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ロシア2008 エホバの証人の年鑑
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イワン・クリムコはこう語ります。「ある時,モルドビニア第19収容所で,犬を連れた兵士たちが兄弟たちを収容所の敷地から連れ出し,徹底的な検査を行ないました。証人たちはそれぞれ服を脱がされ,足に巻いていたぼろきれさえ取られました。しかし,兄弟たちは足の裏に手書きのページを何枚か張りつけており,それは見つかりませんでした。さらに,指の間に挟める小さな小冊子も作っていました。看守たちが皆に手を上げるよう命じた時も,小冊子は指の間に挟まっていたので,それらも何冊かは無事でした」。
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ロシア2008 エホバの証人の年鑑
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クリムコ兄弟は当時を思い出してこう言います。「ある時,たくさんの文書や聖書さえも失ってしまいました。それらはすべて一人の兄弟の義足に隠してあったのです。看守たちは無理やり兄弟に義足を外させると,それを粉々に壊しました。そして散らばったページの写真を撮り,収容所の新聞に載せました。それでもこの出来事は,エホバの証人が専ら宗教活動に携わっていることを再度多くの人に示したので,役に立ったと言えます。文書が発見された後,収容所の管理官はほくそえみ,『ハルマゲドンが来たようだな』と兄弟たちに言いました。ところがその翌日には,エホバの証人はいつもどおり集まり,歌を歌い,文書を読んでいるということが管理官に報告されました」。
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ロシア2008 エホバの証人の年鑑
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[173ページの図版]
イワン・クリムコ
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