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  • 一致は真の崇拝の特徴
    ものみの塔 2010 | 9月15日
    • 一致は真の崇拝の特徴

      「わたしは彼らを,囲いの中の羊の群れのように……一つにならせる」。―ミカ 2:12。

      1. 創造物には,どのように神の知恵が表われていますか。

      詩編作者は感嘆して次のように述べました。「エホバよ,あなたのみ業は何と多いのでしょう。あなたはそのすべてを知恵をもって造られました。地はあなたの産物で満ちています」。(詩 104:24)地上で驚くほど多種多様な生命が複雑に絡み合って,幾百万種もの植物,昆虫,動物,細菌が相互に依存していることは,神の知恵の表われです。また,人体では,大きな器官から細胞内の小さな分子機械まで数多くのメカニズムが協働し,健康を維持しています。

      2. 13ページの挿絵にあるように,クリスチャンの間の一致が奇跡のように思えたに違いないのは,なぜですか。

      2 エホバは,人間を相互に依存するものとして創造なさいました。人の外見,性格,能力は本当に多種多様です。さらにエホバは,最初の人間に敬虔な特質を授け,互いに協力し依存し合うことができるようにしました。(創 1:27; 2:18)とはいえ,人類の世一般は神から疎外されており,全体として一致して行動できたことがありません。(ヨハ一 5:19)それで,1世紀のクリスチャン会衆が,エフェソス人奴隷,著名なギリシャ人女性,教育のあるユダヤ人男性,偶像を崇拝していた人など,様々な人から成っていたことを考えると,そうした人々の一致は奇跡のように思えたに違いありません。―使徒 13:1; 17:4。テサ一 1:9。テモ一 6:1。

      3. 聖書はクリスチャンの一致をどのように描写していますか。この研究記事ではどんな点を考えますか。

      3 人々は真の崇拝によって,体の肢体と同じように調和よく協働することができます。(コリント第一 12:12,13を読む。)この記事では,以下の点を考慮します。真の崇拝によって人々はどのように一致しますか。エホバだけが,すべての国から来る幾百万もの人々を一致させることができるのは,なぜですか。一致を阻むどんな障害を乗り越えるのを,エホバは助けてくださいますか。一致に関して,真のキリスト教はキリスト教世界とどのように異なっていますか。

      真の崇拝によって人々はどのように一致するか

      4. 真の崇拝によって人々はどのように一致しますか。

      4 真の崇拝を実践する人たちは,エホバはすべてのものを創造されたゆえに宇宙の正当な主権者である,ということを認めます。(啓 4:11)ですから,真のクリスチャンはいろいろな社会の様々な状況のもとで生活していますが,皆,同じ神の律法に従い,同じ聖書の原則に沿って生活します。真の崇拝者は皆,適切にもエホバを「父」と呼びます。(イザ 64:8。マタ 6:9)それゆえ,皆が霊的兄弟であり,詩編作者が次のように描写した麗しい一致を享受しています。「見よ,兄弟たちが一致のうちに共に住むのは何と良いことであろう。それは何と快いことであろう」。―詩 133:1。

      5. 真の崇拝者の一致に貢献しているのは,どんな特質ですか。

      5 真のクリスチャンも不完全ですが,互いを愛することを学んでいるので,一致して共に崇拝します。エホバは,ほかのだれにもできない仕方で愛を教えておられます。(ヨハネ第一 4:7,8を読む。)み言葉にはこうあります。「優しい同情心,親切,へりくだった思い,温和,そして辛抱強さを身に着けなさい。だれかに対して不満の理由がある場合でも,引き続き互いに忍び,互いに惜しみなく許し合いなさい。エホバが惜しみなく許してくださったように,あなた方もそのようにしなさい。しかし,これらすべてに加えて,愛を身に着けなさい。それは結合の完全なきずななのです」。(コロ 3:12-14)結合の完全なきずなである愛というこの特質は,真のクリスチャンの主な特徴です。この一致が真の崇拝の際立った特色であることを,あなたも自分の経験を通して知っているのではないでしょうか。―ヨハ 13:35。

      6. 王国の希望は,一致を享受するのにどのように助けになりますか。

      6 真の崇拝者たちが一致している別の理由は,人類の唯一の希望として神の王国を待ち望んでいることです。神の王国が間もなく人間の政府に取って代わり,従順な人類に永続する真の平和をもたらす,ということを知っています。(イザ 11:4-9。ダニ 2:44)それでクリスチャンは,イエスが追随者について述べた次の点に留意します。「わたしが世のものではないのと同じように,彼らも世のものではありません」。(ヨハ 17:16)真のクリスチャンは世の争いにおいて中立を保ち,それゆえ,周囲の人々が戦争をしている時でさえ一致を享受できます。

      霊的な指示の源は一つ

      7,8. 聖書的な指示はどのように一致に寄与しますか。

      7 1世紀のクリスチャンは,全員が同じ源から励ましを受けていたので,一致を享受できました。イエスが統治体を通して会衆を教え導いておられることを認めていました。統治体はエルサレムの使徒や年長者たちから成っており,それら献身的な男子は,神の言葉に基づいて決定を下し,旅行する監督を用いて各地の会衆に指示を伝達しました。そうした監督たちに関して,聖書は次のように述べています。「彼らは諸都市を回って旅行を続けながら,エルサレムにいる使徒や年長者たちの決めた定めを守り行なうようそこの人たちに伝えるのであった」。―使徒 15:6,19-22; 16:4。

      8 今日でも,霊によって油そそがれたクリスチャンから成る統治体は,世界的な会衆の一致に寄与しています。霊的に励みとなる文書を多くの言語で出版しています。その霊的な食物は神の言葉に基づいています。それゆえ,その教えは人間からではなくエホバからのものです。―イザ 54:13。

      9. 神から与えられた業によって,わたしたちはどのように一致できますか。

      9 また,クリスチャンの監督たちは,宣べ伝える業に率先することによって一致を促進します。神への奉仕を共に行なう人たちを結びつける友情の精神は,ただ交流するだけの世の人々を結びつける精神よりも,はるかに強力です。クリスチャン会衆が設立されたのは,社交クラブとして機能するためではなく,エホバに誉れを帰し,ある業を成し遂げるためです。良いたよりを宣べ伝え,人々を弟子とし,会衆を築き上げるという業です。(ロマ 1:11,12。テサ一 5:11。ヘブ 10:24,25)それで使徒パウロは,クリスチャンについて,『あなた方は一つの霊のうちにしっかりと立ち,一つの魂をもって良いたよりの信仰のために相並んで奮闘している』と言うことができました。―フィリ 1:27。

      10. 神の民であるわたしたちは,どのようにして一致していますか。

      10 したがって,エホバの民であるわたしたちが一致しているのは,エホバの主権を受け入れ,兄弟たちを愛し,神の王国に希望を置き,指導の任に当たるよう神が用いておられる人々に敬意を払うからです。エホバは,不完全さゆえに一致を脅かすものとなりかねない態度を克服できるよう助けてくださいます。―ロマ 12:2。

      誇りとねたみを克服する

      11. 誇りが分裂をもたらすのはなぜですか。誇りを克服できるよう,エホバはどのように助けてくださいますか。

      11 誇りは人と人を隔てます。誇り高い人は,自分が他の人より優れていると考えがちで,しばしば自分のことしか考えずに自慢して喜びます。しかし,これは一致の妨げとなることが少なくありません。自慢を聞いた人がねたみを抱くこともあるからです。弟子ヤコブは率直に,「そのような誇りはすべてよこしまなものです」と述べています。(ヤコ 4:16)他の人を劣っているかのように扱うのは愛のないことです。注目すべきことに,エホバは,わたしたち不完全な人間を扱う点で謙遜さの手本となっておられます。ダビデは神について,「あなたの謙遜さがわたしを大いなる者とします」と書きました。(サム二 22:36)神の言葉は,正しい考え方を教えることによって,誇りに打ち勝てるよう助けてくれます。パウロは霊感のもとに,次のように問いかけています。「だれが人を他と異ならせるのですか。実際,自分にあるもので,もらったのではないものがあるのですか。では,確かにもらったのであれば,どうしてもらったのではないかのように誇るのですか」。―コリ一 4:7。

      12,13. (イ)人をねたんでしまいがちなのはなぜですか。(ロ)他の人に対してエホバと同じ見方をするなら,どうなりますか。

      12 ねたみも一致の障害となることがよくあります。わたしたちは皆,不完全さを受け継いでいるので,「そねみの傾向」があります。長年クリスチャンとして歩んできた人でさえ,他の人の状況,所有物,特権,能力をねたむことがあり得ます。(ヤコ 4:5)例えば,家族のいる兄弟は,全時間奉仕者が得ている特権をねたむかもしれません。一方,その兄弟が気づかないにしても,全時間奉仕者も,子どものいるその兄弟のことを幾らかねたましく思っているかもしれません。どうすれば,そうしたねたみによって一致が乱されないようにすることができるでしょうか。

      13 ねたみを避ける助けとして,聖書がクリスチャン会衆の油そそがれた成員を人体の各部になぞらえていることを思い出してください。(コリント第一 12:14-18を読む。)例えば,目が心臓より目立つとしても,どちらも価値があるのではないでしょうか。同じように,会衆の一部の成員が目立つことがあるとしても,エホバはすべての成員を価値ある存在と見ておられます。兄弟たちに対してエホバと同じ見方をするようにしましょう。他の人をねたむのではなく,配慮と個人的な関心を示すことができます。そうすることは,真のクリスチャンとキリスト教世界の教会員との違いに寄与します。

      キリスト教世界 ― 分裂が特徴

      14,15. 背教したキリスト教はどのように分裂しましたか。

      14 真のクリスチャンの一致は,キリスト教世界の諸教会に見られる闘争と対照を成しています。4世紀には,背教したキリスト教は広まって,異教徒のローマ皇帝が牛耳るほどになっており,キリスト教世界の発展が促されました。その後,分裂が続き,諸王国はローマから分かれ,独自の国教会を作り上げました。

      15 それら多くの王国は幾世紀もの間,戦い合いました。17世紀と18世紀に,イギリスやフランスやアメリカで人々が国家への献身を促したため,国家主義は事実上,宗教のようになりました。19世紀と20世紀に,国家主義は人類の大半の考えを支配するようになります。結局,キリスト教世界の諸教会は数々の分派に分かれ,その大半は国家主義を容認しています。教会員が他国の仲間の信者と戦い合うことさえあります。今日,キリスト教世界は,各分派の信条と国家主義とによって分裂しています。

      16. キリスト教世界の人々はどんな点で分裂していますか。

      16 20世紀,キリスト教世界の数多くの分派の中から,一致に向けて世界教会運動が始まりました。しかし,数十年の努力にもかかわらず,統合された教会はほとんどなく,教会員は,進化,堕胎,同性愛,女性の叙任などの問題について分裂したままです。キリスト教世界の一部の教会の指導者は,分裂の原因となっていた教義を軽く扱うことによって幾つかの分派の人々を一致させようとしています。しかし,教義を軽く扱った結果,人々の信仰は表面的になっています。分裂したキリスト教世界の一致ももたらされていません。

      国家主義を超越している

      17. 真の崇拝が「末の日に」人々を一致させることは,どのように予告されていましたか。

      17 人類はかつてないほど分裂していますが,真の崇拝者は今も,一致によって際立っています。神の預言者ミカは,「わたしは彼らを,囲いの中の羊の群れのように……一つにならせる」と予告しました。(ミカ 2:12)ミカは,真の崇拝が,偽りの神々や神としての国家に対するあらゆる崇拝より上に高められることも予告しました。こう書いています。「末の日に,エホバの家の山はもろもろの山の頂より上に堅く据えられ,もろもろの丘より上に必ず高められる。もろもろの民は必ず流れのようにそこに向かう。もろもろの民は皆,それぞれ自分たちの神の名によって歩む。しかしわたしたちは,……わたしたちの神エホバの名によって歩む」。―ミカ 4:1,5。

      18. 真の崇拝は,人がどんな変化を遂げるのを助けていますか。

      18 ミカはさらに,敵対していた人たちが真の崇拝によって一致する様子も描写しています。「多くの国の民が必ず行って,こう言う。『来なさい。エホバの山に,ヤコブの神の家に上ろう。神はご自分の道についてわたしたちに教え諭してくださる。わたしたちはその道筋を歩もう』。……それで彼らはその剣をすきの刃に,その槍を刈り込みばさみに打ち変えなければならなくなる。国民は国民に向かって剣を上げず,彼らはもはや戦いを学ばない」。(ミカ 4:2,3)人間の作った神や国家への崇拝をやめてエホバへの崇拝を受け入れた人々は,世界的な一致を享受しています。神が愛の道を教え諭してくださるのです。

      19. 真の崇拝によって幾百万もの人々が一致していることは,何の明白な証拠ですか。

      19 今日の真のクリスチャンの世界的な一致は類のないもので,エホバがご自分の民をご自分の霊によって今でも導いておられることの明白な証拠です。すべての国から来た人々が人類史上かつてない規模で一致しています。これは啓示 7章9,14節で示唆されていた事柄の驚くべき成就であり,そのことは,神のみ使いが間もなく「風」を解き放つことによって現在の邪悪な事物の体制が滅ぼされるということを示しています。(啓示 7:1-4,9,10,14を読む。)世界的な兄弟関係という一致を享受できるのは,特権ではないでしょうか。わたしたち各人はその一致にどのように貢献できますか。次の記事で考えましょう。

  • クリスチャンの一致は神の栄光となる
    ものみの塔 2010 | 9月15日
    • クリスチャンの一致は神の栄光となる

      「霊の一致を守るため真剣に励みなさい」。―エフェ 4:3。

      1. 1世紀のエフェソスのクリスチャンはどのように神に栄光をもたらしましたか。

      古代エフェソスのクリスチャン会衆の一致は,まことの神エホバの栄光となりました。商業の中心地として繁栄するその都市で,クリスチャンの兄弟の中には,裕福な奴隷所有者もいれば,非常に貧しい奴隷もいたようです。(エフェ 6:5,9)また,使徒パウロが会堂で話した3か月の間に真理を知ったユダヤ人もいれば,以前はアルテミスの崇拝者で魔術を行なっていた人もいました。(使徒 19:8,19,26)真のキリスト教は,様々な背景の人々を結び合わせていたのです。パウロは,会衆の一致によってエホバが栄光をお受けになることを理解していました。「その方に,栄光が,会衆により,……ありますように」と書いています。―エフェ 3:21。

      2. エフェソスのクリスチャンの一致は何によって脅かされていましたか。

      2 しかし,エフェソス会衆の喜ばしい一致は脅かされていました。パウロは長老たちに,「あなた方自身の中からも,弟子たちを引き離して自分につかせようとして曲がった事柄を言う者たちが起こるでしょう」と警告しています。(使徒 20:30)さらに,分裂をもたらす霊を完全には捨て去っていない兄弟たちもおり,パウロは,「不従順の子らのうちにいま働いている」その霊について警告しています。―エフェ 2:2; 4:22。

      一致を際立たせる手紙

      3,4. エフェソス人へのパウロの手紙はどのように一致を強調していますか。

      3 パウロは,クリスチャンが調和よく協働してゆくには,各人が一致を促進する真剣な努力を払わなければならない,ということを理解していました。パウロが神の霊感を受けて書いたエフェソス人への手紙は,一致が一つのテーマになっています。例えば,パウロは,「すべてのもの……を,キリストにおいて再び集める」という神の目的について記しています。(エフェ 1:10)また,クリスチャンを一つの建物を構成する個々の石に例え,こう書いています。「建物全体は調和よく組み合わされ,エホバのための聖なる神殿に成長してゆきます」。(エフェ 2:20,21)さらに,ユダヤ人のクリスチャンと異邦人のクリスチャンの一致を際立たせるとともに,その兄弟たちの共通の起源を思い起こさせ,エホバのことを「父……すなわち,天と地のあらゆる家族がその名を負う方」と述べています。―エフェ 3:5,6,14,15。

      4 では,エフェソス 4章を調べ,一致のために努力が求められるのはなぜか,一致できるようエホバがどのように助けてくださるか,一致を保つのにどんな態度が助けになるかを見ましょう。この研究からいっそう益を得られるよう,ぜひその章全体をお読みください。

      一致のために真剣な努力が求められる理由

      5. 神のみ使いたちが一致して仕えられるのはなぜですか。わたしたちにとって一致がいっそう難しいこともあるのはなぜですか。

      5 パウロはエフェソスの兄弟たちに,『霊の一致を守るため真剣に励む』よう懇願しました。(エフェ 4:3)この点で努力が必要なことを理解するために,神のみ使いのことを考えましょう。地上の生物で全く同じものは一つとしてありません。ですから,エホバが無数のみ使いたちそれぞれに独自性を与えておられる,と考えるのは理にかなっています。(ダニ 7:10)それでも,み使いたちは皆,エホバに聴き従い,そのご意志を行なうので,一致してエホバに仕えることができます。(詩編 103:20,21を読む。)忠実なみ使いたちには多様な属性がありますが,クリスチャンたちにはその上,様々な欠点もあります。それゆえ,一致がいっそう難しくなることもあります。

      6. 自分とは違う欠点を持つ兄弟と気持ちよく協働するのに,どんな態度が助けになりますか。

      6 不完全な人間が協働しようとするとき,容易に問題が生じ得ます。例えば,よく時間に遅れる温和な兄弟が,時間に正確で怒りっぽい兄弟と一緒にエホバに仕えているとしたら,どうでしょうか。どちらも,相手の行状に欠けたところがあると感じるものの,自分の行状にも足りないところがあることは忘れているかもしれません。そうした二人の兄弟はどうすれば調和よく一緒に仕えられるでしょうか。パウロが次の言葉で勧めた態度が二人にとってどのように助けになるかに注目してください。その後,そうした態度を身に着けることによってわたしたちがどのように一致を促進できるかを考えてください。こうあります。「[わたしは]あなた方に懇願します。……ふさわしく歩み,全くへりくだった思いと温和さとをもち,また辛抱強さをもって愛のうちに互いに忍び,結合のきずなである平和のうちに霊の一致を守るため真剣に励みなさい」。―エフェ 4:1-3。

      7. 不完全なクリスチャンとの一致のために努力することが肝要なのはなぜですか。

      7 不完全な人と一致して神に仕えられるようになることは肝要です。真の崇拝者たちから成る体は一つしかないからです。「体は一つ,霊は一つです。それは,あなた方が自分たちの召されたその一つの希望のうちに召されたのと同じです。主は一つ,信仰は一つ,バプテスマは一つです。すべての者の神また父は一つ……です」。(エフェ 4:4-6)エホバの霊と祝福が,神の用いておられる一つの兄弟関係と関連づけられています。会衆のだれかにいらいらさせられるとしても,ほかにどこに行くことができるでしょうか。永遠の命のことばを聞ける場所は,ほかにありません。―ヨハ 6:68。

      「人々の賜物」は一致を促進する

      8. キリストは,分裂をもたらす影響に抵抗できるようわたしたちを強める助けとして何を用いますか。

      8 パウロは古代の兵士の間で一般的だった慣行を例として用い,イエスが会衆の一致を助けるためにどのように「人々の賜物」を与えてくださっているかを示しました。勝利を得た兵士は,異国人のとりこを奴隷として家に連れ帰り,妻の家事を手伝わせました。(詩 68:1,12,18)同じように,イエスは世に対する勝利を収め,進んで働く多くの奴隷を得ました。(エフェソス 4:7,8を読む。)イエスはそのとりこをどのように用いましたか。「彼は,ある者を使徒,ある者を預言者,ある者を福音宣明者,ある者を牧者また教える者として与えました。それは,奉仕の業のため,またキリストの体を築き上げるために聖なる者たちをさらに調整することを目的としてであり,ついにわたしたちは皆,信仰……の一致に……達するのです」。―エフェ 4:11-13。

      9. (イ)「人々の賜物」は,一致を保つのをどのように助けますか。(ロ)会衆のすべての成員が一致に貢献すべきなのはなぜですか。

      9 それら「人々の賜物」は愛ある牧者として,一致を保つのを助けます。例えば,会衆の長老は二人の兄弟が『互いに競争をあおっている』ことに気づいたなら,個人的な助言を与えて「温和な霊をもってそのような人に再調整を施す」ことにより,会衆の一致に大いに貢献できます。(ガラ 5:26–6:1)また,「人々の賜物」は教え手として,聖書の教えに基づく確固とした信仰を築けるよう助けてくれます。そのようにして,一致を促進するとともに,クリスチャンの円熟に向けて進歩するよう助けてくれます。パウロが述べているように,「それは,わたしたちがもはやみどりごでなくなり,人間のたばかりや誤らせようとたくらむ巧妙さによって,波によるように振り回されたり,あらゆる教えの風にあちこちと運ばれたりすることのないためです」。(エフェ 4:13,14)すべてのクリスチャンが兄弟関係の一致に貢献すべきです。体の各部が必要なものの供給を助けて他の部分を築き上げるのと同じです。―エフェソス 4:15,16を読む。

      新しい態度を身に着けなさい

      10. 不道徳な行ないはどのように一致を脅かしかねませんか。

      10 お気づきになりましたか。エフェソス人へのパウロの手紙の4章には,愛を実践することが円熟したクリスチャンとして一致を達成するかぎであることが示されていました。続けて,愛に含まれる事柄が示されています。一例として,愛の道に従うなら,淫行とみだらな行ないは排除されます。パウロは兄弟たちに,『諸国民と同じように歩まない』よう強く勧めました。諸国民は,「いっさいの道徳感覚を通り越し,……身をみだらな行ないにゆだね」ていました。(エフェ 4:17-19)わたしたちの住む不道徳な世は,わたしたちの一致を脅かします。人々は淫行を,冗談の種にし,歌い,見て楽しみ,ひそかにあるいは公然と行ないます。とはいえ,結婚する気がない相手に性的な魅力を感じているかのように行動するなど,面白半分に異性の気を引こうとすることでさえ,自分をエホバと会衆から引き離すことになりかねません。なぜでしょうか。容易に淫行に至りかねないからです。また,既婚者が異性の気を引いたために姦淫に至るなら,子どもは親から分かたれ,無実な側は配偶者から分かたれるというひどい結果になりかねません。全くの分裂です。「あなた方は,キリストがそのようであるとは学びませんでした」とパウロが述べたのも当然です。―エフェ 4:20,21。

      11. 聖書はクリスチャンに,どんな変化を遂げるよう励ましていますか。

      11 パウロは,分裂を生じさせる考え方をやめ,他の人と調和して生活できる態度を身に着けるべきである,ということを強調し,こう述べています。『あなた方の以前の生き方にかない,またその欺きの欲望にしたがって腐敗してゆく古い人格を捨て去るべきであり,あなた方の思いを活動させる力において新たにされ,神のご意志にそいつつ真の義と忠節のうちに創造された新しい人格を着けるべきである』。(エフェ 4:22-24)どうすれば,「思いを活動させる力において新たにされ」ますか。神の言葉から,また円熟したクリスチャンの立派な手本から学んだ事柄を感謝のうちに思い巡らして,努力するなら,『神のご意志にそいつつ創造された』新しい人格が培われます。

      新しい話し方を身に着けなさい

      12. 真実を語ることはどのように一致を促進しますか。ある人にとって,真実を語るのが難しいのはなぜですか。

      12 家族や会衆で互いに結びついている人にとって,真実を語ることは肝要です。率直で隠し立てせず親切に話すことは,人々を結び合わせます。(ヨハ 15:15)一方,だれかが兄弟にうそをついたら,どうなるでしょうか。それをその兄弟が知るなら,信頼のきずなは弱まります。ですから,「おのおの隣人に対して真実を語りなさい。わたしたちは肢体として互いのものだからです」とパウロが述べたのはもっともなことです。(エフェ 4:25)子どものころからうそをついているなどの理由で,それが当たり前になっている人にとって,真実を語るようになることは容易ではないかもしれません。しかしエホバは,変化するための努力を評価し,助けてくださいます。

      13. ののしりのことばを捨て去ることには何が関係していますか。

      13 エホバは,話し方にはっきりした制限を設けることによって会衆でも家庭でも敬意と一致を促進するように,と教えておられます。こうあります。「腐ったことばをあなた方の口から出さないようにしなさい。……すべて悪意のある苦々しさ,怒り,憤り,わめき,ののしりのことばを,あらゆる悪と共にあなた方から除き去りなさい」。(エフェ 4:29,31)侮辱的な言葉を避ける一つの方法は,他の人に対していっそう敬意ある態度を身に着けることです。例えば,妻に対してののしりのことばを発する夫は,妻に対する態度を変化させるよう努力すべきです。特に,エホバがどのように女性に誉れを与えておられるかを学び,そうすべきです。神は,女性たちにも聖霊で油をそそぎ,キリストと共に王として支配する見込みを与えておられます。(ガラ 3:28。ペテ一 3:7)また,夫に対していつもわめく妻は,イエスが刺激された時にどのように自分を制したかを学び,変化しようとの思いを持つべきです。―ペテ一 2:21-23。

      14. 怒りを表わすのが危険なのはなぜですか。

      14 ののしりのことばと密接な関係があるのは,怒りを制御しないことです。これも,互いに結びついている人を引き離しかねません。怒りは火のようです。容易に制御不能になり,災いを引き起こします。(箴 29:22)不満を表わすのがもっともな場合でも,貴重な関係を損なわないように,注意深く怒りを制御しなければなりません。クリスチャンは,恨みを宿したり事を言い立てたりするのではなく,進んで許すよう努めるべきです。(詩 37:8; 103:8,9。箴 17:9)パウロはエフェソス人に次のように忠告しています。「憤っても,罪を犯してはなりません。あなた方が怒り立ったまま日が沈むことのないようにしなさい。悪魔にすきを与えてもなりません」。(エフェ 4:26,27)怒りを制御しないなら,会衆に不一致や争いの種をまく機会を悪魔に与えてしまうのです。

      15. 自分のものでない物を取るなら,どんな結果になりかねませんか。

      15 他の人の所有物に対する敬意を示すことも会衆の一致に寄与します。「盗む者はもう盗んではなりません」とあります。(エフェ 4:28)エホバの民の間では信頼関係が広く見られます。もしクリスチャンが自分のものでない物を取ってその信頼を裏切るなら,喜ばしい一致を損なうことになります。

      神への愛はわたしたちを一致させる

      16. 一致を強化するために,築き上げることばをどのように用いることができますか。

      16 クリスチャン会衆の一致は,皆が神への愛に動かされて他の人に愛をもって接することの結果です。わたしたちは,エホバの親切に対する感謝を動機として,次の助言を適用するよう真剣な努力を払います。「必要に応じ,どんなことにせよ築き上げるのに良いことばを出して,聞く人たちに恵みとなるようにしなさい。……互いに親切にし,優しい同情心を示し,神がキリストによって惜しみなく許してくださったように,あなた方も互いに惜しみなく許し合いなさい」。(エフェ 4:29,32)エホバは,わたしたち不完全な人間を親切に許してくださっています。わたしたちも,他の人の不完全さを目にする時,同じように許すべきではないでしょうか。

      17. 一致を促進するため真剣に励むべきなのはなぜですか。

      17 神の民の一致はエホバの栄光となります。エホバの霊は,一致を促進するよう様々な仕方でわたしたちを動かします。霊の導きに抵抗したいとは決して思いません。「神の聖霊を悲しませることのないようにしなさい」とパウロは書いています。(エフェ 4:30)一致は守る価値のある宝です。それを享受しているすべての人に喜びをもたらし,エホバに栄光をもたらします。「それゆえ,愛される子供として,神を見倣う者となりなさい。……愛のうちに歩んでゆきなさい」。―エフェ 5:1,2。

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