-
1988 エホバの証人の年鑑1988 エホバの証人の年鑑
-
-
記念式の8,254人という出席者数は,王国の音信に対するこの国の関心の度合いを示す,胸の躍るような指標となっています。
-
-
1988 エホバの証人の年鑑1988 エホバの証人の年鑑
-
-
記念式の二日前になって,リベリアのある会衆は大問題に直面しました。いつもの集会場所が世の催し物のためにふさがっており,椅子のないホールしか借りることができなかったのです。400人を超える出席者が予想されたので,兄弟たちは,以前椅子を借りたことのある地元の教育委員会と交渉しました。ところが,兄弟たちの求めは,にべもなく断わられました。非常に多くの椅子が他の団体に盗まれたことがある,と言われたのです。かつて,ある宗教団体は週末の間ずっと椅子を外に置きっぱなしにしました。
兄弟たちの嘆願もむなしく,当局は一歩も譲りませんでした。最終的に,一群の兄弟たちが野外奉仕の後,最後の嘆願をするためにその教育委員会の女性教育長を訪ねました。そして,一人の兄弟がその教育長に,エホバの証人はよく組織されていて正直であることや,証人たちの大会では10㌣(約15円)を無くした人が,「落とし物部門」でそれを見つける場合も珍しくないことを説明し,今回エホバの証人が椅子を使用しても,何の問題も起きないはずだと論じました。
このような嘆願にもかかわらず,その教育長の態度は変わりませんでした。その時の静けさが破られたのは,一人の兄弟の6歳半になる甥が,庭でお金を見つけたと言って,その教育長の家の前庭から興奮しながら走って来た時でした。その子は自分のおじに5㌦(約750円)差し出し,兄弟は戸惑っているその教育長にそれを手渡しました。「うちの子供たちが見つけていたなら,天の“恵み”と考えてポケットに入れていたでしょう」と,その教育長は正直に語りました。
兄弟たちは,椅子を必要なだけ使ってよいと言われました。その教育長は,この正直な行為について自分の宗教の祈りのグループに話そうと考えており,エホバの証人に椅子の使用を許可した理由について他のどんな宗教の人たちから尋ねられても,エホバの証人は正直で,自分は証人たちが椅子を大切に取り扱うことを知っている,と答えるつもりでいます。474人の出席者が記念式を楽しみ,椅子はすべてその晩のうちに返却されました。
-