-
捧げ物聖書に対する洞察,第1巻
-
-
(1)民に罪科をもたらした大祭司の罪のため(レビ 4:3): 大祭司は1頭の雄牛を連れて来て,その雄牛の頭の上に手を置きました。雄牛はほふられ,その血は聖なる場所に持って行かれて垂れ幕の前に振り掛けられました。血の幾らかは香の祭壇の角に塗り付けられ,残りは焼燔の捧げ物の祭壇の基部に注がれました。脂肪は(共与の捧げ物の場合と同じく)焼燔の捧げ物の祭壇の上で焼かれました。(レビ 4:4-10)そして,死がい(皮を含む)は市の外の,祭壇の灰が置かれる清い場所で焼かれました。(レビ 4:11,12)
(2)全集会の罪のため(集会によって犯され,指導者たちが後になるまで気づかなかった何らかの罪)(レビ 4:13): 会衆は雄牛を連れて来ました。年長者たちがその雄牛の頭の上に手を置き,一人がそれをほふりました。残りの手順は大祭司の罪のための場合と同じでした。(レビ 4:14-21)
大祭司がエホバのみ前で国民全体を代表する者としての公式の立場と資格で仕えている時に犯した罪は,全集会に罪科をもたらしました。それは裁きの際の誤りとか,律法を適用したり,国家的な重要さを持つ質問を扱ったりする際の誤りといったとがであったかもしれません。そのような罪のため,また全集会の罪のためには,犠牲のうちで最も貴重なもの,すなわち雄牛が要求されました。―レビ 4:3,13-15。
個人の罪の捧げ物の場合,血は祭壇より先へは持って行かれませんでした。しかし,大祭司の罪や全集会の罪の場合,血は聖所の第一の仕切り室である聖なる場所にも携え入れられ,垂れ幕の前に振り掛けられました。その垂れ幕の向こう側にはエホバが『住まわれ』,そのことは至聖所にある契約の箱の上の奇跡的な光によって表わされていました。(贖罪の日に決まってささげられた罪の捧げ物の場合にのみ,血が至聖所,つまり第二の仕切り室に携え入れられました; レビ 16章)祭司はだれも,血が聖なる場所に携え入れられた捧げ物のいかなる部分も食べることはできませんでした。―レビ 6:30。
(3)長の罪: 雄やぎが用いられたことと,また血が聖なる場所に携え入れられなかったことを除けば,手順は同様でした。血は焼燔の捧げ物の祭壇の角に付けられ,残りはその基部に注ぎ出されました。
-