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大群衆聖書に対する洞察,第2巻
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多くの注解者は,最初に言及されている,証印を押された14万4,000人を「霊的なイスラエル」の成員とみなし,これは地上にいる時のクリスチャン会衆を象徴していると考えます。また,「大群衆」は,個々の人が信仰のうちに死んで復活させられた後の,天における同じクリスチャン会衆を表わすと考えています。
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大群衆聖書に対する洞察,第2巻
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証印を押された14万4,000人は,地上にいる時のクリスチャン会衆の成員であり,「大群衆」は天に復活させられたクリスチャンであるという見方は,14万4,000人に触れている別の箇所,つまり啓示 14章と調和しません。その章で,14万4,000人は,子羊と共に「シオンの山」にいます。使徒パウロはヘブライ 12章18-24節で,地上のシナイ山におけるイスラエル人の経験と,「シオンの山,生ける神の都市なる天のエルサレム,幾万ものみ使いたち,すなわちその全体集会,天に登録されている初子たちの会衆……に近づいた」クリスチャンの経験とを対比しています。ですから,啓示 14章3節は,14万4,000人が「地から買い取られた」と述べていますが,文脈からするなら,彼らは地上ではなく,天の子羊キリスト・イエスと共に天にいる者として描かれているのは明らかです。(啓 14:3,4)このように,14万4,000人は地上にいる時のクリスチャン会衆を表わし,その一方で,彼らは天で「大群衆」になるという見解は説得力に欠けることが分かります。
それに加えて,使徒ヨハネが「大群衆」の幻を紹介している方法は,「大群衆」と証印を押された14万4,000人との間に実体の明確な相違があることを暗示しています。ヨハネは,「これらのこと[証印を押された14万4,000人に関する記述]の後,わたしが見ると,見よ,……だれも数えつくすことのできない大群衆が(いた)」と述べています。(啓 7:9)ですからヨハネは,「大群衆」を別個の存在として示しており,明確な数の14万4,000人と,数が明らかにされていない「大群衆」とをはっきり対比しています。それに「大群衆」は,「イスラエルの子らの」者ではなく,すべての国民と部族と民と国語の中から来た者であるという事実によっても区別されます。また彼らは,啓示 14章1節の14万4,000人のように『子羊と共に』立っているところを見られるわけではなく,「子羊の前に」います。これらの幾つかの要素はすべて,「大群衆」が,証印を押された14万4,000人とは異なる別個の存在であることを示しています。
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