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栄光の王キリストを歓呼して迎え入れなさい!ものみの塔 2014 | 2月15日
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栄光の王キリストを歓呼して迎え入れなさい!
「あなたの光輝をもって成功を収めよ」。―詩 45:4。
1,2. 詩編 45編がわたしたちの関心を引くのはなぜですか。
栄光の王は真理と義のために乗り進み,敵たちを征服するために前進します。敵に対する最終的な勝利を収めた後は,愛らしい花嫁と結婚します。その王は代々限りなく記憶され,たたえられます。それが詩編 45編の基本的なテーマです。
2 しかし詩編 45編は,ハッピーエンドで終わる単なる楽しい物語ではありません。そこに記された出来事は,わたしたちにとって重要な意味があります。今と将来の生活に関係があるのです。ですから,ぜひとも注意深く調べましょう。
「わたしの心は良い事でわき立った」
3,4. (イ)わたしたちに関係のある「良い事」とは何ですか。それは,わたしたちにどんな影響を与えますか。(ロ)「わたしの業は王についてである」とはどういうことですか。わたしたちの舌はどういう意味で尖筆のようになりますか。
3 詩編 45:1を読む。詩編作者の心を感動させ,「わき立」たせた「良い事」とは,ある王に関係した事柄でした。「わき立った」と訳されているヘブライ語動詞には,「泡立つ」あるいは「沸騰する」という意味があります。その良い事は,詩編作者の心を熱意で沸騰させ,舌を「熟練した写字生の尖筆」のようにしました。
4 わたしたちの場合はどうですか。メシアの王国に関する良いたよりは,心を感動させる「良い事」と言えます。王国の音信は,1914年にとりわけ「良い」ものとなりました。それ以来,その音信はもはや将来の王国に関するものではなく,すでに天で機能し始めた現実の政府に関するものになったからです。その音信こそ,「あらゆる国民に対する証しのために,人の住む全地で」宣べ伝えられている「王国の……良いたより」なのです。(マタ 24:14)わたしたちはその音信で心が「わき立っ」ているでしょうか。良いたよりを熱心に宣べ伝えているでしょうか。詩編作者と同様,わたしたちの「業は王について」のものです。王はイエス・キリストです。わたしたちはキリストを,天のメシアの王国の即位した王として宣明しています。地上の支配者たちを含めすべての人たちに,キリストの王権に従うよう勧めています。(詩 2:1,2,4-12)わたしたちの舌は,宣べ伝える業において聖書を広範に用いるという意味で,「熟練した写字生の尖筆」のようになっています。
わたしたちは,王イエス・キリストに関する良いたよりを喜んで宣明する
「麗しさがあなたの唇に注ぎ出された」
5. (イ)イエスはどのような意味で「美しい」人でしたか。(ロ)イエスはどのように,麗しく宣べ伝えましたか。どのように,その手本に倣えますか。
5 詩編 45:2を読む。聖書は,イエスの外見についてはほとんど述べていません。完全な人間だったので「美しい」人だったに違いありませんが,その際立った美しさは,エホバへの忠実と,確固たる忠誠から出ていました。それに加えイエスは,王国の音信を麗しく宣べ伝え,人々の心を引きつける言葉を用いました。(ルカ 4:22。ヨハ 7:46)わたしたちは,宣べ伝える業においてその手本に倣うよう努力していますか。人々の心を引きつける言葉を用いるようにしているでしょうか。―コロ 4:6。
6. 神はどのように,「定めのない時に至るまで」イエスを祝福されましたか。
6 エホバは,イエスの心からの専心ゆえに地上におけるその宣教を祝福し,イエスが犠牲の死を遂げた後,報いをお与えになりました。使徒パウロはこう書いています。「人の姿でいた時,彼[イエス]は自分を低くして,死,それも苦しみの杭の上での死に至るまで従順になりました。まさにこのゆえにも,神は彼をさらに上の地位に高め,他のあらゆる名に勝る名を進んでお与えになったのです。それは,天にあるもの,地にあるもの,地の下にあるもののすべてのひざがイエスの名によってかがみ,すべての舌が,イエス・キリストは主であると公に認めて,父なる神に栄光を帰するためでした」。(フィリ 2:8-11)エホバはイエスを不滅の命へと復活させることにより,「定めのない時に至るまで」イエスを祝福されました。―ロマ 6:9。
王は「仲間」にもまして大いなる者とされる
7. 神がイエスをその「仲間」にもまして油そそがれたとは,どういう意味ですか。
7 詩編 45:6,7を読む。エホバは,イエスの,義に対する深い愛とみ父の名誉を汚す事柄すべてに対する憎しみゆえに,イエスをメシアの王国の王として油そそぎました。イエスはご自分の「仲間」たち,つまりダビデの家系のユダの王たちにもまして「歓喜の油」で油そそがれました。なぜそう言えますか。まず,イエスはエホバご自身によって油そそがれました。さらに,王および大祭司として油そそがれました。(詩 2:2。ヘブ 5:5,6)それに加え,文字通りの油ではなく聖霊によって油そそがれました。また,その王権は地的なものではなく,天的なものでした。
8. 『神はイエスの王座』であると言えるのはなぜですか。その王権が義にかなっていることを,なぜ確信できますか。
8 エホバは1914年にみ子をメシアなる王として天で即位させました。その「王権の笏は廉直の笏」なので,イエスの統治には確かに義と公平が伴います。その権威は合法的です。『神はイエスの王座』だからです。イエスの王権の土台はエホバなのです。さらに,イエスの王座は「定めのない時に至るまで,まさに永久に」続きます。神に任命されたそうした強力な王のもとで仕えるのは,誇らしいことではないでしょうか。
王は『剣を帯びる』
9,10. (イ)キリストはいつ,剣を帯びましたか。剣を最初,何のために用いましたか。(ロ)キリストはその剣を,今後どのように用いますか。
9 詩編 45:3を読む。エホバは王に,「剣を股に帯び」るよう指示し,イエスが神の主権に反対する者たちすべてと戦い,裁きを執行するための権威をお与えになります。(詩 110:2)キリストは不屈の戦士なる王なので,「力ある者よ」と呼びかけられています。この王が剣を帯びたのは1914年であり,サタンと配下の悪霊たちに勝利を収め,その者たちを天から地の近くに投げ落としました。―啓 12:7-9。
10 それは,乗り進む王の勝利の始まりにすぎませんでした。王は「征服を完了」しなければなりません。(啓 6:2)これから地上のサタンの体制の勢力すべてにエホバの裁きが執行されることになっています。サタンと悪霊たちは制圧されなければなりません。最初になくなるのは,偽りの宗教の世界帝国である大いなるバビロンです。エホバは,政治支配者たちを用いてこの邪悪な「娼婦」を滅ぼすよう意図しておられます。(啓 17:16,17)次いで,戦士なる王はサタンの政治組織を攻撃し,消滅させます。「底知れぬ深みの使い」とも呼ばれているキリストは,それからサタンと悪霊たちを底知れぬ深みに投げ込んで征服を完了します。(啓 9:1,11; 20:1-3)では,詩編 45編がそれらの劇的な出来事をどのように預言しているかを見てみましょう。
王は「真理……のために」乗り進む
11. キリストはどのように,「真理……のために」乗り進みますか。
11 詩編 45:4を読む。戦士なる王が行なう征服の目的は,領土を占領して民を服従させることではありません。その戦いには崇高な目的があります。それは義なる戦いであり,王は「真理と謙遜と義のために」乗り進みます。擁護すべき最大の真理は,エホバの宇宙主権に関する真理です。サタンはエホバに反逆した際,エホバの主権の正当性に異議を唱えました。それ以来,悪霊も人間も,エホバの宇宙主権は正当であるという基本的な真理に反対してきました。しかし,エホバの油そそがれた王が,エホバの主権に関する真理を一度限り永遠に確立すべく乗り進む時が到来します。
12. 王はどのようにして,「謙遜……のために」乗り進みますか。
12 王は「謙遜……のために」も乗り進みます。神の独り子キリストは,謙遜の模範となられました。また,み父の主権に対する忠節な服従に関しても際立った手本を示されました。(イザ 50:4,5。ヨハ 5:19)王の忠節な臣民は皆,キリストの手本に従い,すべてのことにおいてエホバの主権に謙遜に服さなければなりません。そうする人だけが,神の約束された新しい世で生活することを許されます。―ゼカ 14:16,17。
13. キリストが「義のために」出て行くとは,どのような意味ですか。
13 キリストは「義のために」も出て行かれます。王が擁護する義は「神の義」,つまり正邪に関するエホバの規準です。(ロマ 3:21。申 32:4)王イエス・キリストについてイザヤは,「ひとりの王が義のために治める」と預言しました。(イザ 32:1)イエスの統治は,約束された「新しい天と新しい地」をもたらします。そこには「義が宿ります」。(ペテ二 3:13)その新しい世の住民すべてには,エホバの規準に従うことが求められます。―イザ 11:1-5。
王は「畏怖の念を起こさせること」を成し遂げる
14. キリストの右手が「畏怖の念を起こさせること」を成し遂げるとは,どのような意味ですか。(冒頭の挿絵を参照。)
14 乗り進む王は股に剣を帯びています。(詩 45:3)しかし王が剣を取り,右手でそれを振るう時が来ます。詩編作者の預言によれば,王の「右手は畏怖の念を起こさせること」を成し遂げます。(詩 45:4)イエス・キリストはハルマゲドンでエホバの裁きを執行すべく乗り進む時,敵に対して「畏怖の念を起こさせること」を成し遂げます。サタンの体制を滅ぼす際にどんな手段を用いるかは分かっていません。しかし,その行動は,王の支配に従うようにとの神からの警告に留意してこなかった地の住民たちの心をおののかせます。(詩編 2:11,12を読む。)イエスは終わりの時に関する預言の中で,人々は「人の住む地に臨もうとする事柄への恐れと予想から気を失います。天のもろもろの力が揺り動かされるからです」と述べ,こう付け加えました。「そのとき彼らは,人の子が力と大いなる栄光を伴い,雲のうちにあって来るのを見るでしょう」。―ルカ 21:26,27。
15,16. キリストに従って戦闘に加わる「軍勢」を構成するのはだれですか。
15 「啓示」の書は,王が裁きを執行するため「力と大いなる栄光を伴」って来ることについて,こう述べています。「わたしは天が開かれているのを見た。すると,見よ,白い馬がいた。そして,それに乗っている者は忠実また真実ととなえられ,その者は義をもって裁き,また戦う。また,天にある軍勢が白い馬に乗って彼の後に従っていたが,彼らは白くて清い上等の亜麻布をまとっていた。そして,彼の口からは鋭くて長い剣が突き出ている。それによって諸国民を討つためである。また彼は,鉄の杖で彼らを牧する。また,全能者なる神の憤りの怒りのぶどう搾り場も踏む」。―啓 19:11,14,15。
16 天の「軍勢」,つまりキリストに従って戦闘に加わる仲間の戦士たちを構成するのはだれですか。イエスは,サタンと配下の悪霊たちを天から追放するため最初に剣を帯びた時,「その使いたち」を伴っていました。(啓 12:7-9)ですから,ハルマゲドンの戦いの際,キリストの軍勢に聖なるみ使いたちが含まれていると考えるのは,筋の通ったことでしょう。ほかにだれが含まれているでしょうか。イエスは油そそがれた兄弟たちにこう約束されました。「征服する者,わたしの行ないを終わりまで守り通す者には,わたしは諸国民に対する権威を与え,その者は鉄の杖で民を牧し,彼らは粘土の器のように打ち砕かれるであろう。それは,わたしが自分の父から受けたのと同様であ(る)」。(啓 2:26,27)ですから,キリストの天の軍勢には,その時までに天的な報いを受けた油そそがれた兄弟たちも含まれます。キリストの共同支配者たちは,キリストが鉄の杖で諸国民を牧し,「畏怖の念を起こさせること」を成し遂げる際,キリストの側にいるのです。
王は征服を完了する
17. (イ)キリストが乗っている白い馬は何を表わしていますか。(ロ)剣と弓は何を表わしますか。
17 詩編 45:5を読む。王は白い馬に乗っています。それは,この戦いがエホバの目に清く,義にかなっていることを表わしています。(啓 6:2; 19:11)王は剣だけでなく,弓も持っています。こう記されています。「見ると,見よ,白い馬がいた。それに乗っている者は弓を持っていた。そして,彼に冠が与えられ,彼は征服しに,また征服を完了するために出て行った」。剣も弓も,キリストが敵に裁きを執行するために用いる手段を表わしています。
地を清めるために鳥たちが呼び集められる(18節を参照)
18. キリストの『矢が鋭い』ことは,どうして分かりますか。
18 詩編作者は,王の「矢は鋭く……王の敵の心臓に突き入(り)」,王の「下にもろもろの民は倒れてゆく」と預言しています。倒れてゆく人たちは全地に及びます。エレミヤは,「エホバに打ち殺される者は,その日,地の一方の果てから地の他方の果てにまで及ぶであろう」と預言しています。(エレ 25:33)その並行記述に当たる預言はこう述べています。「わたしはまた,ひとりのみ使いが太陽の中に立っているのを見た。彼は大声で叫び,中天を飛ぶすべての鳥に言った,『さあ,来なさい,神の大きな晩さんに集まれ。王たちの肉,軍司令官たちの肉,強い者たちの肉,馬とそれに乗る者たちの肉,そしてすべての者,すなわち自由人ならびに奴隷および小なる者と大なる者の肉を食べるためである』」。―啓 19:17,18。
19. キリストはどのように「成功を収め」,征服を完了しますか。
19 キリストは地上のサタンの邪悪な体制を滅ぼした後,「光輝をもって成功を収め」ます。(詩 45:4)サタンと悪霊たちを底知れぬ深みに投げ込むことによって征服を完了するのです。(啓 20:2,3)悪魔とその使いたちが千年統治の期間中,そうした死のような無活動の状態に置かれるので,地の住民はサタンの影響から自由にされ,栄光に輝く勝利の王に全く服従した生活を送ることができます。しかし,地上全体が楽園に変えられてゆくのを見る前に,王と天的なその仲間たちと共に歓べることがあります。その喜ばしい出来事については,次の記事で調べましょう。
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子羊の結婚を歓びなさい!ものみの塔 2014 | 2月15日
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子羊の結婚を歓びなさい!
「歓び,そして喜びにあふれよう。……子羊の結婚が到来し……たからである」。―啓 19:7。
1,2. (イ)だれの結婚式は,天での大きな喜びをもたらしますか。(ロ)どんな質問が生じますか。
結婚式の準備には時間がかかるものです。しかし,これから注目するのは,普通の結婚式ではなく,極めて特別な,王の結婚式です。準備に約2,000年の歳月が費やされましたが,花婿が花嫁と結び合わされる時は急速に近づいています。程なくして心弾む音楽が宮殿を満たし,天の群衆はこう歌い出すでしょう。「あなた方はヤハを賛美せよ。全能者なるわたしたちの神エホバは,王として支配を始められたからである。歓び,そして喜びにあふれよう。また,神に栄光をささげよう。子羊の結婚が到来し,その妻は支度を整えたからである」。―啓 19:6,7。
2 天での喜びをもたらす結婚の当事者である「子羊」は,イエス・キリストにほかなりません。(ヨハ 1:29)では,イエスはどんな装いで結婚式に臨みますか。花嫁はだれで,どのように支度を整えてきましたか。式はいつ行なわれますか。この結婚は天に喜びをもたらしますが,地上で永遠に生きる希望を持つ人たちもその歓びにあずかるのでしょうか。引き続き詩編 45編を学びながら,興味深いそれらの質問を考慮しましょう。
花婿の衣装は香る
3,4. (イ)花婿の衣装についてどんな説明がありますか。何が花婿の喜びを増し加えますか。(ロ)花婿の喜びにあずかる「王たちの娘」と「王妃」は,それぞれだれのことですか。
3 詩編 45:8,9を読む。花婿イエス・キリストは,輝くばかりの王の結婚衣装を身にまとっています。その服から,没薬やカシアのような「最上の香物」が香るのは,ふさわしいことです。没薬もカシアも,イスラエルで用いられた聖なるそそぎ油の成分だったからです。―出 30:23-25。
4 宮殿を満たす天の音楽は,結婚を間近に控えた花婿の喜びを増し加えます。「王妃」,つまり神の組織の天的な部分もその喜びにあずかります。神の組織の天的な部分には「王たちの娘」つまり聖なるみ使いたちも含まれています。天の声が,「歓び,そして喜びにあふれよう。……子羊の結婚が到来し……たからである」と告げるのを聞くのは,何と快いことでしょう。
花嫁は結婚式のために整えられる
5. 「子羊の妻」とはだれですか。
5 詩編 45:10,11を読む。花婿がだれであるかは理解できました。では,花嫁はだれですか。それは,イエス・キリストを頭とする会衆の成員すべてによって構成される複合の花嫁です。(エフェソス 5:23,24を読む。)彼らはキリストのメシア王国の一員となります。(ルカ 12:32)それら霊によって油そそがれた14万4,000人のクリスチャンは,「子羊の行くところにはどこへでも従って行」きます。(啓 14:1-4)「子羊の妻」となり,キリストと共に天の住まいに住みます。―啓 21:9。ヨハ 14:2,3。
6. 油そそがれた者たちが「王の娘」と呼ばれているのはなぜですか。自分の民を忘れるよう勧められているのは,なぜですか。
6 将来の花嫁は「娘」と呼ばれているだけでなく,「王の娘」とも呼ばれています。(詩 45:13)この「王」とはだれですか。エホバです。油そそがれたクリスチャンはエホバの「子供」として養子にされました。(ロマ 8:15-17)彼らは天的な花嫁になるので,「あなたの民とあなたの[実の]父の家を忘れよ」と命じられています。また,「地上にある事柄ではなく,上にある事柄に自分の思いを留め(る)」必要があります。―コロ 3:1-4。
7. (イ)キリストはどのように,将来の花嫁を整えてこられましたか。(ロ)花嫁は将来の花婿についてどのような見方をしますか。
7 キリストは幾世紀にもわたり,天での結婚式のために花嫁を整えてこられました。使徒パウロの説明によると,キリストは「会衆を愛し,そのためにご自分を引き渡され(ました)。それは,会衆を神聖なものとし,み言葉による水の洗いをもってそれを清めるため,そして,輝かしいばかりの会衆をご自身のもとに立たせ,こうしてそれが,汚点やしわ,またそうしたものの何もない,神聖できずのないものとなるためでした」。(エフェ 5:25-27)パウロはコリントの油そそがれたクリスチャンに,こう述べています。「わたしは敬虔なしっとをもってあなた方をしっとしているのです。あなた方を貞潔な処女としてキリストに差し出すため,わたし自身があなた方をただ一人の夫に婚約させたからです」。(コリ二 11:2)花婿なる王イエス・キリストは将来の花嫁の霊的な「美しさ」を高く評価しています。花嫁のほうも,キリストを「主」と認め,将来の夫として「この方に身をかがめ」ます。
花嫁は「王のもとに連れて来られる」
8. 花嫁が「栄光に満ち」ていると描写されているのは,なぜ適切なことですか。
8 詩編 45:13,14前半を読む。ここで花嫁は,王との結婚式のために「栄光に満ち」ている,と表現されています。啓示 21章2節では,新しいエルサレムという都市に例えられており,「自分の夫のために飾っ」ています。この天的な都市は「神の栄光」を帯び,輝きを放っています。「極めて貴い宝石に似ており,碧玉が水晶のように澄みきって輝いているかのよう」です。(啓 21:10,11)新しいエルサレムの華麗さは,「啓示」の書に美しく描かれています。(啓 21:18-21)詩編作者が花嫁を,「栄光に満ち」ていると描写したのも不思議ではありません。王の結婚式は天で行なわれるのです。
9. 花嫁はだれのところに連れて来られますか。花嫁はどんな装いをしていますか。
9 花嫁が連れて来られるのは花婿,つまりメシアなる王のところです。花婿は花嫁を「み言葉による水の洗いをもって……清め」,整えてきました。花嫁は「神聖できずのない」状態にあります。(エフェ 5:26,27)また,結婚式にふさわしい装いをしていなければなりませんが,実際にそういう装いをしています。「その衣服には金の織り込みが施されて」おり,「織り合わされた衣を着けて王のもとに連れて来られる」のです。子羊の結婚のために,「彼女は,輝く,清い,上等の亜麻布で身を装うことを許され」ています。「上等の亜麻布は聖なる者たちの義の行為を表わ」します。―啓 19:8。
子羊の結婚が到来した
10. 子羊の結婚はどんなタイミングで行なわれますか。
10 啓示 19:7を読む。子羊の結婚はいつ行なわれることになっていますか。結婚のために「その妻は支度を整え」ましたが,続く部分に記されているのは実際の結婚式の様子ではなく,大患難の最終局面に関する生き生きとした描写です。(啓 19:11-21)では,結婚式は花婿なる王が征服を完了する前に行なわれるということですか。そうではありません。「啓示」の書の幻は年代順に配置されているわけではないからです。実際,詩編 45編によれば,王イエス・キリストが剣を帯び,敵に「成功を収め」た後に,王の結婚式が行なわれます。―詩 45:3,4。
11. キリストは結婚の前に,どんなことを行ないますか。
11 まとめてみると,物事は次のような順番で進みます。まず,偽りの宗教の世界帝国である大いなるバビロン,つまり「大娼婦」に裁きが執行されます。(啓 17:1,5,16,17; 19:1,2)次にキリストが,地上のサタンの邪悪な体制の残りの部分に裁きを執行するために乗り進み,ハルマゲドンつまり「全能者なる神の大いなる日の戦争」でそれを滅ぼします。(啓 16:14-16; 19:19-21)そしてこの戦士なる王は,サタンと悪霊たちを底知れぬ深みに投げ込み,死のような無活動の状態にすることによって,征服を完了します。―啓 20:1-3。
12,13. (イ)子羊の結婚が行なわれるのはいつですか。(ロ)天では,だれが子羊の結婚を歓びますか。
12 油そそがれたクリスチャンは,キリストの臨在期間中の地上での歩みを終えると,天での命に復活します。大いなるバビロンの滅びの後,イエスは花嫁級の残っている者たちをご自分のもとに集めます。(テサ一 4:16,17)ですから,ハルマゲドンの戦いが勃発する前,「花嫁」の成員はすべて天にいます。その戦いが終わって初めて,子羊の結婚が行なわれます。その結婚は本当に喜ばしい時となるでしょう。「子羊の結婚の晩さんに招かれた者たちは幸いである」,と啓示 19章9節は述べています。花嫁級を構成する14万4,000人の幸福はいかばかりでしょう。また,花婿である王は,仲間の王たち全員が象徴的に「王国で[ご自分]の食卓について食べたり飲んだり」することを,大いに喜ぶでしょう。(ルカ 22:18,28-30)しかし,子羊の結婚について歓ぶのは,花婿と花嫁だけではありません。
13 前にも述べたように,天の群衆は一致してこう歌います。「歓び,そして喜びにあふれよう。また,神に栄光をささげよう。子羊の結婚が到来し,その妻は支度を整えたからである」。(啓 19:6,7)では,地上にいるエホバの僕たちはどうですか。その喜びにあずかるのでしょうか。
『彼らは歓びに満ちて連れて来られる』
14. 詩編 45編にある,「友として」花嫁に付き添う「処女たち」とは,だれのことですか。
14 詩編 45:12,14後半,15を読む。預言者ゼカリヤの予告によると,終わりの時には諸国の民が,感謝のうちに霊的イスラエルの残りの者と交わるようになります。こうあります。「その日には,諸国のあらゆる言語から来た十人の者が,ユダヤ人である一人の者のすそをとらえ,まさしくとらえてこう言う。『わたしたちはあなた方と共に行きます。神があなた方と共におられることを聞いたからです』」。(ゼカ 8:23)それら象徴的な「十人の者」は詩編 45編12節では,「ティルスの娘」および「その民の富んだ者たち」となっています。彼らは油そそがれた残りの者の好意と霊的な援助を求め,贈り物を携えて来ます。1935年以来,幾百万という人々が,残りの者によって『義に導かれる』ようになりました。(ダニ 12:3)それら「十人の者」は油そそがれた者たちの忠節な友であり,すべての偽りの崇拝から自分の生活を清めてきました。ですから,「友としてこれに付き添う処女たち」と呼ばれています。彼らはエホバに献身し,王イエス・キリストの忠実な僕であることを示してきました。
15. 「処女たち」は,花嫁級の残りの者と,どのように協力して働いてきましたか。
15 それらの「処女たち」は,人の住む全地で「王国のこの良いたより」を宣べ伝える業に,熱心に協力してきました。(マタ 24:14)花嫁級の残りの者は,そのことに特に感謝しています。「霊と花嫁は,『来なさい!』と言いつづけ」ます。そして聞く人たちも,「来なさい!」と言います。(啓 22:17)そうです,「ほかの羊」は,油そそがれた花嫁級が「来なさい!」と言うのを聞き,花嫁級に加わって,地に住む人たちに「来なさい!」と言ってきたのです。―ヨハ 10:16。
16. エホバはほかの羊に,どんな特権を与えておられますか。
16 油そそがれた残りの者は,友であるほかの羊を愛しています。そして,花婿の父エホバがほかの羊に,天での子羊の結婚の歓びに加わる特権を与えておられることに喜びを感じます。それら友である「処女たち」は「歓びとうれしさに満ちて連れて来られ」る,と予告されています。そうです,地上で永遠に生きることを望むほかの羊も,子羊の結婚が天で行なわれる時の宇宙的な歓びにあずかるのです。「啓示」の書で,「大群衆」が「み座の前と子羊の前に立ってい(る)」と述べられているのは,ふさわしいことです。彼らは霊的神殿の地上の中庭で,エホバに神聖な奉仕をささげます。―啓 7:9,15。
子羊の結婚は,花嫁の「友としてこれに付き添う処女たち」に喜びをもたらす(16節を参照)
「あなたの父祖に代わってあなたの子らが立(つ)」
17,18. 子羊の結婚は,新しい世にいる人たちにどんな益をもたらしますか。キリストは千年統治の期間中,だれに対して父となりますか。
17 詩編 45:16を読む。キリストの天の花嫁の「友」である「処女たち」は,その結婚が新しい世で益をもたらすのを見て,さらなる歓びを経験します。花婿なる王は地に注意を向け,地上の「父祖」たちを復活させます。彼らは王の地上の「子ら」となります。(ヨハ 5:25-29。ヘブ 11:35)キリストはそれらの「子ら」の中から選んだ人たちを,「全地に君として」任命します。また,今日の忠実な長老たちの中からも,「君」として新しい世で指導の任に当たる人たちをお選びになるに違いありません。―イザ 32:1。
18 キリストは千年統治の期間中,ほかの人たちに対しても父となります。どのようにでしょうか。イエスの贖いの犠牲に信仰を働かせる人たちは地上で永遠に生きることができます。(ヨハ 3:16)そのようなわけで,キリストはその人たちの「とこしえの父」となるのです。―イザ 9:6,7。
王の名を知らせる ― わたしたちの強い願い
19,20. 詩編 45編に記されている劇的な出来事は,今日の真のクリスチャンすべてにどんな影響を与えますか。
19 詩編 45:1,17を読む。詩編 45編に記されている出来事は,すべてのクリスチャンと関係があります。地上に残っている油そそがれた者たちは,間もなく天で仲間たちとも花婿とも結ばれる見込みに,胸の高鳴りを覚えます。ほかの羊は,栄光に輝く王にいっそう従いたいと思います。そして,地上に残っている花嫁級の人たちと交われる特権に心から感謝します。キリストとその花嫁が結婚した後,全人類に与える祝福は,わたしたちの想像を超える素晴らしいものなのです。―啓 7:17; 21:1-4。
20 メシアなる王に関する預言の成就を待ち望むわたしたちは,その王の名を知らせたいと強く願うはずです。ですから,「定めのない時に至るまで,まさに永久に」メシアなる王を賛美してゆきましょう。
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