-
ロシア2008 エホバの証人の年鑑
-
-
1998年にオムスクで巡回大会を開こうとした時にも問題が生じました。反対者たちの圧力により,地元当局は間際になってエホバの証人との借用契約を破棄するようホールの責任者に強制したのです。大会のためにやって来た数百人が,ホールの横に集まりました。おびえた責任者は,自分とホールに危害が加えられるのではないかと思い,暴力を働かないよう人々に伝えてほしいと兄弟たちに懇願し始めました。兄弟たちはその人を落ち着かせ,ここにはだれかに手を上げるような人は一人もいないと告げました。大会に来た人たちは騒ぐことなく記念に写真を撮り,散って行きました。責任者は,エホバの証人が温和な人々であることを確信しました。2週間後,別のホールで大会が開かれます。反対者たちは,その大会について知ったのが遅すぎて阻止できず,プログラムが終わりに近づいたころにようやくホールにやって来ました。
-
-
ロシア2008 エホバの証人の年鑑
-
-
「星空の下で」行なわれた大会
2003年8月22日から24日にかけて,手話による地域大会の一つがカフカス地方のスタブロポリ市で開かれることになっており,ロシアの70の都市から出席者がやって来ました。ところが,市当局の激しい反対により,大会は中止させられるおそれがありました。そして大会の前日,ホールの責任者が借用契約を破棄します。しかし,8月22日の金曜日に,兄弟たちはサーカスの経営者と契約を結び,大会のために演技場を使わせてもらうことにしました。
プログラムは午後3時に始まりましたが,休憩時間の後しばらくして,不意に建物が停電しました。出席者たちは辛抱強く席にとどまり,1時間後に電力が復旧してプログラムが再開され,終わったのは午後9時半でした。
大会の二日目が始まると,午前9時半に停電になり,間もなく水も止まりました。兄弟たちは,水も電気もない中でどのように大会を続けるのでしょうか。10時50分に,大会委員会は演技場のドアをすべて開けることにしました。外は快晴だったからです。兄弟たちは外の通りに大きな鏡を置き,日光を反射させて場内や話し手を照らすように工夫しました。すると聴衆は話し手を見ることができましたが,話し手にとってはまぶしすぎて筋書きが見づらいことがすぐに分かりました。それで兄弟たちは他の鏡を使って,サーカスの丸天井からつり下がっていた大きなミラーボールに光を当てることにします。演技場はきらめく光でいっぱいになり,話し手も聴衆も全員プログラムに集中できました。それは,「星空の下で」行なわれたユニークな大会となりました。暗いサーカスの演技場でたくさんの光がきらめいている様子を,出席者たちはそのように表現したのです。
程なくして,市長と幾人かの当局者が演技場に車で乗りつけました。彼らは証人たちが大会を続けていることに驚き,何よりも大会出席者たちの行状に感銘を受けました。だれも抗議したり不平を言ったりせず,ステージに注意を集中していたのです。以前はエホバの証人に敵対的だった警察署長は,自分が目にしたものに感動し,「心の奥底ではあなた方を支持しますが,我々の住む社会はあなた方のことが好きではないのです」と言いました。
当局者たちは去り,間もなく演技場の電力が復旧しました。大会の最初の二日間は遅い時間に終了しましたが,出席者たちは結びの祈りまで席にとどまりました。反対に遭ったにもかかわらず,出席者の数は日ごとに増え,金曜日は494人,土曜日は535人,日曜日は611人でした。最後の祈りの中で,この素晴らしい大会を開かせてくださったエホバに対する特別な感謝がささげられました。出席者たちは天の父に仕えてみ名を賛美する決意を一層強め,喜びのうちに帰途に就きました。
-