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スイスとリヒテンシュタイン1987 エホバの証人の年鑑
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現在まで60年余りにわたってベテル奉仕を行なってきた,ジュール・フェラー兄弟は,原稿を検閲局へ持っていくよう任命されていました。同兄弟は当時を次のように回顧しています。「検閲官が原稿に異議を唱えることは普通ありませんでした。率直すぎる表現を見つけて,別の方法で明確に表現するようにと言うことは時折ありました。真理を水増ししないで物事をいろんな風に述べることはもちろん可能です。ところが,ある日,私は非常に敵対的な応対を受けました。エホバの証人は国から恩恵を被りながら,兵役のような,国のためになることは何もしようとしないと非難されたのです。それは非常に激しい非難でした。
「それから長い討論が続きました。私は,その日に来ていた四人の係官から2時間にわたって質問攻めに遭いました。マタイ 10章18,19節にある,『あなた方はわたしのために総督や王たちの前に引き出されるでしょう。彼らと諸国民に対する証しのためです。しかし,……どのように,または何を話そうかと思い煩ってはなりません。話すべきことはその時あなた方に与えられるからです』というイエスの言葉の真実さを確かに身をもって経験しました。その会話は真理の勝利に終わりました。そのことがあってから,私たちは終戦まで親切な待遇を受けました」。
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スイスとリヒテンシュタイン1987 エホバの証人の年鑑
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[161ページの図版]
ジュール・フェラーは1924年にベテル奉仕を始めた。86歳の今も現役で奉仕している
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