-
核戦争 ― 脅威の源はどこにあるのか目ざめよ! 2004 | 3月8日
-
-
核クラブの新メンバー
核を備蓄しているのはおもに二つの核超大国であるとはいえ,中国,フランス,英国という核大国も存在します。核クラブと呼ばれる,それら核武装を公言している国々に,最近インドとパキスタンが新メンバーとして加わりました。それに加えて,イスラエルなど他の数か国が核兵器を所有しようとしている,もしくはすでに所有しているであろうとしばしば言われます。
新メンバーを含む核クラブの成員国がかかわる政治紛争は,核紛争の引き金になりかねません。「インドとパキスタンの危機は……キューバ・ミサイル危機以来,二つの国が核戦争に最も近づいた事件である」と,「原子科学者会報」は述べています。2002年初めに状況が悪化したため,核攻撃に対する恐れは,多くの人にとって極めて現実的なものとなりました。
-
-
核戦争 ― 脅威の源はどこにあるのか目ざめよ! 2004 | 3月8日
-
-
[6ページの囲み記事]
第二次核時代?
コラムニストのビル・ケラー(現ニューヨーク・タイムズ紙編集主幹)は,ニューヨーク・タイムズ・マガジン(英語)の中で,諸国家は第二次核時代に突入した,という考えを言い表わしました。第一次核時代は,ウクライナが,旧ソ連から引き継いだ兵器を放棄することに合意した1994年1月に終わりました。ケラーが第二次核時代と述べたのはなぜでしょうか。
こう書いています。「第二次核時代の到来は,1998年にラージャスターンの砂漠の地下で響いた轟音によって告げられた。選挙の結果,インドで新たに誕生したヒンズー至上主義政権が5回の爆発実験を行なったのだ。2週間後にはパキスタンもそれに続いた」。両国の実験は,先の核時代の実験とどのように異なるのでしょうか。「それらは,局地的レベルで開発された核兵器」です。
世界は,核クラブに二つの活発な成員国が加わったことについて,安心感を抱けるでしょうか。ケラーはこう続けています。「ある国が新たに核兵器を入手するたびに,核兵器国を巻き込んだ戦争の起こる可能性は高くなる」。―「勃発の可能性」,ニューヨーク・タイムズ・マガジン,2003年5月4日号,50ページ。
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に関する報道は,状況をいっそう複雑にしています。同国が所有する「プルトニウムは,近いうちに6個の新しい核爆弾を製造するのに十分な量」のようです。「北朝鮮が新しい核兵器を製造する危険は日ごとに高くなっており,恐らくその一つを実験することさえあるかもしれない」のです。―ニューヨーク・タイムズ紙,2003年7月18日付。
-