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リオのポン・デ・アスーカルとコルコバードの丘目ざめよ! 1987 | 8月22日
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リオのポン・デ・アスーカルとコルコバードの丘
ブラジルの「目ざめよ!」通信員
「地球上にこれほど美しい都市はない」。オーストリアのロマン派作家ステファン・ツワイグはリオデジャネイロをこのように描写しました。確かに,目もくらむように高いポン・デ・アスーカルとコルコバード(せむしの意)の丘の頂から望むリオの光景はまさに息をのむほどの美しさです。
この二つの有名な山の頂からは,見渡す限り広がる美のパノラマを展望できます。湾や入り江,島や海岸,空に向かって突き出た高さ数百メートルの岩山,樹木のうっそうと茂る山腹,絶えず色の変化するきらめく海,そして,もちろん,都市そのもの。
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リオのポン・デ・アスーカルとコルコバードの丘目ざめよ! 1987 | 8月22日
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コルコバードの丘
ポン・デ・アスーカルの見晴らしのよい場所に立つと,もう一つの山頂が目に留まります。それは,コルコバード(せむし)の丘です。海岸線から奥まった所に位置し,高さが704㍍あるこのとがった岩山からは,リオ市全体とその入り江,さらに周辺の地域が見渡せます。
ポン・デ・アスーカル山よりも登りやすいコルコバードの丘は,ブラジルの皇帝ペドロ1世(1822年から1831年まで在位)とその妻レオポルディナが馬に乗って登ったのが最初であると言われています。それ以来この丘は,リオの住民や海外からの訪問者たちに人気のある観光地となりました。
1882年1月7日,ペドロ2世は勅令を出し,鉄道の敷設を許可しました。その鉄道は1884年10月9日に開通しましたが,始発駅のコスメ・ベーリョは海抜37㍍の地点に,終着駅は海抜約670㍍の地点に位置しています。その鉄道は1912年に電化されたため,蒸気機関は使用されなくなりました。
道路を利用するにしても鉄道を利用するにしても,曲がりくねった坂道を登って行く時の気持ちは,山頂から眺める景色と同じほどそう快です。湿潤な熱帯林が放つ新鮮な香りや,さまざまな色の鳥や巨大な蝶,うっそうとした森の陰のひんやりとした空気,幾度も林間の空き地に出ては突然まぶしい太陽の光に照らされることなど,すべてが忘れ難い経験になります。
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リオのポン・デ・アスーカルとコルコバードの丘目ざめよ! 1987 | 8月22日
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[26ページの図版のクレジット]
Photos: Colombo Cine Foto Produçōes Ltda., Rio de Janeiro
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