例として，死海文書と呼ばれる古代文書があります。これは1947年，死海付近の洞窟でベドウィンが発見しました。この中には，2000年以上前の聖なる書物の一部が含まれています。専門家はこれら古代文書を，現代の聖なる書物と比べました。どんなことが分かりましたか。

学者たちによれば，現代の神からの書物は，原文の内容と変わっていません。a 古代写本を注意深く調べた結果，神の言葉は今も全く同じということが分かりました。神は私たちのために，聖なる書物の正確さが失われないよう導いてきたのです。

ですから，神の言葉の正確さに全幅の信頼を置いて読むことができます。そのことを念頭に置き，次の記事では，預言者たちが神について語った事から何を学べるかを調べましょう。

アブラハム

神は公平な方で，全ての人を祝福したいと思っている。

神は預言者アブラハムに，「あなたによって地上の家族全てが必ず祝福を受ける」と約束しました。（創世 12:3）

何を学べるか。神は私たちのことを深く愛していて，自分に従う全ての人を，男性も女性も子供たちも祝福したいと思っています。

モーセ

神は憐れみ深い方で，神を知ろうと努める人たちを祝福する。

全能の神は預言者モーセに，強力な奇跡を行う力を与えました。モーセはさらにこう祈り求めました。「あなたの道を私に知らせてください。私があなたを知り，あなたの好意を得続けるためです」。（出エジプト 33:13）神はその願いを喜び，自分について多くのことをモーセに教えました。例えばモーセは，創造主が「憐れみ深く，思いやりがある神」だと学びました。（出エジプト 34:6，7）

何を学べるか。神のことをもっと知ろうと努力するなら，神は私たちを，男性も女性も子供たちも皆，祝福してくださいます。神は聖なる書物の中で，どうやって自分を崇拝するとよいか，どれほど私たちに恵みや祝福を与えたいと思っているかを示しています。

イエス

イエスについて知り，イエスのしたことや教えたことを学ぶなら，いつまでも神に愛され，幸せに生きられる。

聖なる書物には，イエスの生涯や教えについて多くの詳細な点が記録されています。神はイエスに強力な奇跡をたくさん行う力を与え，イエスは目が見えない人，耳が聞こえない人，足が不自由な人たちを癒やしました。また，亡くなった人を生き返らせました。イエスはこのようにして，神が将来全人類にもたらす祝福について明らかにしました。どうすれば私たち一人一人が神の祝福を受けられるかについて，こう説明しました。「永遠の命を得るには，唯一の真の神であるあなたと，あなたが遣わされたイエス･キリストのことを知る必要があります」。（ヨハネ 17:3）

イエスは思いやりがあり，優しくて親切でした。老若を問わず男性も女性も，イエスの次の温かな呼び掛けを聞いてそのもとに押し寄せました。「私から学んでください。私は温和で，謙遜だからです。あなたたちは爽やかさを感じるでしょう」。（マタイ 11:29）当時の人々は女性を差別しましたが，イエスは女性にも親切で，尊厳を重んじ，敬いました。

何を学べるか。イエスは人々を深く愛し，私たちが互いにどう接したらよいかについて素晴らしい手本を残しました。

イエスは神ではない

聖なる書物は「私たちには父であるひとりの神がいて」，イエス･キリストは神が遣わした謙虚な使者であると教えています。（コリント第一 8:6）イエスによれば，神はイエスより偉大で，神がイエスを地上に遣わしました。（ヨハネ 11:41，42; 14:28）a

神は人間に特別な贈り物を与えました。それは祈りです。人は祈りによって神とコミュニケーションを取り，自分の気持ちを伝えることができます。「祈りを聞く方，あなたのもとにあらゆる人が来ます」と預言者ダビデは祈りました。（詩編 65:2）とはいえ，神に聞かれる祈りをして恵みを得るにはどうすればよいでしょうか。

謙虚な姿勢で心から祈る

神に個人的に祈り，自分の気持ちを全て神に伝えましょう。本当の気持ちを伝えるのです。（詩編 62:8）全能の神は心からの誠実な祈りを聞いて喜びます。

神に名前で呼び掛ける

神にはアッラーなど数々の称号がありますが，神だけが持つ特別な名前があります。「私はエホバ。それが私の名」とあります。（イザヤ 42:8）エホバという名前は聖なる書物の中に7000回ほど出てきます。多くの預言者は敬意を込めて神に名前で呼び掛けました。アブラハムは「エホバ，どうか，……聞いてください」と言いました。（創世 18:30）私たちも祈る時にエホバという神のお名前を使うべきです。

自分の言語で祈る

どんな言語で祈るとしても，神は私たちの考えや気持ちを理解することができます。神の言葉が保証している通り，神は「不公平ではな」く，「神を畏れて正しいことを行う人はどの国の人でも神に受け入れられるのです」。（使徒 10:34，35）

とはいえ，神の恵みを得るには，祈る以上のことをする必要があります。続く記事では，何をすればよいかを考えます。

預言者モーセは，神のおきてに従うなら，神に祝福されると言いました。（申命 10:13; 11:27）私たちは神に処罰されたくないので従うのではありません。むしろ，魅力的な性格を持つ神を愛し，神を悲しませたくないと思うので従います。「神を愛するとは，神のおきてを守ることです」。（ヨハネ第一 5:3）

では，神に従うとどんな祝福がありますか。2つの点を考えましょう。

1. 神に従うと賢くなれる

「私エホバは，あなたの神である。あなたのためになる生き方を教え，あなたを導いて正しい道を歩ませる」。イザヤ 48:17

創造主であるエホバ神は私たちのことをよく知っていて，必要なアドバイスを与えています。それで，賢く行動したいなら，聖なる書物を読んで，神が私たちに望んでいることを学び，その教えを実践しなければなりません。

2. 神に従うと幸せになれる

「神の言葉を聞いて守っている人たちこそ幸福です！」 ルカ 11:28

今日，神の言葉に従う何百万もの人たちは本当の幸せを味わっています。例えば，スペインのある男性はかっとなりやすく，妻やほかの人たちに厳しく接していました。ある日，預言者モーセが書いた書を読み，ヤコブの息子ヨセフの穏やかな気質について知りました。ヨセフは奴隷として売られ，不当にも牢獄に入れられましたが，依然として穏やかで，平和を愛し，寛容でした。（創世 37-45章）男性はこう話しています。「ヨセフのことを考えると，私も穏やかで親切な人になり，自分を抑えようと思いました。今の私は幸せです」。

聖なる書物は人との接し方についてほかにも多くのことを載せています。この点は続く記事で取り上げます。

私たちは皆，最初の人間アダムの子孫なので，1つの家族です。家族は互いに愛と敬意を示し合うものですが，今の時代はそれが難しくなっています。愛情深い神はこのような状況を残念に思っています。

愛について聖なる書物が教えていること

「仲間を自分自身のように愛さなければならない」。レビ 19:18

「敵を愛し続け……なさい」。マタイ 5:44

仲間を愛するとはどういうことか

コリント第一 13章4-7節で神が愛をどう説明しているか見てみましょう。

「愛は辛抱強く，親切です」。

考えてみてください。親切で辛抱してくれる人，失敗してもすぐに怒らない人のことをどう思いますか。

「愛は嫉妬しません」。

考えてみてください。疑い深くて嫉妬深い人のことをどう思いますか。

愛は「自分のことばかり考え」ません。

考えてみてください。自分の意見にこだわらず，あなたの考えを尊重してくれる人のことをどう思いますか。

「愛は傷つけられても根に持ちません」。

考えてみてください。神は，過ちを犯しても深く反省する人を進んで許してくださいます。「いつも非難するのでも，ずっと憤ったままでいるのでも」ありません。（詩編 103:9）傷つけてしまった人が自分のことを許してくれると，ありがたく思います。それで，誰かに傷つけられても，快く許しましょう。（詩編 86:5）

「愛は不正を喜ばない」。

考えてみてください。自分の身につらいことが起きたとき，周りの人に喜んでほしくはありません。同じように，誰かが大変な目に遭ったとき，たとえそれが自分に嫌なことをした人でも，喜ばないようにします。

神に愛されるには，このような仕方でどんな人にも愛を示さなければなりません。実際に愛を示す1つの方法は，困っている人を助けることです。

世界中の大勢の人が食べ物や住まいを必要としています。明るい未来を切望している人もいます。そういう人たちを助けようと努力するなら，神に良いと認められ，愛されます。

聖なる書物が教えていること

「立場が低い人に親切にする人はエホバに貸しており，神はその行いに報いてくださる」。格言 19:17

困っている人を助けるとはどういうことか

イエスが語った例え話の中で，ある男性が強盗に襲われて半殺しにされました。（ルカ 10:29-37）そこに親切な人が立ち止まり，ひどいけがを負った男性を世話しました。人種が違うのに，そうしました。

この親切な人はけがを負った男性に応急処置を施して必要な物を与え，男性をつらい状況から解放してあげました。

この話から何を学べますか。私たちもいろいろな方法で困っている人を助けることが必要です。（格言 14:31）聖なる書物によれば，神はもうすぐ貧困や苦しみを終わらせます。では，いつどのようにそうするのでしょうか。続く記事では，愛情深い創造主があなたのためにどんな祝福を用意しているかを取り上げます。

神は預言者アブラハムに，あなたの子孫によって「地上の全ての国民」が祝福されると約束しました。（創世 22:18）その子孫とは誰でしょうか。

2000年近く前に，神はアブラハムの子孫であるイエスに強力な奇跡を行う力を与えました。それらの奇跡により，アブラハムへの約束はイエスによって実現することが示されました。（ガラテア 3:14）

イエスの奇跡により，神が人類を祝福するためにイエスを選んだことがはっきりしました。また，神がどのようにイエスを用いて人類に永遠の祝福を与えるかが明らかになりました。奇跡を通してイエスのどんな魅力的な性格が分かるか，見てみましょう。

優しさ イエスは病気の人を癒やした。

ある時，重い皮膚病の人がイエスに癒やしてほしいと頼みました。イエスは男性に触れて「そう望みます」と言いました。するとすぐに病気は消えました。（マルコ 1:40-42）

気前良さ イエスは空腹の人に食事をさせた。

イエスは人々に空腹でいてほしくありませんでした。それで，わずかなパンと小さな魚を奇跡的に増やし，大勢の人に食事をさせたことが一度ならずあります。（マタイ 14:17-21; 15:32-38）みんなが食べて満足し，食べ物が余るほどでした。

思いやり イエスは死者を生き返らせた。

イエスは，一人息子を亡くした身寄りのないやもめが悲しむのを見て「かわいそうに思い」，息子を生き返らせました。（ルカ 7:12-15）

• 

  どうして世の中は問題だらけなのだろうか。

• どうすれば生活のいろいろな問題に対処できるだろうか。

• 神は私のことを気に掛けているだろうか。（ペテロ第一 5:6，7）

• どうすれば神についてもっと知ることができるだろうか。

何百万もの人たちが聖なる書物を学び，こうした疑問に対する納得のいく答えを見つけています。あなたもそうできます。

さらに詳しく知りたい方は，「真の信仰 ― 幸せへの鍵」（英語）という無料の冊子を本誌の発行者に依頼するか，www.pr418.comで読むことができます。