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アルバニア2010 エホバの証人の年鑑
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ついに法的に認可される
その後の数週間,王国伝道の業が法的に登録されることを目指し,兄弟たちは弁護士や役人とのやり取りに多くの時間を費やします。ティラナに住む,兄弟や関心を持つ人たちから成るグループは,すでに申請書を提出していましたが,新政権が発足してまだ間もなかったので粘り強さが求められました。
一人の兄弟は思い起こしてこう言います。「何をするにも徒歩で行ないました。市内を歩いていると,人権大臣,内務大臣,法務大臣,警察長官,憲法裁判所の裁判官その他の要人と出会うことがよくありました。みな親切で,自由に物事が行なえるようになったことを喜んでいました。その人たちの大半は,福音宣明者<ウンジロラ>の活動についてはすでに知っていました。アルバニアにエホバの証人が存在し,活発に活動していることは明らかでした」。
役人たちはエホバの証人に法的認可を与えるという政府の意向について伝えてはいたものの,数週間が過ぎても具体的な進展はありませんでした。しかし,米国在住のアルバニア系の兄弟であるアンジェロ・フェリオがティラナの親族を訪れた際に突破口が開かれます。滞在中に,兄弟たちはアンジェロを伴い,認可の権限を持つ大臣の法律顧問を訪ねました。法律顧問の女性は,アンジェロの親族が自分と同じ地域の出身であることを知って喜びます。
その女性は,「あなたの親族はどの村の出ですか」と尋ねます。偶然にも,彼女と同じ村だったのです。
「親族の名前は何というのですか」と,その女性は聞きます。
驚いたことに,この法律顧問はアンジェロの親族に当たる人でした。長い年月の間に,親族同士の連絡が途絶えてしまったのです。
その人はこう言います。「皆さんの定款はすばらしいと思い,協力するつもりでしたが,親族と分かったのですから助けないわけにはいきません」。
数日後,この法律顧問は兄弟たちに,アルバニアのエホバの証人に法的認可を与えるとする省令第100号の書面を手渡します。真の神エホバの崇拝は1939年以来禁止されていましたが,ついに法的に認められ,自由に行なえるようになったのです。ディグレゴリオ夫妻は,「その日,皆がどのように感じたかを言葉で表わすことなどできません」と述べています。
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アルバニア2010 エホバの証人の年鑑
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[172ページの図版]
エホバの証人に法的認可を与えた省令第100号
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