-
聖書の24番目の書 ― エレミヤ書『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
-
-
1 エレミヤはいつ,また,だれによって任命されましたか。
預言者エレミヤは危機と激動の時代を生きた人でした。彼は,神を恐れたユダのヨシヤ王の治世の第13年,西暦前647年にエホバによって任命されました。エホバの家の修復作業が行なわれている間に,エホバの律法の書が発見され,それはヨシヤ王のために読まれました。彼はその律法を実施しようと懸命に努力しましたが,偶像礼拝への堕落の過程を精々一時的に阻止し得たにすぎません。55年間統治を行なった彼の祖父マナセも,また,わずか2年間治めた後に暗殺された彼の父アモンも邪悪な行動を取りました。これらの王はみだらな饗宴や身の毛もよだつような儀式を民に奨励しました。そのため,民は「天の女王」に香をたいたり,悪霊の神々に人間をいけにえとして供えたりすることに慣れてしまっていました。マナセはエルサレムを罪のない者の血で満たしました。―エレミヤ 1:2; 44:19。列王第二 21:6,16,19-23; 23:26,27。
2 エレミヤの任務はどのようなものでしたか。彼の預言は色々な出来事に富んだどんな期間を取り扱っていましたか。
2 エレミヤの任務は決して容易なものではありませんでした。彼はエホバの預言者として仕え,ユダとエルサレムの荒廃,エホバの壮大な神殿の焼失,自分の民の捕囚など,信じ難いような大変災を予告しなければなりませんでした。彼は,悪い王エホアハズ,エホヤキム,エホヤキン(コニヤ),そしてゼデキヤの統治に至る40年間,エルサレムで預言活動を続けなければならず(エレミヤ 1:2,3),後にはエジプトで,その地のユダヤ人の逃亡者たちの偶像礼拝に関して預言しなければなりませんでした。
-
-
聖書の24番目の書 ― エレミヤ書『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
-
-
5 (イ)エレミヤ自身に関して何が知られていますか。(ロ)彼の文体に関してどんなことが言えますか。
5 モーセを別にすれば,エレミヤの経歴は古代の預言者の他のだれの経歴よりもよく知られています。エレミヤは自分自身について,自分の気持ち,また感情について多くのことを明らかにしています。彼は恐れを知らぬ大胆さと勇気を示し,謙遜さと心の優しさを合わせ持っていました。彼は預言者であるばかりでなく,祭司であり,聖書の編さん者であり,正確な歴史家でもありました。彼はエルサレムの北の地方,「ベニヤミンの地」にある祭司の都市アナトテのヒルキヤという祭司の子として生まれました。(1:1)
-