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外人居留者聖書に対する洞察,第1巻
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ときには,パレスチナの地に移住して来てイスラエル人の間で生活することに満足し,その地の基本的な律法に従いながらも,エホバの崇拝を全面的に受け入れてはいない人を指す場合もあります。
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外人居留者聖書に対する洞察,第1巻
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移住者 移住者とは,自分の土地また自分の国ではない所に住んでいる人のことでした。ヘブライ語で移住者を意味する言葉(トーシャーヴ)は,『住む』という意味の語根動詞ヤーシャヴに由来しています。(創 20:15)イスラエルに住んだ移住者の中には,改宗者になった人もいれば,イスラエル人と共に住んでその地の基本的な律法に従うことに満足しながらも,割礼を受けた改宗者とは違ってエホバの崇拝者とはならなかった人もいたものと思われます。移住者は異国人とは区別されていました。異国人は一般に短期滞在者であり,東洋での客人に対する普通のもてなしを差し伸べられたにすぎません。
その地に住んでいた無割礼の移住者は,過ぎ越しの食事や聖なるものにはあずかりませんでした。(出 12:45; レビ 22:10)移住者は,外人居留者や貧しい人たちと共に数々の恩恵を受け,安息年とヨベルの年の間はその地が産出したものにあずかることができました。(レビ 25:6,12)移住者やその子孫はイスラエル人によって奴隷として買い取られ,恒久的な相続財産として譲り渡されて買い戻しの権利やヨベルにおける解放の恩恵を受けない場合もありました。(レビ 25:45,46)他方イスラエル人は,移住者もしくは移住者の家族の成員に身を売ってその奴隷となっても,奴隷状態の7年目かヨベルの時には解放されるだけでなく,いつでも行使できる買い戻しの権利を保持していました。―レビ 25:47-54; 出 21:2; 申 15:12。
その地で世襲所有地を持っていたのは生来のイスラエル人だけであったとはいえ,実際の所有者はエホバであり,エホバはご自分の目的にしたがって彼らをその地に住まわせたり,そこから出したりすることができました。エホバは土地の売買に関してこう言われました。「それで,土地は恒久的に売り渡されるべきではない。土地はわたしのものだからである。あなた方はわたしから見れば外人居留者また移住者なのである」― レビ 25:23。
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