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背教 ― 神に通ずる道がふさがれる神を探求する人類の歩み
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38 異端審問所とは何でしたか。同審問所はどのように運営されましたか。
38 教会が次に取った処置は,異端審問所,つまり異端を禁止するための裁判所を設置することでした。すでに不寛容の精神に取り付かれていた人々は,迷信を信じており,実際進んで“異端者”を制裁したり殺害したりしようとしました。13世紀の状況は,教会が権力を乱用するのに適していました。しかし,「教会により有罪宣告を受けた異端者は“俗権”― 地元の当局者 ― に引き渡され,火刑に処せられることに」なりました。(「信仰の時代」)教会は実際の処刑の執行を世俗の権威にゆだねることにより,表面上流血の罪を免れたように見えました。異端審問所と共に宗教上の迫害の時代が始まり,その結果,虐待,匿名の偽りの告発,殺害,強奪,拷問などが行なわれ,あえて教会の教えとは異なったことを信じた何千人もの人々が徐々に死に追いやられました。宗教的な表現の自由は抑えられました。
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背教 ― 神に通ずる道がふさがれる神を探求する人類の歩み
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[283ページの図版]
スペインの残虐な異端審問所を指導したドミニコ会修道士トマス・デ・トルケマダ。同審問所では無理に自白させるための拷問用の道具が使われました
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