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ユダヤ教 ― 経典や伝承による神の探求神を探求する人類の歩み
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34 聖書の見解とは対照的に,タルムードは魂をどのように描写していますか。後代の著述家はどんな注解を述べていますか。
34 聖書とは対照的に,ヘレニズムの影響を受けたタルムードには,不滅の魂に関する解説や物語,それに不滅の魂を描写した箇所さえたくさんあります。後代のユダヤ教の神秘主義文献であるカバラは,輪廻(魂の転生)について説くことさえしていますが,これは基本的に言って,古代ヒンズー教の教えです。(5章をご覧ください。)現代のイスラエルで,これはユダヤ教の教えとして広く受け入れられており,またハシディズム(敬虔主義)の信仰や文学でも重要な役割を果たしています。例えば,マルティン・ブーバーは自著,「ハシディーム(敬虔者)の物語 ― 後代の師たち」の中に,リズヘンスクのラビであるエリメレクの学派の魂に関する次のような話を含めています。「贖罪の日に,ラビ・アブラハム・エホシュアはアボダー,つまりエルサレム神殿での大祭司の典礼聖歌を復唱する祈とうを朗唱し,『かくて,彼は語れり』という一節に来ると,決してそのようには言わず,『かくて,我は語れり』と言うのであった。彼は自分の魂がエルサレムの大祭司の体に入った時のことを忘れてはいなかったのである」。
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ユダヤ教 ― 経典や伝承による神の探求神を探求する人類の歩み
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[222ページの図版]
安息日を祝う,ハシディズムを信奉するユダヤ人の家族
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