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第14部 ― 西暦622年以降 ― 神の意志に服する目ざめよ! 1989 | 7月22日
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伝承によれば,マホメット自身,イスラム教に72の異端の分派が派生することを予見していました。しかし今日,数百の分派について語る権威者もいます。
シーア派とスンニー派は二大勢力となっていますが,それぞれに,無数の小さな分派があります。イスラム教徒100人中,83人ほどがスンニー派で,15人ほどがシーア派です。その他の人は,ドルーズ派やブラック・ムスリム団,さらにはイスラム教に仏教やヒンズー教や土着の諸宗教を混合した,インドネシアのアバンガン派など極めて多様な分派に属しています。
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第14部 ― 西暦622年以降 ― 神の意志に服する目ざめよ! 1989 | 7月22日
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例えば,スーフィズム ― イスラム教の神秘主義を指す西洋の用語 ― は,8ないし9世紀に登場し,急速に大衆の宗教運動に発展しました。12世紀には,スーフィーの修道会,つまり友愛会があちこちに存在していました。スーフィーの修道院は,重要性の点でモスクを凌ぐほどになり始めていました。スーフィズムに見られる慣行の中には,精神を集中する技法や熱狂的な踊りによって誘導される自己催眠術,決まった言葉を繰り返し唱えること,奇跡に対する信仰,聖人崇拝などがあります。
スーフィーたちは,地元の習慣や信条に対して妥協しました。トルコ人はシャーマニズムの慣行を,アフリカ人はまじない師を,インド人はヒンズー教やヒンズー教以前の聖人や神々を,またインドネシア人は,新ブリタニカ百科事典が述べているように,「イスラム教の慣行という上張りの下にあるイスラム教以前の世界観」を,それぞれ保持していました。
近代になって形成された著名な分派としては,19世紀中葉のイランにおいてシーア派イスラム教から発展したバハーイ教があります。もう一つは,スンニー派から出た,アフマド派と呼ばれる分派で,19世紀後半にインドで興りました。ミールザー・グラーム・アフマドは自らを預言者と称し,マホメットの示現,帰還したイエス,そしてヒンズー教のクリシュナの化身であると主張しました。イエスはゴルゴタでの死を免れた後,インドに逃れ,120歳で死ぬまで元気だった,とアフマドは教えました。
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