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タイ1991 エホバの証人の年鑑
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フランク・デュワーはニュージーランドの出身で,いろいろな苦労を味わってきた人でした。いずれにしても,彼はライトベアラー号と呼ばれる全長16㍍の帆船に乗って1930年代の中ごろに南太平洋を航海した7人の中にいました。それ以前の6年間は,宣教者としての熱意に燃えて,ニュージーランドの各地を回ったり,海を越えて,オーストラリア,タヒチ,クック諸島のラロトンガなどに出かけたりしました。彼には宣べ伝えるべき音信があったのです。そして実際に,神の王国について宣べ伝えました。南太平洋での福音宣明に飽き足りなかった彼は,極寒のシベリアに視点を定めました。では,27歳の彼が,1936年の7月 ― 高温多湿でモンスーンの雨が降る月 ― に,バンコクという見知らぬ都市で何をしていたのでしょうか。そこは知人がおらず,言葉も通じない場所だったのです。
彼とその仲間である他の6人の開拓者,つまり全時間の伝道者たちは,オーストラリアのものみの塔協会の支部事務所から,極東の一つの国を自分たちの奉仕区域として選ぶよう要請を受けていました。フランクは,現在はタイと呼ばれるシャムを選びました。そこならソ連に最も近い地点になると考えたのです。
こうして,ライトベアラー号は7人の勇敢な開拓者を乗せてオーストラリアを船出し,シンガポールへと向かいました。
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タイ1991 エホバの証人の年鑑
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[188ページの図版]
フランク・デュワーは全長16㍍の帆船「ライトベアラー」号で南太平洋を航海し,1936年7月にバンコクに到着した
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