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聖書の41番目の書 ― マルコによる書『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
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マルコは主としてローマ人のために書いたようです。なぜそう言えるでしょうか。モーセの律法に対する言及は,それに触れた会話を伝える場合だけであり,イエスの系図は省かれています。キリストに関する福音はどんな人にも肝要なものとして提出されています。非ユダヤ人の読者には不慣れと思えるユダヤ人の習慣や教えには,説明的な注釈が加えられています。(2:18; 7:3,4; 14:12; 15:42)アラム語の表現は翻訳されています。(3:17; 5:41; 7:11,34; 14:36; 15:22,34)パレスチナの地理的な名称や植物にはそれを説明する語が添えられています。(1:5,13; 11:13; 13:3)ユダヤ人の硬貨の価値はローマ人の硬貨で示されています。(12:42,脚注)マルコは他の福音書の筆者以上にラテン語の言葉を用いています。スペクラートル(護衛兵),プラエトーリウム(総督の官邸),ケントゥリオー(士官)などはその例です。―6:27; 15:16,39。
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