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死海写本 ― 先例のない宝ものみの塔 1991 | 4月15日
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特に重要な写本の一つに,1巻の巻き物に写されたサムエル記第一と第二がありました。57欄あったと考えられる欄のうちの47欄に保存されている同書のヘブライ語本文は,ギリシャ語セプトゥアギンタ訳の翻訳者が用いた本文と非常によく似ています。また,西暦前1世紀にまでさかのぼるセプトゥアギンタ訳のレビ記と民数記のギリシャ語断片もあります。レビ記の写本は,神のみ名を表わすヘブライ語יהוהの訳語として,「主」を意味するギリシャ語キュリオスの代わりに,IAOを用いています。a
申命記の断片の中のヘブライ語本文には,32章43節の一部が含まれていて,その部分はセプトゥアギンタ訳に見られ,ヘブライ 1章6節では,「そして神のみ使いたちはみな彼に敬意をささげよ」と引用されています。この文がヘブライ語写本の中で発見されたのはこれが初めてのことで,これによりギリシャ語訳の基になったと思われる本文が明らかになりました。こうして学者たちは,クリスチャン・ギリシャ語聖書中に頻繁に引用されているセプトゥアギンタ訳の本文に対する新たな洞察を得ました。
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