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    ものみの塔(研究用)2021 | 11月
    • 研究記事44

      エホバの揺るぎない愛とあなた

      「[エホバ]の揺るぎない愛は永遠に続く」。詩編 136:1

      108番の歌 神の揺るぎない愛

      何を学ぶかa

      1. エホバは私たちにどんなことを願っていますか。

      エホバは揺るぎない愛を大切にしています。(ホセ 6:6)そして,ご自分に仕える人たちが同じようにすることを願っています。預言者ミカを通して,「揺るぎない愛を抱」くよう私たちに強く勧めています。(ミカ 6:8)でも,そうするためには揺るぎない愛とは何かをまず知る必要があります。

      2. 揺るぎない愛とは何ですか。

      2 揺るぎない愛とは何でしょうか。「揺るぎない愛」という表現は「新世界訳聖書」に約240回出てきます。「新世界訳」の「聖書用語集」には,揺るぎない愛についてこう述べられています。「対象から離れることなく一貫して支持する,変わらない深い愛情のこと。神が人間に示す愛として言及される場合が多いが,人間同士でも示される」。エホバは揺るぎない愛を示す点で最高の手本です。この記事では,エホバが人間に対してどのように揺るぎない愛を示すかを取り上げます。そして次の記事では,神に仕える私たちが互いに揺るぎない愛を示す点でどのようにエホバに倣えるかを考えます。

      エホバは「揺るぎない愛に満ち」ている

      3. エホバはご自分についてモーセにどんなことを語りましたか。

      3 イスラエル人がエジプトから脱出してから程なくして,エホバはモーセにご自分の名前や性質についてこう語りました。「エホバ,エホバ,憐れみ深く,思いやりがある神,すぐに怒らず,揺るぎない愛に満ち,常に信頼できる。揺るぎない愛を幾千代までも示し,過ちと違反と罪を許す」。(出 34:6,7)エホバはこの心温まる言葉の中で,ご自分の揺るぎない愛についての注目すべき点をモーセに明らかにしました。それは何でしょうか。

      4-5. (ア)エホバはご自分について何と述べていますか。(イ)これからどんな質問について考えますか。

      4 エホバはここでご自分について,揺るぎない愛を持っているとではなく,「揺るぎない愛に満ち」ていると述べました。この表現は聖書の中にほかにも10回出てきます。(民 14:18。ネヘ 9:17。詩 86:15; 103:8; 145:8。哀 3:32。ヨエ 2:13。ヨナ 4:2。啓 15:4; 16:5)そして,どの場合にもエホバだけに使われています。人間には一度も使われていません。エホバがご自分の揺るぎない愛をこれほどまでに強調しているのは,注目すべきことではないでしょうか。エホバが揺るぎない愛を重要なものと考えていることは明らかです。b ダビデ王が次のように声を上げたのもうなずけます。「エホバ,あなたの揺るぎない愛は天にまで達します。……神よ,あなたの揺るぎない愛は何と貴いのでしょう。人々はあなたの翼の陰に避難します」。(詩 36:5,7)私たちも,ダビデと同じように神の揺るぎない愛を貴重なものと見ているでしょうか。

      5 揺るぎない愛についてもっとよく知るために,次の2つの質問について考えましょう。エホバは誰に対して揺るぎない愛を示しますか。エホバの揺るぎない愛の行いの結果,私たちはどんな祝福を経験しますか。

      エホバは誰に対して揺るぎない愛を示すか

      6. エホバは誰に対して揺るぎない愛を示しますか。

      6 エホバは誰に対して揺るぎない愛を示しますか。聖書に述べられている通り,私たちはさまざまなものを愛することができます。例えば,「ぶどう酒と油」,「指導」,「知識」,「知恵」などです。(格 12:1; 21:17; 29:3)このように,愛は人以外のものに対しても示されます。それに対して,揺るぎない愛は人に対してのみ示されるものです。しかし,エホバは全ての人に対して揺るぎない愛を示すわけではありません。ご自分と固い絆を持っている人たちに対してそれを示すのです。エホバはご自分の友たちを裏切ることは決してありません。ご自分の友たちのために素晴らしい将来を用意しています。そして彼らを見捨てることは決してありません。

      さまざまな人種や年齢の人々。エホバの愛の表れ。1. 日光や雨。2. 花や草木。3. 贖いの恩恵を受ける機会。

      エホバは,ご自分を崇拝していない人たちを含め,人類全体にさまざまな良いものを与えている。(7節を参照。)c

      7. エホバは人類全体に対してどのように愛を示してきましたか。

      7 エホバは人類全体に対して愛を示してきました。イエスはニコデモという男性にこう言いました。「神は,自分の独り子を与えるほどに人類を愛したのです。そのようにして,独り子に信仰を抱く人が皆,滅ぼされないで永遠の命を受けられるようにしました」。(ヨハ 3:1,16。マタ 5:44,45)

      1. ダビデ王がたて琴を弾きながら歌っている。2. 預言者ダニエルが巻物を読んでいる。

      ダビデ王と預言者ダニエルの言葉によると,エホバは,ご自分を知り,畏れ,愛し,ご自分のおきてを守る人たちに揺るぎない愛を示す。(8-9節を参照。)

      8-9. (ア)エホバがご自分に仕える人たちに揺るぎない愛を示すのはなぜですか。(イ)次にどんなことを考えますか。

      8 先ほど考えた通り,エホバが揺るぎない愛を示すのは,ご自分に仕える人たち,つまりご自分と固い絆を持っている人たちだけです。このことはダビデ王と預言者ダニエルの言葉から分かります。ダビデはこう言いました。「あなたを知る人に揺るぎない愛を示し続けてください」。「エホバの揺るぎない愛は永遠にわたって,神を畏れる人たちに示される」。またダニエルはこう述べました。「真の神エホバ,あなたは……あなたを愛してあなたのおきてを守る人たち[に]揺るぎない愛を示す方です」。(詩 36:10; 103:17。ダニ 9:4)聖なる力に導かれて書かれたこれらの言葉によると,エホバがご自分に仕える人たちに揺るぎない愛を示すのは,彼らがエホバを知り,畏れ,愛し,エホバのおきてを守るからです。エホバは揺るぎない愛をご自分を正しく崇拝する者たちだけに示すのです。

      9 私たちは,エホバに仕えるようになる前からエホバが人類全体に示している愛を受けてきました。(詩 104:14)しかし今では,エホバを崇拝する者としてエホバの揺るぎない愛も受けています。エホバはご自分に仕える人たちに対して,「あなたに対する私の揺るぎない愛が取り除かれることはな[い]」と約束しています。(イザ 54:10)ダビデが実際に経験した通り,「エホバ[は]ご自分に尽くす人を特に大切にしてくださる」のです。(詩 4:3)エホバからの特別な祝福を受けている私たちは,どんな行動を取るよう動かされるでしょうか。詩編作者はこう述べています。「賢い人はこれらのことに心を向け,エホバの揺るぎない愛の行いについてじっくり考える」。(詩 107:43)エホバからのこのアドバイスを思いに留めて,エホバに仕える人たちがエホバの揺るぎない愛の行いの結果,どんな祝福を得ているか,3つの点を考えてみましょう。

      エホバの揺るぎない愛の行いによってもたらされる祝福

      人類の中で,エホバに仕えている人たちだけに光が当たっている。エホバの揺るぎない愛の表れ。1. 永遠に続く愛。(宇宙に輝くたくさんの星と地球で描かれている。)2. 許し。(祈っている姉妹で描かれている。)3. 保護。(都市を守る城壁で描かれている。)4. 日光や雨。5. 花や草木。6. 贖い。

      エホバは,ご自分を崇拝する人たちには,ほかにも祝福を与えている。(10-16節を参照。)d

      10. 神の揺るぎない愛が永遠に続くことは,どのように私たちの祝福となっていますか。(詩編 31:7)

      10 神の揺るぎない愛は永遠に続く。この点は詩編 136編で26回述べられています。1節にはこうあります。「エホバに感謝せよ。神は善い方。神の揺るぎない愛は永遠に続く」。(詩 136:1)そして2節から26節で,「神の揺るぎない愛は永遠に続く」という表現が繰り返されています。私たちはこの詩編を読むと,エホバが揺るぎない愛をさまざまな方法で途切れることなく示していることに感動せずにはいられません。「神の揺るぎない愛は永遠に続く」という表現が繰り返されていることから,神がご自分に仕える人たちに対して示す愛は変わらないものであることが分かります。エホバがご自分に仕える人たちを簡単に諦めたりはしないということを知ると,本当に心強く感じます。エホバはご自分に仕える人たちに愛情を示し,難しい時でさえ彼らから離れることはないのです。得られる祝福。エホバが私たちから離れないということを知っているなら,喜びや力が得られます。それによって,難しい状況に立ち向かい,命に至る道を歩み続けることができます。(詩編 31:7を読む。)

      11. 詩編 86編5節によると,エホバは何に動かされて快く許してくださいますか。

      11 神は揺るぎない愛に動かされて快く許してくださる。エホバは,罪を犯した人が悔い改めて罪深い生き方をやめるのを見ると,揺るぎない愛に動かされてその人を快く許します。詩編作者ダビデはこう述べました。「エホバは……私たちの罪に応じて私たちを扱うことはしなかった。過ちの当然の報いを私たちにもたらさなかった」。(詩 103:8-11)ダビデは,良心にひどく責められるのがどれほど大変なことかをつらい経験を通して知りました。しかし同時に,エホバが「快く許してくださ」ることも知りました。エホバは何に動かされて快く許してくださるのでしょうか。答えは詩編 86編5節に書かれています。(読む。)ダビデが祈りの中で述べている通り,エホバが快く許してくださるのは,ご自分に呼び掛ける人全てに揺るぎない愛を豊かに示す方だからです。

      12-13. 過去の間違いのせいで罪悪感に押しつぶされそうになる時,何が助けになりますか。

      12 罪を犯した場合,そのことを後悔するのは,正しいことであり良いことでもあります。そうした気持ちは,悔い改めて間違った行いを正すよう私たちを動かすからです。とはいえ,神に仕える人たちの中には,過去の間違いのせいで罪悪感にひどく苦しめられている人もいます。自分を責めるあまり,どれほど悔い改めてもエホバに許してもらうことなどできない,と考えるのです。そうした気持ちと闘っているなら,神がご自分に仕える人たちに揺るぎない愛を進んで示してくださることについて考えることが助けになるでしょう。

      13 得られる祝福。私たちは不完全ではあっても,やましいところのない良心を持って喜んでエホバに仕えることができます。それは私たちが「神の子イエスの血によって全ての罪から清められ」ているからです。(ヨハ一 1:7)自分の不完全さにがっかりする時には,エホバが悔い改める人を喜んでしかも心から許したいと思っていることを思い出してください。ダビデは揺るぎない愛と許しに関して,次のように述べました。「天の高さは地とは比べものにならない。神がご自分を畏れる人たちに示す揺るぎない愛の大きさも計り知れない。日の出は日の入りから遠く離れている。同じように,神は私たちの違反を私たちから遠くに離してくださった」。(詩 103:11,12)エホバはいつも「寛大に許してくださる」のです。(イザ 55:7)

      14. ダビデは,神の揺るぎない愛が私たちの保護となることをどのように表現しましたか。

      14 神の揺るぎない愛は私たちの保護となる。ダビデはエホバに向かってこう祈りました。「あなたは私の隠れ場。苦難の時に保護してくださる。救出の歓声で私を囲んでくださる。……エホバに頼る人は,神の揺るぎない愛に包まれる」。(詩 32:7,10)古代の都市を囲んでいた城壁が住民を保護したように,エホバの揺るぎない愛の行いは私たちを包み,エホバとの絆を弱めるものから私たちを保護します。さらに,エホバは揺るぎない愛に動かされて私たちを引き寄せてくださいます。(エレ 31:3)

      15. エホバの揺るぎない愛は,どんな点で避難所やとりでと似ていますか。

      15 ダビデは,神に仕える人たちが味わっている保護を描くために別の表現も使いました。こう述べています。「[あなたは]私の安全な避難所。私に揺るぎない愛を示す神」。また,エホバについてこうも述べました。「神は私に揺るぎない愛を示す方,私のとりで,私の安全な避難所,私を救い出す方,私の盾,私をご自分のもとに避難させてくださる方」。(詩 59:17; 144:2)ダビデがエホバの揺るぎない愛と避難所やとりでを結び付けたのはなぜでしょうか。私たちが地球のどこに住んでいるとしても,エホバに仕えている限り,エホバは私たちに必要な保護を全て与えてくださいます。そのおかげで,私たちはエホバとの貴重な絆を守ることができます。エホバが保護してくださるということは,詩編 91編にも述べられています。こう書かれています。「私はエホバに言う。『あなたは私の避難所,私のとりで』」。(詩 91:1-3,9,14)モーセは同じような表現を使って,エホバが私たちを保護してくださることについて述べました。(詩 90:1,脚注)また,死ぬ少し前には,心温まる別の表現を用いました。こう述べています。「神は昔から避難所であり,神の永遠の腕があなたを支える」。(申 33:27)「神の永遠の腕があなたを支える」という表現から,エホバについて何が分かるでしょうか。

      16. 私たちはどんな2つの祝福を得ることができますか。(詩編 136:23)

      16 エホバが避難所になってくださると,私たちは安心できます。でも,時には気分が落ち込んで,そうした気持ちからなかなか抜け出せないことがあるかもしれません。そうした時,エホバはどのように私たちを助けてくださるでしょうか。(詩編 136:23を読む。)ご自分の腕で私たちを支え,優しく起き上がらせ,立ち直れるように助けてくださいます。(詩 28:9; 94:18)得られる祝福。神がいつでも支えてくださることを知っているなら,次の2つの点を確信できます。第一に,どこに住んでいるとしても安全な避難所を見いだすことができます。第二に,愛情深い天のお父さんエホバは,私たちに深い気遣いを示してくださいます。

      神の揺るぎない愛は私たちに力を与える

      17. 私たちはどんなことを確信できますか。(詩編 33:18-22)

      17 ここまでで考えてきた通り,私たちが試練に遭う時にも,エホバはご自分との絆を守れるよう私たちを必ず助けてくださいます。(コリ二 4:7-9)預言者エレミヤはこう述べました。「エホバの揺るぎない愛のおかげで,私たちは滅びませんでした。神の憐れみは決して絶えません」。(哀 3:22)私たちは,エホバが揺るぎない愛を示し続けてくださることを確信できます。詩編作者がこう述べているからです。「エホバの目は神を畏れる人に向けられている。神から揺るぎない愛を示されるのを待つ人に」。(詩編 33:18-22を読む。)

      18-19. (ア)どんなことを覚えておくべきですか。(イ)次の記事ではどんなことを考えますか。

      18 次のことを忘れないようにしましょう。私たちは,エホバに仕えるようになる前からエホバが人類全体に示している愛を受けてきました。しかし今では,エホバを崇拝する者としてエホバの揺るぎない愛も受けています。エホバは揺るぎない愛に動かされて,ご自分の腕で私たちを支え,保護してくださっています。いつも私たちのそばにいて,私たちのために素晴らしい将来を実現してくださいます。エホバは私たちがいつまでも幸せに暮らすことを望んでいます。(詩 46:1,2,7)ですから,私たちがどんな試練に遭うとしても,エホバはご自分との絆を守れるよう私たちに力を与えてくださるのです。

      19 この記事では,エホバがご自分に仕える人たちにどのように揺るぎない愛を示しているかを考えました。エホバは,私たちも互いに揺るぎない愛を示すことを望んでいます。どうすればそうできるでしょうか。この大切な点を次の記事で考えましょう。

  • 互いに揺るぎない愛を示し続けましょう
    ものみの塔(研究用)2021 | 11月
    • 研究記事45

      互いに揺るぎない愛を示し続けましょう

      「揺るぎない愛と憐れみを示し合いなさい」。ゼカリヤ 7:9

      107番の歌 神の愛の模範

      何を学ぶかa

      1-2. 揺るぎない愛を示し合うべきもっともな理由とは何ですか。

      私たちには,揺るぎない愛を示し合うべきもっともな理由があります。どんな理由でしょうか。聖書の次の格言に答えがあります。「揺るぎない愛と忠実さを手放してはならない。……そうすれば,神と人から好意を得,深い洞察力があると認められる」。「揺るぎない愛を示すことは自分のためにな[る]」。「正しいことと揺るぎない愛を実践しようとする人は……命……を得る」。(格 3:3,4; 11:17,脚注; 21:21)

      2 これらの言葉は,私たちが揺るぎない愛を示すべき3つの理由を述べています。第一に,揺るぎない愛を示すなら,神から好意を得られます。第二に,揺るぎない愛を示すことは自分のためになります。例えば,ずっと続く友情を築くことができます。第三に,揺るぎない愛を実践しようとするなら,将来,永遠の命といった祝福を得ることができます。ですから,エホバの次の言葉に従う十分な理由があるのです。「揺るぎない愛と憐れみを示し合いなさい」。(ゼカ 7:9)

      3. この記事ではどんなことを考えますか。

      3 この記事では,次の4つの質問について考えます。私たちは誰に揺るぎない愛を示すべきですか。揺るぎない愛を示すことについて,ルツ記からどんなことを学べますか。私たちは揺るぎない愛をどのように示せますか。揺るぎない愛を示す人たちには,どんな祝福がありますか。

      誰に揺るぎない愛を示すべきか

      4. 揺るぎない愛を示す点で,どのようにエホバに倣えますか。(マルコ 10:29,30)

      4 前の記事で学んだ通り,エホバは,ご自分を愛し,ご自分に仕える人たちだけに揺るぎない愛を示します。(ダニ 9:4)私たちは,「子供として神に愛されているのですから,神に倣」いたいと思っています。(エフェ 5:1)それで,会衆の兄弟姉妹への揺るぎない愛を強めていきたいと思います。(マルコ 10:29,30を読む。)

      5-6. 忠誠心という言葉は,一般的にはどんな意味で使われていますか。

      5 揺るぎない愛がどういうものかがいっそうよく分かると,仲間の兄弟姉妹に揺るぎない愛をいっそう上手に示せるようになるでしょう。では,揺るぎない愛についての理解を深めるために,一般に言う忠誠心と比較して考えてみましょう。

      6 同じ会社に長年勤めている人のことを,忠誠心がある人と表現することがあります。しかし,その人は長年勤めていても,経営陣の誰かと直接会ったことはないかもしれません。会社の方針に納得できないこともあるでしょう。会社を愛しているわけではありませんが,この仕事で収入を得られることに感謝しています。そして,ほかに良い仕事が見つからない限り,定年までその会社で働き続けるでしょう。

      7-8. (ア)揺るぎない愛を示す動機となるものは何ですか。(イ)ルツ記について考えると良いのはなぜですか。

      7 揺るぎない愛と6節で考えた忠誠心の違いは,動機にあります。聖書に出てくる神に仕えた人たちは,どんな動機で揺るぎない愛を示したでしょうか。義務感からではなく,心からそうしたいと思ったのです。ダビデの例を考えてみましょう。ダビデはヨナタンの父親に殺されそうになりました。それでも,心に動かされて親友のヨナタンに揺るぎない愛を示しました。そして,ヨナタンが死んで数年後,ヨナタンの息子であるメピボセテにも引き続き揺るぎない愛を示しました。(サム一 20:9,14,15。サム二 4:4; 8:15; 9:1,6,7)

      8 ルツ記からも,揺るぎない愛について多くのことを学べます。そこに登場する人たちから,どんなことを学べますか。学んだ点を会衆でどのように実践できるでしょうか。b

      揺るぎない愛を示すことについてルツ記からどんなことを学べるか

      9. ナオミがエホバからつらい目に遭わされていると考えたのはなぜですか。

      9 ルツ記には,ナオミとナオミの嫁のルツ,そして神を畏れる人ボアズが登場します。ボアズはナオミの夫の親族でした。イスラエルで飢饉が起きたため,ナオミは夫や2人の息子と共にモアブに移住しました。そこにいる間に,ナオミの夫は死にました。息子たちはそれぞれ結婚しましたが,悲しいことに2人とも死んでしまいました。(ルツ 1:3-5; 2:1)相次ぐ悲劇に見舞われたナオミは,失意の底に沈んでいきました。エホバからつらい目に遭わされていると考えて,ひどく打ちのめされました。自分の気持ちをこう述べています。「エホバに突き放された」。「全能者は私にとても苦い経験をさせた」。「全能者エホバが私をつらい目に遭わせ,不幸にされた」。(ルツ 1:13,20,21)

      10. エホバは,ナオミの激しい言葉にどう反応しましたか。

      10 エホバは,ナオミのこの激しい言葉にどう反応したでしょうか。打ちのめされたこの女性を見放したりはしませんでした。それどころか,深い思いやりを示しました。エホバは,「圧迫[が]賢い人に狂気じみた行動を取らせる」ことをよくご存じです。(伝 7:7)それでも,ナオミはエホバに見放されてはいないことを理解できるよう助けてもらう必要がありました。エホバはどのようにして助けたでしょうか。(サム一 2:8)ナオミに揺るぎない愛を示すよう,ルツを動かしたのです。ルツは,しゅうとめのナオミが感情面や信仰面のバランスを取り戻せるよう進んで優しく助けました。ルツの手本からどんなことを学べますか。

      11. 心優しい兄弟姉妹が,気落ちしている仲間を助けようとするのはなぜですか。

      11 揺るぎない愛があれば,気落ちしている人を助けようとする。ルツがナオミから離れようとしなかったのと同じように,心優しい兄弟姉妹も会衆内の気落ちしている仲間をいつも助けようとします。仲間を愛しているので,自分にできることは何でもしたいと思っています。(格 12:25; 24:10)使徒パウロの次の勧めの言葉を実践しているのです。「気落ちしている人に慰めの言葉を掛け,弱い人を支え,誰に対しても辛抱強くあってください」。(テサ一 5:14)

      1人の兄弟が自分の気持ちを打ち明けている。もう1人の兄弟が,その話によく耳を傾けている。

      話に耳を傾けることによって,気落ちしている兄弟姉妹の助けになれる。(12節を参照。)

      12. 気落ちしている兄弟姉妹を助けるとても良い方法の1つは何ですか。

      12 気落ちしている兄弟姉妹を助けるとても良い方法の1つは,話によく耳を傾け,私たちの愛が伝わるようにすることです。エホバが大切にしている羊に優しい気遣いを示すなら,エホバは必ず気付いてくださいます。(詩 41:1)格言 19章17節にはこうあります。「立場が低い人に親切にする人はエホバに貸しており,神はその行いに報いてくださる」。

      オルパはモアブに帰ったが,ルツはしゅうとめのナオミから離れなかった。ルツはナオミに,「お母さんと同じ所に行き[ます]」と言った。(13節を参照。)

      13. ルツはオルパと違い,どうすることにしましたか。ルツの行動が揺るぎない愛の表れと言えるのはなぜですか。(表紙の絵を参照。)

      13 夫と2人の息子を亡くした後のナオミに起きたことを考えると,揺るぎない愛についての理解をさらに深めることができます。ナオミは,「エホバがご自分の民に注意を向けて食物を与えていること」を知って,故郷に帰ることにしました。(ルツ 1:6)最初,嫁たちは2人ともナオミに付いていきました。しかしその途中で,ナオミは嫁たちにモアブに帰るよう3回強く勧めました。どうなりましたか。「オルパはしゅうとめの頰に口づけして去っていった。しかし,ルツは離れようとしなかった」とあります。(ルツ 1:7-14)オルパはナオミの言う通りにし,モアブに帰っていきました。しかし,ルツはそうはしませんでした。帰ることもできましたが,揺るぎない愛に動かされて,助けが必要なナオミと一緒に行くことにしました。(ルツ 1:16,17)ルツがそうしたのは,義務感からではなく,ナオミを支えたいと思ったからです。ルツは,このようにして揺るぎない愛を示したのです。ここからどんなことを学べますか。

      14. (ア)現代の大勢の兄弟姉妹は,どのように揺るぎない愛を示していますか。(イ)ヘブライ 13章16節によると,エホバはどんな犠牲を喜んでくださいますか。

      14 揺るぎない愛があれば,仲間を助けるために余分の努力を払う。現代でも,大勢の兄弟姉妹が仲間に揺るぎない愛を示してきました。直接会ったことがないとしてもです。例えば自然災害が起きたと聞くと,どうしたら助けになれるだろうか,とすぐに考えます。会衆の誰かがつらい目に遭っている時には,進んで必要な助けの手を差し伸べます。1世紀のマケドニアのクリスチャンのように,余分の努力を払っています。犠牲を払い,恵まれない兄弟たちのために「資力を超えて与え」ています。(コリ二 8:3)エホバはこのような揺るぎない愛の行いを見て,喜んでいるに違いありません。(ヘブライ 13:16を読む。)

      私たちは揺るぎない愛をどのように示せるか

      15-16. ルツはどのように粘り強さを示しましたか。

      15 ルツがナオミを助けた記述から多くのことを学べます。幾つか考えてみましょう。

      16 粘り強くある。ルツがナオミと一緒にユダに行くと言った時,ナオミは初め,「帰りなさい」と言いました。それでもルツの決意は変わりませんでした。どうなったでしょうか。「ルツがどうしても付いてこようとするので,ナオミは説得するのをやめ」ました。(ルツ 1:15-18)

      17. 何があれば,諦めずに助け続けることができますか。

      17 適用。気落ちしている人たちを助けるには,忍耐が必要です。諦めてはいけません。会衆内のそうした姉妹を助けようとしても,初めは断られるかもしれません。c それでも,揺るぎない愛があれば,一生懸命助け続けることができます。(ガラ 6:2)そうすれば,やがて私たちの助けを受け入れてくれて,元気になるかもしれません。

      18. ルツはどんなことに傷ついたかもしれませんか。

      18 気にし過ぎない。ナオミとルツがベツレヘムに帰ってきた時,ナオミは近所の人たちにこう言いました。「私は多くのものを持って出ていきましたが,エホバは私が全てを失って帰るようにされました」。(ルツ 1:21)この言葉を聞いて,ルツはどう感じたでしょうか。ルツはこれまでナオミと一緒に涙を流し,ナオミを慰め,一緒に何日も旅をしてきました。それなのにナオミは,ルツがそばで助けてくれていることには一言も触れずに,「エホバは私が全てを失って帰るようにされました」と述べました。それを聞いていたルツは深く傷ついたことでしょう。それでも,ルツはナオミを助け続けました。

      19. 気落ちしている人を助け続ける上で,何が役立ちますか。

      19 適用。私たちが気落ちしている姉妹を助けようとして努力を払っても,その姉妹は初め,私たちが傷つくようなことを言うかもしれません。そんな時は,気にし過ぎないようにしましょう。その姉妹を助け続けてください,どうすれば慰めることができるか教えてください,とエホバに祈ることができます。(格 17:17)

      1. ボアズが,畑で落ち穂拾いをしているルツと話している。2. 長老が王国会館で1人の姉妹と話している。

      長老たちはどのようにボアズに倣えるか。(20-21節を参照。)

      20. ルツは,頑張り続ける力をどこからもらいましたか。

      20 励ましが必要な時を見逃さない。ルツはナオミに揺るぎない愛を示しましたが,ルツも励ましを必要としていました。それで,エホバはボアズを用いてルツに励ましを与えました。ボアズはこう言いました。「エホバがあなたの行いを祝福し,イスラエルの神エホバが十分に報いてくださいますように。あなたは神の翼の下に逃れてきたのです」。ルツは,この温かい言葉を聞いて,とてもうれしくなりました。そしてボアズにこう言いました。「ご主人さまは,私のような者を慰め,励ましの言葉を掛けてくださいました」。(ルツ 2:12,13)ルツは,ちょうど良い時にボアズから励ましの言葉を掛けられて,頑張り続ける力をもらいました。

      21. イザヤ 32章1,2節からすると,よく気が付く長老はどんなことをしますか。

      21 適用。仲間に揺るぎない愛を示している人も,励ましを必要とすることがあります。ボアズは,ルツの親切について知って,褒め言葉を掛けました。同じように,よく気が付く長老は,仲間に親切にしている兄弟姉妹に褒め言葉を掛けます。兄弟姉妹は,ちょうど良い時にそうした温かい言葉を掛けられると,頑張り続ける力を得ることができます。(イザヤ 32:1,2を読む。)

      揺るぎない愛を示す人たちはどんな祝福を受けるか

      22-23. ナオミの考え方はどのように変わりましたか。なぜですか。(詩編 136:23,26)

      22 少ししてから,ボアズはルツとナオミがたくさんの食べ物を得られるようにしました。(ルツ 2:14-18)それに対して,ナオミはどう反応したでしょうか。こう言いました。「その人にエホバの祝福がありますように。神は,生きている者にも死んだ者にも揺るぎない愛を示してくださったのだわ」。(ルツ 2:20前半)ナオミの考え方は大きく変わりました。初めは,「エホバ[は]私をつらい目に遭わせ」たと言って,泣いていました。しかし今では,エホバは「揺るぎない愛を示してくださった」と言って,喜んでいます。ナオミの考え方がここまで変わったのはなぜでしょうか。

      23 ナオミはついに,エホバが助けてくれていたことに気付いたのです。ユダに帰る時には,ルツが一緒にいて支えるようにしてくれました。(ルツ 1:16)そして,「買い戻す権利を持つ人の1人」であるボアズを用いて,ナオミとルツがたくさんの食べ物を得られるようにしてくれました。d (ルツ 2:19,20後半)それで,ナオミはこう思ったことでしょう。「エホバは私を見捨てたりはしていなかった。ずっと一緒にいてくださったんだわ」。(詩編 136:23,26を読む。)ナオミは,ルツとボアズが自分を見捨てずにいてくれたことをありがたく思ったでしょう。3人は,素晴らしい結果になったことを心から喜んだに違いありません。

      24. 仲間に揺るぎない愛を示していきたいと思うのはなぜですか。

      24 ルツ記から,揺るぎない愛についてどんなことを学びましたか。気落ちしている人を助ける時には,諦めないようにします。余分の努力を払うことも大切です。長老たちは,そのように仲間を助けている兄弟姉妹に温かい褒め言葉をちょうど良い時に掛けるようにします。気落ちしている人が喜びを取り戻すなら,皆で喜ぶことができます。(使徒 20:35)とはいえ,私たちが揺るぎない愛を示す一番の理由は何でしょうか。それは,「揺るぎない愛に満ち」ているエホバに倣い,喜んでいただくことです。(出 34:6。詩 33:22)

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