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豆本の魅力的な世界目ざめよ! 1998 | 4月22日
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親指聖書
親指聖書は必ずしも完全聖書であるとは限りません。“新約聖書”だけのものもあります。聖書の物語を抜粋したものや聖書の全歴史を約7,000語に要約したものもあり,それらは特に子供向けにデザインされました。それらの本には,「小型の聖書」(The Bible in Miniature),「聖書の歴史」(The History of the Holy Bible),「子供の聖書」(The Child's Bible)といった題名が付されています。
親指聖書という名称は何に由来するのでしょうか。分かりやすい説明をすれば,人間の親指の上半分より幾らか大きい程度の聖書ということになるでしょう。それでも,「親指聖書の3世紀」(Three Centuries of Thumb Bibles)という本は,親指トム将軍としてよく知られる有名な米国人の小人チャールズ・ストラットンが英国を訪問していたときに,この言葉が作り出されたのかもしれないということを述べています。この主張を裏付けるものとして,親指トムが英国を訪問したのは1844年ですが,“親指聖書”という語は1849年にロンドンで初めて使われたという事実があります。
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豆本の魅力的な世界目ざめよ! 1998 | 4月22日
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これまでに出版された最も小さな“新約聖書”は,1895年に,スコットランドのグラスゴーに住んでいたデービッド・ブライスが作ったものです。その大きさは,縦19㍉,横16㍉,厚さはたったの8㍉。どのようにして印刷したのでしょうか。ルイス・ボンディは「豆本」という本の中で,「それは写真で縮小コピーされ,見事に,そしてはっきりと印刷されている」と説明しています。写真術が初期の段階にあった100年前のことですから,これはかなりの偉業と言えます。
デービッド・ブライスは同じ方法で,全巻そろった親指聖書も多数印刷しています。非常に小さな活字を読むのが難しい人のために,それぞれの聖書の表紙の内側に小さな拡大鏡がはさんでありました。根気強い人たちは,この助けを借りれば読むことができました。
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