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買い物上手になる方法目ざめよ! 1988 | 2月22日
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必要な物だけを買う
衝動買いをしないためには自己鍛錬が大いに必要です。食品を買う時は特にそうです。食品は家計の中で最も費用のかかる項目の一つです。
しかし,注意深い計画を立てれば大幅に費用を削減できるのも食品の分野です。そのことを念頭に置いて,次の基本原則を守ります。つまり空腹時には決して食品を買わないということです。普通なら買わないような物(大抵は甘い物)を必ず買ってしまうからです。そういう経験はありませんか。
買う物のリストを作り,リストにないものは決して買わないことも,予算内で済ませるためには絶対に必要です。そうしなければ,店に入るたびに予定外の物まで買って出て来ることになるでしょう。種々の調査によると,スーパーで三つの品物を買う予定の女性の場合,リストを持っていないと8個ないし10個の品物を買い,男性の場合は20個にもなるということです。もちろんそれには商店も一役買っているのです。どうしてですか。
乳製品や肉や野菜といった必需品は普通,レジのカウンターから遠く離れた場所に置かれています。したがって,それらの物を得るには多くの品物のそばを通って行かなければならず,目的の物を買う前に,買い物かごは半ば一杯になるかもしれません。ですから,不必要な物を買わないためにはどうしても買い物リストを持っていなければなりません。
買い物をする前に,安売りをしている店のチラシに目を通すのも賢明な方法です。もし予算が許せば基本食品を買いだめし,それを考えに入れて翌週のメニューを計画することができます。品物とその通常の価格を知っていれば,販売戦略にかからずにすみます。お勧め品でも実際には買い得ではない場合もあるからです。週の半ばに買い物をするのもよい方法です。店はあまり込んでおらず,あまり慌てる必要もなく,しかも特売の物が買えるという益があります。また,旬の果物や野菜を利用することも忘れないようにしましょう。果物や野菜は最盛期に買うほうがずっと経済的であり,多くの場合,後の使用に備えて瓶詰にすることができます。それにはもちろん前もって注意深い計画を立てる必要があります。
買い物には子供を連れて行かないほうが賢明であることに気づいておられる方もあるでしょう。そのほうが賢明なのはなぜでしょうか。子供は親の気を他の物にそらすだけでなく,テレビで見て知っている物を親に買わせるよう仕込まれているからです。レジのカウンターの所で,子供の手の届く所に置いてあるおもちゃやスナック食品を子供にねだられて買ってしまう親は少なくありません。
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買い物上手になる方法目ざめよ! 1988 | 2月22日
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比較して買う
店を回って品物の値段を比較すれば,かなりお金が節約できます。また,大量に買うときは,どの店が一番大幅に値引きするかを調べることです。例えば,塗料店によっては,一つの色のペンキを15㍑以上買えば1割値引きしてくれる店もあります。多くの場合,幾人かと組んで品物を一括購入し,あとでその品物と浮いた分のお金を分け合うということもできます。
食品の場合も同じ方法で買えます。それぞれの店が安売りする時を地元の新聞広告で調べておいてその時に買い物をしますが,銘柄だけにとらわれないことです。名の通った銘柄の物は,売れ行きはよいかもしれませんが,必ずしも栄養価が高いというわけではありません。銘柄品は,宣伝費や包装費を埋め合わせるため,値段が高めになっているのが普通です。店の商標のある品で十分かもしれません。
最近の“無銘柄”商品は,どんな予算にとってもプラスになります。多くの場合,そういう商品は簡単な白黒の入れ物に入れられて(そのためにそういう名称で呼ばれて)います。しかし,試してみないうちに過小評価しないことです。質も味も銘柄品に劣らず,しかも値段はずっと安い場合が少なくないからです。処方薬についても同じことが言えます。商標登録されていない薬は,登録商標名ではなく化学的な名称で呼ばれています。成分は同じなのに,値段はずっと安いのです。
もちろん,比較しながら買い物をするときには注意が必要です。ほんの一つか二つの品物を買うために町中を駆け巡るとしたら,安く買って浮くお金も,たちまち交通費で飛んでしまうことでしょう。ですから分別がいります。いつも同じ店で買い物をすることが節約になる場合もあります。安売りの時期が分かるようになりますし,どこにどんな品物があるかも分かってきて,時間が節約できるのです。非常に忙しいスケジュールで生活している人にとっては,時間もお金の節約と同じほど重要な場合があります。
商売上の策略にかからないようにする
スーパーは大抵,衝動買いを熱心に勧めます。その方法としては潜在意識に働きかける場合が多いので,その働きかけに対して知識と不断の努力と自己鍛錬をもって対抗する必要があります。
一つの手は,気のきいた包装です。カラフルな食物の絵のはってある商品がどれほどあるかお気づきでしょうか。その多くは赤い色で,赤い色のレタリングが施されているものも少なくありません。それと比較すると“無銘柄”商品は,さえない感じがし,食欲をそそりません。
商品の値段の付け方に注意してください。品物に99円,199円,299円といった値段を付けるのは,多くの人に効を奏する一種の心理的錯覚をねらっていることを忘れてはなりません。また,三つで99円と宣伝されているからといって,必要もないのに買う気になってはいけません。
客が買う気にさせられる要因としてはほかに,店の中のどこに食品が置かれているかということもあります。買い物客が足をゆるめなければならない通路の端に陳列されているのは,多くの場合,利益の上がる商品やスナック食品です。最も高価な商品は,目の高さの所に置かれているのが普通です。それらを一番上の棚や一番下の棚にある品物の値段と比べてみてください。
割り引き券があればお金の節約になりますが,それも販売を促進するためのものです。米国では,1980年だけで900億枚以上の割り引き券が発行されました。多くの人は割り引き券をもらったというだけの理由でその品物を買います。ですから覚えておきたいことは,割り引き券は,自分に必要な,そしていつも使用する物のために使って初めてお金の節約になるということです。値段のいかんにかかわらず,自分が本当に必要としていないのなら,どんな商品も買い得にはならないのです。
レジのカウンターの所に来たからといって気をゆるめてはいけません。それまでに多くのわなを避けてきたかもしれませんが,ここでとりこになります。列に並んで待たなければならないのです。あなたの気を引くようにそこにある物は何でしょうか。そうです,キャンディーや雑誌,それに子供たちが手に取ってあなたの手押し車のかごにそっと入れることのできる,あのおもちゃがあります。あなたが気づいた時には大抵もう遅すぎます。既に勘定を済ませてしまったか,あるいは買ってくれと言ってきかない我が子と対決するかのどちらかです。店の側の勝ちです。
しかし,その気になれば,あなたは勝利者になれます。買い物に熟練した人は,予算内にとどめるだけでなく,買い物をしながら倹約します。あなたの買い物の仕方には改善の余地があるでしょうか。倹約になる買い物の新しい方法を考えることを,毎週の目標にするのはいかがですか。それは家族の益になり,あなた自身の益にもなります。
[21ページの囲み記事/図版]
ご存じですか
必需品が普通,レジのカウンターから遠い所にあるのはなぜですか。
商店はどのようにして,子供が親に物を買わせやすくしていますか。
どうすれば処方薬にかかる費用を節約できますか。
[22ページの図版]
一番高価な品目は目の高さの所にあることが多いので,上の品物や下の品物と比較する
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