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  • 夫婦の絆を強め,幸せな結婚生活を築く
    ものみの塔 2015 | 1月15日
    • 1. 夫婦が楽しそうに話している。2. その夫婦が,仕事,子育て,お金,家族の健康など,日常生活の様々な問題に取り組んでいる

      夫婦の絆を強め,幸せな結婚生活を築く

      「エホバご自身が家を建てるのでなければ,建てる者たちがそのために骨折って働いても無駄である」。―詩 127:1前半。

      説明できますか

      • 夫婦はどんな問題に直面しますか

      • どのように結婚生活にエホバを関係させることができますか

      • 夫婦はどのように黄金律を当てはめることができますか

      1-3. 夫婦はどんな問題に直面しますか。(冒頭の挿絵と写真を参照。)

      38年間,幸せな結婚生活を送ってきたある男性は言います。「誠実な努力を払い,幸福な結婚生活を築きたいと願っていることを示すなら,エホバの祝福を得られるでしょう」。そうです,夫婦は,幸福な時を共に過ごし,難しい時には支え合うことができます。―箴 18:22。

      2 しかし,夫婦が「肉身に患難」を招くことは,少しも珍しくありません。(コリ一 7:28)なぜでしょうか。日常生活の様々な問題ゆえに,夫婦の関係は緊張することがあるのです。どんなに仲の良い夫婦でも,言葉遣いが原因で,悪感情や誤解やコミュニケーション・ギャップが生じ,それが大きな問題になることがあります。(ヤコ 3:2,5,8)また,きつい仕事をこなしながら子どもの世話をすることに困難を感じる夫婦も少なくありません。中には,ストレスと疲労のせいで,夫婦の絆を強めるための時間がなかなか取れない夫婦もいます。互いに対する愛と敬意は,お金や健康の問題などによって損なわれることもあります。さらに,自分たちは強い絆で結ばれた夫婦だと思っていたのに,結婚生活の土台が,性の不道徳,厚顔無恥の行ない,敵意,闘争,ねたみ,激発的な怒り,口論など,「肉の業」によって崩されてしまうこともあります。―ガラ 5:19-21。

      3 「終わりの日」の利己的で不敬虔な態度も,結婚生活をむしばみます。(テモ二 3:1-4)さらに,悪意に満ちた敵からの執拗な攻撃もあります。「あなた方の敵対者である悪魔がほえるライオンのように歩き回って,だれかをむさぼり食おうとしています」と,使徒ペテロは警告しています。―ペテ一 5:8。啓 12:12。

      4. どうすれば,夫婦の絆を強め,幸せな結婚生活を送ることができますか。

      4 日本の一人の男性は,こう述べています。「わたしは経済的に大きなストレスを感じるようになりました。妻との十分な話し合いができていなかったこともあり,妻にも大きなストレスになりました。妻は深刻な健康上の問題を抱えるようにもなりました。時々ですが,不安を,わたしにぶつけることがありました」。結婚生活の問題の中には避けて通れないものもあります。しかし,克服できないわけではありません。エホバの助けがあれば,夫婦としての強い絆を保ち,幸福な生活を送れます。(詩編 127:1を読む。)では,強い絆で結ばれた永続的な結婚生活を築くための霊的なコンクリートブロックを5つ取り上げましょう。次に,それらのブロックをどのように愛で固めることができるかを考えましょう。

      結婚生活にエホバを関係させる

      5,6. どうすれば,夫婦は結婚生活にエホバを関係させることができますか。

      5 安定した結婚生活の土台石と言えるのは,結婚の創始者エホバへの忠節と服従です。(伝道の書 4:12を読む。)夫婦はエホバの愛ある導きに従うことにより,エホバを結婚生活に関係させることができます。聖書は,神の古代の民についてこう述べています。「あなた方が右に行くにしても左に行くにしても,あなたの耳はあなたの後ろで,『これが道である。あなた方はこれを歩め』と言う言葉を聞くであろう」。(イザ 30:20,21)今日,夫婦は聖書を一緒に読むことにより,エホバの言葉を「聞く」ことができます。(詩 1:1-3)また,家族の崇拝を楽しく霊的にさわやかな時とすることにより,夫婦の絆を強めることができます。毎日一緒に祈ることも,サタンの世の猛攻撃に耐える結婚生活を築くうえで大切です。

      家族の崇拝の前に,夫が妻と一緒に祈っている

      夫婦は,霊的な事柄を一緒に行なうなら,神との結び付きを強めることができ,夫婦の関係も親密で幸福なものになる(5,6節を参照)

      6 ドイツに住むゲルハルトはこう言います。「問題や誤解があって喜びが薄れてしまうときは,いつも聖書の助言が助けになりました。おかげで,辛抱強くなり,進んで許すことができました。それらの特質は,幸福な結婚生活に欠かせません」。夫婦は,霊的な事柄を一緒に行なって神を結婚生活に関係させるよう努めることにより,神との結び付きを強めることができます。夫婦の関係も親密で幸福なものになります。

      夫は愛のうちに頭の権を用いる

      7. 夫はどのように頭の権を用いるべきですか。

      7 夫がどのように頭の権を用いるかは,夫婦の絆を強めて幸せな結婚生活を築くうえで非常に大切です。聖書はこう述べています。「すべての男の頭はキリストであり,女の頭は男であり,キリストの頭は神です」。(コリ一 11:3)この言葉の文脈には,夫がどのように頭の権を用いるべきかが示されています。キリストと同じように用いるのです。イエスは決して横暴になったり厳しくなったりせず,常に愛を示し,親切で道理にかない,気質が温和で,心のへりくだった方でした。―マタ 11:28-30。

      8. 夫はどうすれば,妻の愛と敬意を勝ち得ることができますか。

      8 クリスチャンである夫は,自分に敬意を示すよう繰り返し妻に要求することはありません。むしろ,「知識にしたがって[つまり,妻への思いやりを示して; 妻を理解して]妻と共に住み」ます。夫は「弱い器である女性としてこれに誉れを配し」ます。(ペテ一 3:7)夫は公の場でも私的な場でも,敬意のこもった言葉と優しい振る舞いによって,妻が貴重な存在であることを示します。(箴 31:28)そのように愛のうちに頭の権を用いるなら,妻の愛と敬意を勝ち得ることができ,結婚生活は神に祝福されます。

      妻は謙遜に服する

      9. 妻はどのように,謙遜に服することができますか。

      9 エホバに対して,原則に基づく利他的な愛を抱いていれば,わたしたちは皆,その力強いみ手のもとにあって謙遜な者となります。(ペテ一 5:6)妻としてエホバの権威に敬意を示す大切な方法の一つは,家庭内でよく夫に協力し,夫を支えることです。聖書はこう述べています。「妻たちよ,夫に服しなさい。それは主にあってふさわしいことだからです」。(コロ 3:18)現実には,夫が妻の好みに合わない決定をすることもあるでしょう。それでも,もし夫の決定が神の律法に反していないのであれば,進んで譲歩します。―ペテ一 3:1。

      10. 愛をこめてよく服することが大切なのは,なぜですか。

      10 妻には夫の「伴侶」という誉れある立場が与えられています。(マラ 2:14)それで,家族として何かを決定するときは有益な情報を提供し,よく服する態度を示しながらも,敬意をこめて自分の考えや気持ちを述べます。知恵のある夫は,妻の意見に注意深く耳を傾けます。(箴 31:10-31)妻が愛をこめてよく服するなら,家庭には喜びと平和と調和が生まれ,夫婦は,神を喜ばせているという満足感を味わいます。―エフェ 5:22。

      いつも惜しみなく許し合う

      11. 許し合うことが肝要なのはなぜですか。

      11 永続する結婚生活を築くためのブロックの一つは,許し合うことです。夫婦が「引き続き互いに忍び,互いに惜しみなく許し合」うなら,結婚の絆は強くなります。(コロ 3:13)一方,過去のことを根に持ち,それを何度も持ち出しては相手を責めるなら,夫婦の絆は弱くなります。わずかなひびが次第に広がって建物をもろくしてしまうように,不満や憤りが心に募ってゆくと,許すことは難しくなってゆきます。それとは対照的に,夫婦がエホバに倣って互いを許すなら,強力な絆が形作られます。―ミカ 7:18,19。

      12. 「愛は多くの罪を覆う」とはどういう意味ですか。

      12 真の愛は「傷つけられてもそれを根に持」ちません。「愛は多くの罪を覆う」のです。(コリ一 13:4,5。ペテロ第一 4:8を読む。)言い換えれば,愛は,許せる罪の数に限度を設けたりしません。使徒ペテロがイエスに,人を何回許すべきかと尋ねた時,イエスは「七十七回までです」と答えました。(マタ 18:21,22)クリスチャンが人を許すべき回数には,事実上,限度がないことを示されたのです。―箴 10:12。a

      13. 人を許そうとしない傾向をどのように克服できますか。

      13 アネッテという姉妹はこう述べています。「夫婦が許し合おうとしないと,憤りや不信感が募り,結婚生活が破壊されていきます。許すことによって結婚の絆は強まり,2人の関係はいっそう親密になります」。許そうとしない傾向があるなら,それを克服するために,感謝の気持ちを培うよう努力してください。いつでも誠実に褒めるようにしましょう。(コロ 3:15)進んで許すなら,平安な思い,一致,神の祝福を経験できるのです。―ロマ 14:19。

      黄金律を当てはめる

      14,15. 黄金律とは何ですか。黄金律は結婚生活にどのように役立ちますか。

      14 人はだれしも,自分の尊厳を認めてもらい,敬意をもって接してもらうことを望みます。自分の考えを受け入れてもらい,気持ちを汲んでもらうと,うれしく感じます。しかし,だれかが,「あの人に仕返しをしたい」と言うのを聞いたことがありますか。それも無理はない,と思える場合もあるでしょう。しかし聖書は,「『彼がわたしにした通りに,わたしも彼にしよう……』と言ってはならない」と述べています。(箴 24:29)実際イエスは,難しい状況に直面した場合の,より良い対応の仕方を教え,「あなた方は,自分にして欲しいと思うとおりに,人にも同じようにしなさい」と述べておられます。これは,黄金律と呼ばれる有名な方法です。(ルカ 6:31)イエスのこの言葉は,自分が接してほしいと思う方法で他の人に接するべきであり,不親切に対して不親切を返してはならないことを意味しています。結婚生活に当てはめるとどうなりますか。夫婦の関係から良いものを得たいなら,自分からその関係を良くする必要がある,ということです。

      15 夫婦は互いの感情に敏感であることによって,2人の関係を強めることができます。南アフリカに住むある男性は,こう述べています。「わたしたち夫婦は黄金律を実行するようにしてきました。確かに,腹立たしく思う時もありますが,自分が接してほしいと思う方法で相手に接するように努めてきました。相手に敬意を示し,相手の尊厳を認めるということです」。

      16. 夫婦はどんなことをすべきではありませんか。

      16 夫婦は,たとえ冗談であっても,相手の弱点を人前で話したり,相手の癖をくどくど述べたりしてはなりません。結婚は,夫婦のどちらが強いか,どちらの怒鳴り声が大きいか,どちらが辛らつな言葉を使えるかを競う場ではありません。欠点はだれにでもあり,その欠点が気に障ることもあるでしょう。しかし,夫であれ妻であれ,嫌味たっぷりに相手を皮肉ったり,もっと悪いことに,小突いたり叩いたりしてよいはずはありません。―箴言 17:27; 31:26を読む。

      17. 夫は,黄金律に従って生活するために,どうすることができますか。

      17 ある文化圏では,妻に威張り散らしたり妻を叩いたりする男性が男らしいとみなされます。しかし聖書は,「怒ることに遅い人は力ある者に勝り,自分の霊を制している人は都市を攻め取る者に勝る」と述べています。(箴 16:32)これまでに生存した最も偉大な人イエス・キリストに倣い,自分の霊を制するには,並々ならぬ道徳的な強さが必要です。妻に暴言を吐いたり暴力を振るったりする男性は,決して男らしくありません。そういう男性は,エホバとの良い関係を失うことになります。強く勇敢な男性であった詩編作者ダビデは,こう語っています。「気をかき乱されるがよい。だが,罪をおかしてはならない。言いたいことは心の中で,寝床の上で言い,黙っていよ」。―詩 4:4。

      「愛を身に着けなさい」

      18. 愛を培い続けるのが大切なのは,なぜですか。

      18 コリント第一 13:4-7を読む。愛は結婚生活における最も大切な特質です。聖書にはこうあります。「優しい同情心,親切,へりくだった思い,温和,そして辛抱強さを身に着けなさい。しかし,これらすべてに加えて,愛を身に着けなさい。それは結合の完全なきずななのです」。(コロ 3:12,14)キリストのような自己犠牲的な愛は,結婚の固い絆に必要なブロックをつなぎ合わせるモルタルのようなものです。そうした愛があれば結婚生活は,人格上の不愉快な欠点,健康上の不安,経済的な苦境,親の関係した難しい問題にさらされても,損なわれることがありません。

      19,20. (イ)どうすれば,夫婦の絆を強め,幸せな結婚生活を築くことができますか。(ロ)次の記事ではどんな点について考えますか。

      19 結婚生活を成功させるには,献身的な愛,結婚の誓いに対する忠節さ,そして真剣な努力が必要です。難しい問題が生じても,結婚生活を放棄してはなりません。夫婦の関係を存続させるだけでなく,その関係を実り豊かなものとするよう決意すべきです。エホバに献身し,互いに対しても献身的なクリスチャンの夫婦は,神への愛と互いへの愛に動かされ,難しい問題も解決しようとします。「愛は決して絶え(ない)」からです。―コリ一 13:8。マタ 19:5,6。ヘブ 13:4。

      20 この「危機の時代」に,夫婦の絆を強め,幸せな結婚生活を築くのは容易なことではありません。(テモ二 3:1)しかし,エホバの助けがあれば,可能です。とはいえ,この世にはびこる道徳的腐敗と闘うことも必要です。次の記事では,結婚生活の霊的な防備を強めるために,何ができるかを考えましょう。

      a 夫婦は,許し合うよう努力し,難しい問題を解決するようにしますが,聖書によれば,夫婦のどちらかが姦淫を犯した場合,潔白なほうの配偶者には,相手を許すか離婚するかを決める権利があります。(マタ 19:9)「目ざめよ!」1995年8月8日号の「聖書の見方: 姦淫 ― 許すべきか,許すべきではないか」という記事を参照。

  • エホバの導きにより,結婚の絆を強め,守る
    ものみの塔 2015 | 1月15日
    • 1. 夫婦が楽しそうに笑っている。2. 同じ夫婦がそれぞれ,仕事時間中に誘惑に遭い,エホバの証人でない同僚との不必要な交わりを断わっている

      エホバの導きにより,結婚の絆を強め,守る

      「エホバご自身が都市を守るのでなければ,見張りが目覚めていても無駄である」。―詩 127:1後半。

      答えられますか

      • 心を守る必要があるのはなぜですか

      • 絶えず神に近づくべきなのはなぜですか

      • どんなコミュニケーションは,結婚の絆を強めますか

      1,2. (イ)2万4,000人のイスラエル人が素晴らしい祝福を得損なったのは,なぜですか。(ロ)昔のその出来事がわたしたちにとって重要な意味を持つのはなぜですか。

      イスラエル国民が約束の地に入る少し前のこと,幾万もの男たちが「モアブの娘たちと不道徳な関係」を持ちました。その結果,2万4,000人がエホバに滅ぼされました。考えてみてください。まさに待望の土地を相続しようとしていたその時に,誘惑に屈し,素晴らしい祝福を得損なってしまったのです。―民 25:1-5,9。

      2 この悲惨な出来事が記されたのは,「事物の諸体制の終わりに臨んでいるわたしたちに対する警告のため」です。(コリ一 10:6-11)「終わりの日」の最終部分である今,神の僕たちは,義の宿る新しい世の門口にいます。(テモ二 3:1。ペテ二 3:13)しかし残念ながら,エホバの崇拝者の中には,警戒を弱めてしまった人もいます。その結果,不道徳行為のわなに掛かり,その苦い結果を刈り取っています。そうした人たちは,永遠の祝福を得損なう危険にさらされています。

      3. 夫婦がエホバの導きと保護を必要とするのはなぜですか。(冒頭の挿絵と写真を参照。)

      3 今は不道徳行為が多くの災いを引き起こしている時代です。ですから夫婦は,結婚の絆を守る努力が無駄に終わらないよう,エホバの導きと保護を必要としています。(詩編 127:1を読む。)この記事では,どのように結婚の絆を守れるかを考えましょう。心を守り,神に近づき,新しい人格を着け,意味あるコミュニケーションを行ない,結婚の分を与えることが必要です。

      心を守る

      4. あるクリスチャンたちが不道徳な行ないに引き込まれてしまったのは,なぜですか。

      4 クリスチャンは一体どのようにして,不道徳な行ないに引き込まれてしまうのでしょうか。その悲惨な歩みは大抵,目から始まります。イエスはこう説明しておられます。「女を見つづけてこれに情欲を抱く者はみな,すでに心の中でその女と姦淫を犯したのです」。(マタ 5:27,28。ペテ二 2:14)不道徳なことを行なってしまったクリスチャンの多くは,ポルノを見たり,性欲をかき立てる本や雑誌を読んだり,インターネットで生々しい画像を見たりして,道徳的な防備を弱めてしまいました。性的に露骨な映画やショーやテレビを見た人もいます。ナイトクラブやストリップショーに行ったり,性的な満足を得るためのマッサージ店に行ったりした人もいます。

      5. 心を守る必要があるのはなぜですか。

      5 ある人たちは,配偶者以外の人の関心を引こうとして,誘惑に屈します。今の世は自制心に欠け,ありとあらゆる不道徳な事柄がもてはやされます。また,不完全な心は人を欺き,必死になるので,いとも簡単に,配偶者以外の人に恋愛感情を抱いてしまうことがあります。(エレミヤ 17:9,10を読む。)イエスは,「心から,邪悪な推論,殺人,姦淫,淫行……が出て来ます」と述べておられます。―マタ 15:19。

      6,7. (イ)人を欺く心は,どんな道を進ませることがありますか。(ロ)どうすれば,道徳的な防備の崩壊を避けることができますか。

      6 不実な心に悪い欲望が根を下ろすと,引かれ合っている2人はいつの間にか,配偶者以外の人には話すべきでない事柄を話題にするようになるかもしれません。やがて,何かと口実を作って一緒にいようとします。偶然を装って,頻繁に会うようになります。互いへの思いが強まるにつれて,道徳的な防備は弱くなります。自分たちのしていることは悪いと分かっていても,罪への道を進めば進むほど,どうにも止まらなくなってしまうのです。―箴 7:21,22。

      7 悪い欲望と不適切な会話から始まって,手を握ること,キス,抱擁,情欲をかき立てるヘビーペッティングなどに進んでゆくと,霊的な防備は徐々に崩れてゆきます。そうした愛情表現は配偶者に対してのみ許されていることです。この2人は,最後には「自分の欲望に引き出されて誘われる[「えさによるかのようにして捕らえられる」,脚注]」ことになります。欲望ははらんだときに,「罪を産みます」。罪とはこの場合,性の不道徳です。(ヤコ 1:14,15)何と悲惨なことでしょう。2人がエホバの導きを求め,結婚の神聖さを重んじる態度を培っていたなら,そうした道徳的な防備の崩壊は,避けられたはずなのです。では,どうすればそうした態度を培えるでしょうか。

      神に絶えず近づく

      8. エホバとの友情関係は,どのように道徳的な保護となりますか。

      8 詩編 97:10を読む。エホバとの友情関係は,道徳的な保護を得るために不可欠です。神の魅力的な特質について学び,「愛される子供として」懸命に「神を見倣う者となり」,「愛のうちに歩んでゆ(く)」なら,「淫行やあらゆる汚れ」を退ける力が得られます。(エフェ 5:1-4)「神は淫行の者や姦淫を行なう者を裁かれる」ということを知っている夫婦は,結婚を誉れあるもの,汚れのないものとするために努力を惜しみません。―ヘブ 13:4。

      9. (イ)ヨセフはどのように,不道徳への誘惑を退けましたか。(ロ)ヨセフの例からどんな教訓を学べますか。

      9 神の忠実な僕たちの中には,勤務時間の後にエホバの証人でない同僚と交わり,道徳的な防備を弱めてしまった人がいます。勤務時間内であっても,誘惑となる状況は生じます。ヨセフという名の美しい青年も,職場で,雇い主の妻が自分に強い関心を抱いているのを知りました。その女は日ごとにヨセフを誘惑し,「ヨセフの衣をつかんで,『わたしと寝てちょうだい!』と言(う)」までになりました。しかしヨセフは誘いを拒み,逃げました。霊的な防備を保ち,清さと忠誠を守ることができたのはなぜですか。神との友情関係を損なうまいとする固い決意を抱いていたからです。結果として仕事を失い,不当にも投獄されましたが,エホバはヨセフを祝福されました。(創 39:1-12; 41:38-43)クリスチャンは職場に限らずどこにいても,誘惑となる状況を避ける必要があります。

      新しい人格を着ける

      10. 新しい人格を着けるなら,道徳的にどのように保護されますか。

      10 新しい人格は,「神のご意志にそいつつ真の義と忠節のうちに創造され」るものなので,夫婦が霊的な防備を固めるうえで不可欠です。(エフェ 4:24)新しい人格を着ける人は,「淫行,汚れ,性的欲情,有害な欲望,また強欲……に関して」自分の肢体を「死んだものとし」ます。(コロサイ 3:5,6を読む。)「死んだものとする」という語は,不道徳な肉の欲望と闘うために強力な手段を講じるべきである,ということを示唆しています。配偶者以外の人に対する性的な欲望を抱かせるようなものは,一切避けなければなりません。(ヨブ 31:1)神のご意志に沿った生活をするなら,「邪悪なことは憎悪し,善良なことにはしっかりと付(く)」ようになります。―ロマ 12:2,9。

      11. 新しい人格を身に着けるなら,結婚の絆はどのように強まりますか。

      11 新しい人格を身に着けるとき,「それを創造した方」であるエホバの特質に倣えます。(コロ 3:10)夫婦が「優しい同情心,親切,へりくだった思い,温和,そして辛抱強さ」を身に着けて道徳的な防備を強化するなら,素晴らしい祝福を受けることができます。(コロ 3:12)また,「キリストの平和が……心の中を制御するように」なるとき,いっそう仲むつまじくなります。(コロ 3:15)「互いに対する優しい愛情を抱」くなら,大きな報いが得られます。「互いを敬う点で率先」するなら,喜びがもたらされます。―ロマ 12:10。

      12. あなたは,幸福な結婚生活にとって大切なのはどんな特質だと思いますか。

      12 シドという男性は,幸福な結婚生活を送るのに役立つ特質を尋ねられ,こう答えました。「いつも努力しているのは愛です。これは一番大切な特質です。温和もとても大切だと思います」。妻のソニアはそれに同意してから,こう述べています。「親切も欠かせません。それから,謙遜さを示すようにも心がけています。難しいときもありますが」。

      意味あるコミュニケーションを行なう

      13. 結婚生活を安定させる重要な要素の一つは何ですか。なぜそう言えますか。

      13 慈しみのある言葉は,間違いなく,結婚生活を安定させる重要な要素の一つです。夫婦が互いに対して,見ず知らずの人やペットに話すときよりも敬意の欠けた話し方をするとしたら,それは何とも残念なことです。「悪意のある苦々しさ,怒り,憤り,わめき,ののしりのことば」で配偶者を攻撃すると,結婚生活の霊的な防備は崩れてゆきます。(エフェ 4:31)絶えず批判したり辛らつな皮肉を浴びせたりして夫婦の絆を弱めるのではなく,親切で優しく,同情心に富んだ言葉で夫婦の関係を強化する必要があります。―エフェ 4:32。

      14. どんなことを避けるのは賢明ですか。

      14 聖書は,「黙っているのに時があ(る)」と述べています。(伝 3:7)これは,沈黙の殻に閉じこもるべきだという意味ではありません。必要なコミュニケーションが阻まれてしまうからです。ドイツに住むある女性は,「そういう状況で黙っていると配偶者が傷つきます」と述べています。しかし,こうも言います。「ストレスのもとで冷静でいるのは必ずしも簡単ではありませんが,怒りを爆発させるのは良くありません。そういうときに配偶者を傷つけるようなことを衝動的に言ったり行なったりすると,問題は悪化するだけです」。わめいたり話すのをやめたりしても,結局のところ問題は解決されません。意見の食い違いがあってもすぐに解決し,口論にならないようにして,結婚の絆を強めましょう。

      15. 良いコミュニケーションにより,夫婦の絆はどのように強められますか。

      15 夫婦が時間を取って気持ちや意見を伝え合うなら,絆は強くなります。その際,何を言うかと同じほど大切なのは,どのように言うかです。ですから,たとえ難しい状況であっても,慈しみのある親切な言葉を選び,優しいトーンで話しましょう。そうすれば話を聞いてもらいやすくなります。(コロサイ 4:6を読む。)夫も妻も,「必要に応じ,どんなことにせよ築き上げるのに良いことば」だけを出し,配偶者に「恵みとなるように」するなら,良いコミュニケーションができ,夫婦の絆を強めることができます。―エフェ 4:29。

      夫婦が時間を取って会話している

      夫婦は良いコミュニケーションにより,結婚の絆を強めることができる(15節を参照)

      結婚の分を与える

      16,17. 夫婦が互いの感情的必要と性的必要に敏感であることは大切です。なぜですか。

      16 また夫婦は,相手のためになることを求め,自分の益より配偶者の益を優先するとき,強い絆を築くことができます。(フィリ 2:3,4)夫も妻も,互いの感情的必要と性的必要に敏感でなければなりません。―コリント第一 7:3,4を読む。

      17 残念なことに,配偶者に対して愛情を表現することや,性的に親密な関係を持つことを好まない人がいます。男性の中には,妻に優しくするのは男らしくない,と考える人もいます。しかし聖書は,「あなたがた夫たちは共に生活する妻を理解するように努め(なさい)」と述べています。(ペテ一 3:7,フィリップス訳[英語])夫は次のことを理解する必要があります。結婚の分には,身体的な結び付き以上のものが関係しています。妻は,性的な交わり以外の時にも夫から愛情を示されると,夫婦としての交わりに喜びをいっそう感じるのです。夫婦は優しい思いやりを示し合うとき,互いの感情的必要と身体的必要を満たすことができます。

      18. 夫婦はどのように,結婚の絆を強めることができますか。

      18 配偶者を裏切ってよい理由はありませんが,優しさが示されないと,愛情と親密な関係を別の人に求めるようになるかもしれません。(箴 5:18。伝 9:9)ですから聖書は夫婦に対して,「互いに[結婚の分]を奪うことがないようにしなさい。ただし,定められた時のあいだ相互に同意し(た)場合は別です」と述べています。なぜ結婚の分を奪うべきではないのでしょうか。「あなた方の自己抑制が欠けていることのゆえに,サタンがあなた方を誘惑しつづけることのないためです」。(コリ一 7:5)「自己抑制が欠けている」ことをサタンに利用され,夫婦のどちらかが誘惑に屈して姦淫を犯すとしたら,それは本当に悲惨なことです。逆に,おのおのが「自分の益ではなく,他の人の益を求めてゆき」,義務感からではなく愛情の表現として結婚の分を与えるなら,結婚の絆は愛にあふれたその親密な関係により,いっそう強められます。―コリ一 10:24。

      結婚の絆を守り続ける

      19. どんな決意を抱くべきですか。なぜですか。

      19 わたしたちは義の宿る新しい地の門口にいます。ですから,肉の欲望に屈するなら,モアブの平原で2万4,000人のイスラエル人が経験したように,悲惨な結果を身に招きかねません。聖書はその恥ずべき残念な出来事に言及してから,「立っていると思う人は,倒れることがないように気をつけなさい」と警告しています。(コリ一 10:12)ですから,天の父エホバと配偶者への忠実を保つことによって結婚の絆を強めるのは,何と重要なことなのでしょう。(マタ 19:5,6)今は以前にもまして,「最終的に汚点もきずもない,安らかな者として見いだされるよう力を尽くして励(む)」べき時なのです。―ペテ二 3:13,14。

  • 不変の愛は存在しますか
    ものみの塔 2015 | 1月15日
    • 1. 幸せそうな高齢の夫婦。2. 婚約した時の2人,結婚式の日の2人,特別な日に妻に花を贈る夫,一緒に散歩する高齢の2人

      不変の愛は存在しますか

      「[愛の]燃え盛る勢いは火の燃え盛る勢い,ヤハの炎です」。―歌 8:6。

      どのように答えますか

      • 男女間の真の愛が存在すると言えるのは,なぜですか

      • 結婚しているクリスチャンは,「ソロモンの歌」から何を学べますか

      • 独身のクリスチャンは,結婚相手の選択と交際について何を学べますか

      1,2. 「ソロモンの歌」はどんな人たちにとって有益ですか。なぜですか。(冒頭の挿絵と写真を参照。)

      『2人は愛情をこめて見つめ合い,優しく抱擁を交わした。2人が深く愛し合っていることは間違いない』。結婚式の話を終えた長老は,そう思いました。しかし,披露宴の会場で優雅に踊る初々しい2人を見ながら,ふと考えました。『この結婚は時の試練に耐えるだろうか。2人の愛は歳月と共に深まっていくだろうか,それとも翼が生えてどこかへ飛び去ってしまうだろうか』と。男女間の愛は,揺らぐことのないものであることが証明されてこそ,真の意味で美しいと言えるのです。しかし,多くの結婚が破綻していることを考えると,永続的な愛は存在するのだろうか,という疑問が生じます。

      2 真の愛は古代イスラエルのソロモン王の時代にも,まれでした。ソロモンは当時の道徳的な傾向について,こう書いています。「わたしは千人の中から一人の[廉直な]男を見いだしたが,それらすべての中から女を見いだすことはできなかった。見よ,ただこのことをわたしは見いだした。まことの神は人間を廉直な者として造られたが,彼ら自身が多くの計画を探り出したのである」。(伝 7:26-29)バアル崇拝を行なう異国の女たちの影響が大きかったため,当時の道徳規準はひどく低下していました。それでソロモンは,道徳的な男女を見いだすことに困難を覚えました。a しかし,その20年ほど前にソロモンが書いた詩には,男女間の愛が永続的なものとなり得ることが示されています。その詩,つまり「ソロモンの歌」には,そうした真の愛がどのようなもので,どのように表わされるかが生き生きと描かれています。結婚している人も独身の人も,エホバを崇拝する人たちは,この書を注意深く調べることにより,その愛について多くを学べます。

      真の愛は存在する

      3. 男女間の真の愛が存在すると言えるのは,なぜですか。

      3 ソロモンの歌 8:6を読む。愛は「ヤハの炎」であるという言葉は,多くのことを物語っています。真の愛はエホバから出ているという意味で,「ヤハの炎」です。エホバは人間をご自分の像に創造し,愛する能力を付与されました。(創 1:26,27)神が最初の女エバを最初の男アダムに紹介した時,アダムの口から発せられた言葉は,紛れもない詩でした。エバはアダムに親しみを覚えたに違いありません。エバはアダムから「取られた」からです。(創 2:21-23)エホバは初めから,男性と女性が互いに対して揺らぐことのない不変の愛を抱けるようにされたのです。

      4,5. 「ソロモンの歌」の物語のあらすじを述べてください。

      4 男女間の愛は揺るぎない永続的なものとなり得るだけでなく,別の特色も備えています。「ソロモンの歌」にはその幾つかが美しく描かれています。オペラの台本のような趣で記されたこの物語は,シュネム(シュレム)の村の娘と,娘の恋人である羊飼いとの愛を歌い上げたものです。娘が番をしていたぶどう園の近くにソロモンの宿営があり,娘はその美しさゆえにソロモンに見初められ,宿営に連れて来られます。しかし,娘は羊飼いを愛していました。ソロモンが娘の愛を勝ち得ようとすると,娘は羊飼いと一緒にいたいという熱い思いを隠さずに言い表わします。(歌 1:4-14)羊飼いが宿営を見つけてやって来ると,2人は美しい愛の言葉を交わします。―歌 1:15-17。

      5 ソロモンは娘を連れてエルサレムに帰ります。羊飼いもその後を追います。(歌 4:1-5,8,9)娘の愛を勝ち得ようとするソロモンの努力は,すべて無駄に終わりました。(歌 6:4-7; 7:1-10)結局,王は娘を家に帰します。この歌は,娘が恋人に対して,「ガゼル……のように」速く,自分のところに走って来ることを願う言葉で結ばれています。―歌 8:14。

      6. この物語の話者を特定するのが難しいのは,なぜですか。

      6 これは,ソロモンによる意味深くて美しい「最も優れた歌」ですが,対話,独白,夢の部分の話者を特定することは簡単ではありません。(歌 1:1)「新 注釈者の聖書辞典」(英語)は,「話の筋,物語,ストーリー展開,登場人物などは,それほど重要な事柄ではない」と述べています。話者の名前を記していないことには,読者の注意を作品の詩的な特色からそらさないようにする意図があったのかもしれません。それでも,話者がだれかは,述べられている言葉の内容から特定できます。b

      「あなたの愛情の表現はぶどう酒に勝る」

      7,8. 「ソロモンの歌」に見られる「愛情の表現」について,どんなことが言えますか。例を挙げて説明してください。

      7 「ソロモンの歌」は,娘と羊飼いの間の「愛情の表現」にあふれています。そうした表現は3,000年ほど前の東洋のものであり,現代の読者は違和感を覚えるかもしれません。しかし,そこには深い意味が込められており,表現されている感情は,わたしたちにとって理解できないものではありません。例えば,羊飼いは娘の穏やかで優しい目を褒め,「はとの目」になぞらえました。(歌 1:15)娘は羊飼いの目を,はとの目ではなく,はとそのものに例えました。(ソロモンの歌 5:12を読む。)黒い瞳が白い部分に囲まれている様子が,はとが乳の中で水浴びしているように美しく見えたのです。

      8 羊飼いと娘は,互いの外見だけを褒めているのではありません。例えば,羊飼いは娘の親切な話し方に引かれていました。(ソロモンの歌 4:7,11を読む。)娘の唇は「蜜ばちの巣の蜜をもって滴(る)」と表現されています。なぜでしょうか。蜜ばちの巣の蜜は,空気にさらされた蜜よりも甘く,香りが良いからです。「蜜と乳が[娘の]舌の裏にあり」ます。つまり,その話し方は蜜と乳のように,快く良いものです。「あなたは全く美しい。あなたには欠けたところがない」と述べた羊飼いは,明らかに,娘の外見の美しさだけに言及していたのではありません。

      9. (イ)夫婦間の愛には,何が含まれますか。(ロ)夫婦が愛情を表現し合うのは,なぜ大切なことですか。

      9 結婚の取り決めは,愛の伴わない単なる契約ではありません。実際,クリスチャンの結婚に愛は不可欠です。それはどんな愛でしょうか。聖書の原則に支配された愛ですか。(ヨハ一 4:8)家族が互いに対して抱くような自然な愛ですか。真の友の間に見られるような,温かで優しい愛ですか。(ヨハ 11:3)恋愛ですか。(箴 5:15-20)実は,夫婦間の真の不変の愛には,これらすべてが含まれます。愛は表現しなければ十分には伝わりません。どんなに忙しくても,愛情を表現し合うことを忘れないようにしましょう。それは本当に大切なことです。愛情を表現し合うなら,結婚生活の安心感や幸福感は大いに増し加わります。ある文化圏では,周囲の人たちが結婚を取り決め,当人たちは結婚式の日までお互いのことをほとんど知らないことがあります。しかし,夫婦がよく知り合い,愛を成長させるためには,互いへの愛を言葉で表現する必要があります。そうすれば,2人はいっそう親しくなり,結婚の絆は強くなります。

      10. 愛情の表現に関する記憶は,どんな益をもたらしますか。

      10 夫婦間で愛情を表現することは,それ以外にも良い影響をもたらします。ソロモン王はシュラムの娘に,「あなたのために金の飾り輪を作ろう。それと共に銀の飾りびょうも」と言いました。また娘に,「満月のように美しく,きらめく太陽のように浄(い)」などと褒め言葉を浴びせました。(歌 1:9-11; 6:10)それでも娘は恋人の羊飼いに忠節を保ちました。恋人から離れていた間,娘は何によって強められ,慰められたのでしょうか。当人が答えています。(ソロモンの歌 1:2,3を読む。)羊飼いからの「愛情の表現」を思い起こしたのです。娘にとってその表現は,心を歓ばせる「ぶどう酒に勝るもの」となり,恋人の名は頭に「注ぎ出される[香りの良い]油」のように,さわやかさをもたらしました。(詩 23:5; 104:15)そうです,表現された愛に関する快い記憶は,愛をいっそう揺るぎないものとすることができます。夫婦が互いに対する愛情を表現するのは,なんと大切なことなのでしょう。

      「愛がその気になるまでは」目覚めさせてはならない

      11. シュラムの娘がソロモンの宮廷の女たちに述べた言葉から,何を学べますか。

      11 「ソロモンの歌」は,独身のクリスチャン,特に結婚相手を探しているクリスチャンにとっても教訓となります。この歌に出てくる娘はソロモンに愛を抱きませんでした。そして,宮廷の女たちに,「愛がその気になるまでは,わたしのうちにそれを目覚めさせたり,呼び起こしたり」してはなりません,とはっきり告げました。(歌 2:7; 3:5)なぜでしょうか。目の前に現われる人に,相手構わず恋愛感情を抱くのは決して正しいことではないからです。ですから,結婚を望むクリスチャンが,心から愛せる人を辛抱強く待つのは賢明なことです。

      12. シュラムの娘が羊飼いを愛したのはなぜですか。

      12 シュラムの娘が羊飼いの青年を愛したのはなぜですか。確かに,青年は「ガゼル」のように美しく,その手は「金の円柱」のように強く,その脚は「大理石の柱」のように美と強さを兼ね備えていました。しかし羊飼いは,強くてハンサムだっただけではありません。娘は,その青年がエホバを愛し,優れた特質を幾つも持っていることを知っていました。ですから青年は娘にとって,「森林の木々の中のりんごの木のよう」な,特別な存在でした。―歌 2:3,9; 5:14,15。

      13. 羊飼いの青年がシュラムの娘を愛したのはなぜですか。

      13 シュラムの娘はどんな人でしたか。「六十人の王妃,八十人のそばめ,そして数知れぬ乙女ら」を持つ王の心をとらえるほど美しかったにもかかわらず,自分を「沿岸の平原のただのサフラン」,つまり平凡な花とみなしました。娘は際立って慎み深く,謙遜でした。しかし,羊飼いにとっては「とげ草の中のゆり」のようでした。エホバに忠実な女性だったからです。―歌 2:1,2; 6:8。

      14. 「ソロモンの歌」で描かれている愛は,結婚を望む独身のクリスチャンにどんなことを教えていますか。

      14 聖書には,クリスチャンは「主にある者とだけ」結婚するように,という強い訓戒が含まれています。(コリ一 7:39)結婚を望む独身のクリスチャンは,不信者に恋愛感情を抱かないようにし,エホバの忠節な崇拝者の中から結婚相手を選ぶようにします。日々の生活のストレスに面しても,夫婦として平和と霊的な一致を保つには,神への信仰と献身の思いが必要です。そのような特質を持つ人を,結婚相手に選んでください。羊飼いの青年もシュラムの娘も,まさしくそれらの特質を互いのうちに見いだしていました。

      ある姉妹が,不信者の男性に恋愛感情を抱いていることを示す写真

      クリスチャンは,不信者に対して恋愛感情を抱かないようにする(14節を参照)

      わたしの花嫁は「横木で閉じられた園」

      15. シュラムの娘が示した忠節は,独身のカップルにとってどのような手本となっていますか。

      15 ソロモンの歌 4:12を読む。羊飼いが恋人のことを「横木で閉じられた園」と述べたのはなぜですか。壁や垣に囲まれた園には,だれでも自由に入れるわけではありません。門のかぎを開けなければ入ることができません。シュラムの娘はかぎの掛かった園のようです。娘の愛情は,将来の夫である羊飼いの青年にしか向けられていないからです。王からの誘惑に屈しなかった娘は,自分が「城壁」のようであり,すぐに広く開いてしまう「扉」のようではないことを示しました。(歌 8:8-10)同様に,結婚を予定しているカップルは,互いに対して忠節を保ち,ほかの異性に恋愛感情を抱くことはしません。

      16. 交際期間中の振る舞いについて,「ソロモンの歌」は何を教えていますか。

      16 ある春の日,青年は娘に,一緒に散歩に行こう,と誘います。しかし,娘の兄弟たちは行くことを許さず,ぶどう園の番を言いつけました。なぜでしょうか。娘を信頼しなかったのでしょうか。きっとみだらなことをするつもりだ,と考えたのでしょうか。そうではありません。娘が誘惑となる状況に陥らないように,予防策を講じたのです。(歌 1:6; 2:10-15)ここには,独身のクリスチャンが学ぶべき教訓が含まれています。交際期間中には,清い関係を保てるように必要な予防策を講じてください。2人きりになってしまう場所を避け,互いへの愛情表現は清いものにしてください。

      17,18. あなたは「ソロモンの歌」の研究から,どんな益を得ましたか。

      17 クリスチャンの夫婦は大抵,互いへの深い愛を抱いて結婚生活を始めます。エホバが創始された結婚の取り決めは永続的なものなので,夫婦が愛の炎を絶やさないようにし,愛が成長できる雰囲気を保つのは重要なことです。―マル 10:6-9。

      18 結婚を望んでいるなら,心から愛せる人を探してください。そのような人が見つかったなら,互いに対する強い愛を保つよう一緒に努力してください。「ソロモンの歌」が教えているように,永続する真の愛は存在します。それは「ヤハの炎」だからです。―歌 8:6。

      a 「ものみの塔」2007年1月15日号31ページを参照。

      b 「洞察」第2巻96ページ「『ソロモンの歌』の際立った点」を参照。

日本語出版物(1954-2026)
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