ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 新しい食べ物
    わたしの聖書物語の本
    • マナを拾うイスラエル人の母親と息子

      第34話

      新しい食べ物

      人々は地面から何を拾い集めているのでしょうか。それは,白くて,うすくて,こわれやすい,しものようなものです。でも,しもではありません。それは食べ物なのです。

      イスラエル人がエジプトを去ってから,ほんのひと月しかたっていません。イスラエル人はこう野にいました。こう野では食物がほとんど育ちません。それで,人々はこのように不平を言います。『エホバはわたしたちをエジプトで殺してくださったらよかったのに。なんといっても,エジプトには,ほしい食べ物だけはなんでもあった』。

      するとエホバは,『食物を空から降らせよう』とおっしゃって,そのようになさいます。あくる朝,降ったこの白いものを見て,イスラエル人たちはたがいに,『これはなんだろう』と言い合います。

      モーセは言います。『これは,エホバがあなたがたにおあたえになった食物です』。人々はそれをマナと呼びました。マナは,はちみつを入れて作ったうすいケーキのような味がしました。

      『めいめい自分が食べられる分だけ拾いなさい』とモーセは人々に言います。ですから,人々は毎朝マナを拾うのです。日ざしが強くなると,地面に残ったマナはとけてしまいます。

      モーセは,また,『マナを次の日までとっておいてはなりません』と言います。ところが,ある人たちはそれに聞き従いませんでした。するとどうなるのでしょうか。次の日には,とっておいたマナは,虫がいっぱいついていて,くさくなっています。

      マナを集めるイスラエル人

      しかし,エホバが人々に,二倍のマナを拾うように命令された日が,一週間のうちに一日だけあります。それは第六日めです。エホバは,七日めには何も降らせないので,マナの一部を次の日まで残しておくようにとおっしゃいます。七日めまでマナをとっておいても,それは少しも虫がつかず,くさくもなりません。これはもう一つの奇跡です。

      イスラエル人がこう野にいるあいだ中ずっと,エホバはかれらをマナで養われます。

      出エジプト記 16:1-36。民数紀 11:7-9。ヨシュア記 5:10-12。

      研究用の質問

  • エホバは律法をおあたえになる
    わたしの聖書物語の本
    • シナイ山で神の律法を与えられているモーセ

      第35話

      エホバは律法をおあたえになる

      エジプトを去って二か月ほどのちに,イスラエル人たちはシナイ山にやって来ました。シナイ山はホレブとも呼ばれます。そこは,エホバが燃えるしばの中からモーセに語られたのと同じ場所です。イスラエル人たちはそこにテントを張って,しばらくのあいだとどまります。

      人々を下に待たせて,モーセはシナイ山に登ります。山の頂上で,エホバはモーセに,イスラエル人がご自分に聞き従って,ご自分の特別な民になることを望んでいることを話されます。モーセは山を降りて,エホバがおっしゃったことをイスラエル人に伝えます。人々は,神の民になりたいので,エホバに聞き従うと言います。

      そこでエホバは不思議なことを行なわれます。山の頂上から煙を出させ,大きなかみなりを起こされます。そして,人々にこう話されます。『わたしは,あなたがたをエジプトから連れ出した,あなたがたの神エホバです』。それから次のようにお命じになります。『あなたがたは,わたし以外の他のどんな神々をも崇拝してはなりません』。

      神はさらに九つのいましめ,つまり律法をイスラエル人におあたえになります。人々はとてもおそれて,モーセにこう言います。『もし,神がわたしたちにお話しになると,わたしたちは死ぬかもしれないので,あなたがわたしたちに話してください』。

      のちにエホバはモーセにこう命令されました。『山のわたしのところまで来なさい。わたしはあなたに,民の守るべき律法をわたしがしるした二枚の石の板をあたえよう』。それでモーセは再び山に登って行きます。モーセは山で40日40夜すごします。

      神はご自分の民のために,とてもたくさんの律法を考えておられます。モーセはそれらの律法を書きとめます。神はまた,モーセに二枚の石の板をおあたえになります。その上には,すべての民に語られた十の律法が,神ご自身によって書きしるされています。その十の律法のことを十戒と言います。

      十戒は大切な律法です。でも,神がイスラエル人におあたえになる,ほかの多くの律法も大切です。それらの律法の一つに,次のような律法があります。『あなたは,心をこめ,思いをこめ,たましいをこめ,そして力をこめて,あなたの神エホバを愛さなければなりません』。もう一つ,このような律法もあります。『あなたは,隣人を自分自身のように愛さなければなりません』。神のみ子であるイエス・キリストは,この二つの律法を,エホバがご自分の民イスラエルにおあたえになった最も重要な律法であるとおっしゃいました。あとで,わたしたちは,神のみ子とその教えについてたくさん学びます。

      出エジプト記 19:1-25; 20:1-21; 24:12-18; 31:18。申命記 6:4-6。レビ記 19:18。マタイ 22:36-40。

      研究用の質問

  • 金の子牛
    わたしの聖書物語の本
    • 歌って踊って金の子牛を崇拝しているイスラエル人

      第36話

      金の子牛

      おや,おや,人々はいま何をしているのでしょう。人々は,子牛に向かって祈っているではありませんか。どうしてそんなことをしているのでしょう。

      モーセが長いあいだ山へ行ったきり帰って来ないので,人々は言います。『モーセはどうなってしまったかわからない。だから,この土地からわたしたちを導き出してくれる神を作ろうではないか』。

      『よろしい。みなさんの金の耳輪をわたしのところへ持ってきてください』とアロンは言います。そして,人々が持ってきた金の耳輪をとかして,金の子牛を作ります。すると,人々は,『これこそ,エジプトから導き出してくださった,わたしたちの神だ!』と言い,大きな集まりを開いて,金の子牛を崇拝します。

      エホバはそれをごらんになって,たいへん立腹されます。それでモーセにこう言われます。『いそいで山を降りなさい。民はひじょうに悪いことをしています。民はわたしの律法をわすれて,金の子牛にひれふしているのです』。

      十戒が書かれた石の板を砕いているモーセ

      モーセはいそいで山を降ります。そして,近くに行ってモーセが見たのはこのような光景です。人々は金の子牛のまわりで歌ったり,おどったりしています。モーセはとてもおこって,律法の書いてある二枚の石の板を地面に投げます。石の板はこなごなにくだけます。それからモーセは金の子牛を取って,とかします。そして,それをひいて粉にします。

      人々はほんとうに悪いことをしました。それでモーセはある男たちに,つるぎを取るように命令します。『金の子牛を崇拝した悪い者たちは死ぬのです』とモーセは言います。それで,3,000人がその男たちに打たれて死にます。このことから,ほかのいつわりの神々ではなく,エホバだけを崇拝するよう気をつけなければならない,ということがわかりますね。

      出エジプト記 32:1-35。

      研究用の質問

  • 崇拝のための天幕
    わたしの聖書物語の本
    • イスラエル人が使った幕屋または会見の天幕

      第37話

      崇拝のための天幕

      この建物は何でしょう。これは,エホバを崇拝するための特別な天幕で,幕屋とも呼ばれます。イスラエル人たちは,エジプトを出てから一年のちにこの天幕を完成しました。これを作ることはだれの考えだったのでしょうか。

      それはエホバがお考えになったことでした。モーセがシナイ山の上にいたあいだに,エホバは,天幕をどのように作るかをモーセにお告げになりました。エホバは,すぐにくずしてたためるように作りなさい,とおっしゃいました。ですから,天幕をばらばらにしたものを別の所へ運び,そこで再び組み立てることができました。このように,イスラエル人は,こう野をあちこち移動するときに,この天幕を持ち運びました。

      天幕の奥の小さな部屋の中を見ると,ひつ,つまり大きな箱が見えます。それはけい約の箱と呼ばれています。けい約の箱の両はしには,金でできたケルブというみ使いがひとつずつ置かれています。モーセが十戒の書かれた石の板を割ってしまったので,神は再び二枚の石の板に十戒を書きしるされました。その石の板はけい約の箱の中に入れられました。それから,マナのはいったつぼも,その中に入れられました。マナとは何か,おぼえていますか。

      モーセの兄のアロンは,エホバによって大祭司に選ばれます。アロンは,人々がエホバを崇拝するのを指導します。アロンの息子たちも祭司です。

      さて,天幕の大きいほうの部屋を見てください。この部屋は小さい部屋の二倍の広さがあります。けむりが立ちのぼっている小さな箱が見えますか。それは,祭司たちが,良いかおりのする香というものをたく,祭だんです。それから,七つのともしびがともる,しょく台があります。そして,その部屋にある三番めのものは机です。机の上には12個のパンが置かれています。

      水の入った鉢と祭壇

      幕屋の庭には,水のいっぱいはいった大きなはちのようなたらいがあります。祭司たちは物を洗ったりするのにそれを使います。それから,大きな祭だんもあります。その祭だんで,エホバへのささげ物の動物の死体が焼かれるのです。崇拝のための天幕は宿営のちょうどまん中にあって,イスラエル人たちはそのまわりに天幕を張って住んでいます。

      出エジプト記 25:8-40; 26:1-37; 27:1-8; 28:1; 30:1-10,17-21; 34:1,2。ヘブライ 9:1-5。

      研究用の質問

  • 12人のスパイ
    わたしの聖書物語の本
    • カナンの地から持ち帰った大きな果物をモーセに見せているヨシュアとカレブと他のスパイたち

      第38話

      12人のスパイ

      この人たちがかついでいるくだものを見てください。なんと大きなぶどうのふさでしょう。ふたりの男がぼうでかつがなくてはならないほどです。それに,いちじくやざくろもありますよ。こんなすばらしいくだものをどこから持ってきたのでしょう。カナンの地からです。むかし,カナンにアブラハム,イサク,ヤコブが住んでいたことをおぼえているでしょう。でも,そこがききんになったので,ヤコブは家族を連れてエジプトに移りました。それからおよそ216年がすぎて,今モーセはイスラエル人たちをひきいてカナンへもどるところです。そして,こう野のカデシという所にやって来ました。

      カナンには,悪い人たちが住んでいます。それで,モーセは12人のスパイをつかわして,こう言います。『どのくらいの数の人が住んでいて,その人たちがどれほど強いかをていさつしてきてください。その土地は作物のよくできるところかどうかを調べてください。そして,そこで実ったくだものをぜひ持って帰ってください』。

      スパイたちは,カデシにもどって来ると,『あそこはほんとうにすばらしいところです』とモーセに言います。その証明として,モーセにくだものを見せます。ところが,スパイたちのうちの10人は,『あそこには,大きくて強い人たちが住んでいます。あの土地をとろうとしたら,わたしたちは殺されてしまうでしょう』と言います。

      イスラエル人はそれを聞くとこわくなり,こう言います。『エジプトか,このこう野で死んだほうがましだ。われわれは戦場で殺され,妻や子供はほりょになるだろう。モーセのかわりに別の指導者を立てて,エジプトへもどろう』。

      しかし,ヨシュアとカレブというふたりのスパイは,エホバを信らいしているので,人々の心を静めようとします。そして,こう言います。『おそれてはなりません。エホバがわたしたちとともにおられます。あの土地をとるのはむずかしいことではありません』。でも,人々は聞き入れず,そのふたりを殺そうとさえします。

      そのために,エホバはたいへんおいかりになり,モーセに次のように言われます。『20歳以上の者たちはカナンの地へはいれません。その者たちは,わたしがエジプトとこう野で行なった奇跡を見ましたが,それでもわたしを信らいしません。ですから,最後の人が死ぬまで,40年間こう野をさまようのです。ヨシュアとカレブだけがカナンの地へはいります』。

      民数紀 13:1-33; 14:1-38。

      研究用の質問

  • アロンのつえに花がさく
    わたしの聖書物語の本
    • 芽が出て花が咲いたアロンの杖を持っているモーセ

      第39話

      アロンのつえに花がさく

      このつえには,熟したアーモンドの実と花がついていますね。これはアロンのつえです。アロンのつえは,たったひと晩でこの花をさかせ,この実を結んだのです。では,そのわけを調べてみましょう。

      イスラエル人がこう野をさまようようになってからしばらくたちました。ある人たちは,モーセが指導者であることや,アロンが大祭司になっているのがおもしろくありません。コラがそうですし,ダタンとかアビラム,また人々の長である250人もそう思っていました。それらの人たちがみなでモーセのところへやって来て,『あなたは,どういうわけで,わたしたちの上に立つのですか』と言います。

      モーセはコラと,コラに従う人々にこう言います。『あすの朝,火ざらを取って,それに香を入れなさい。それからエホバの天幕に来なさい。エホバがだれをお選びになるかわかるでしょう』。

      次の日,コラとコラに従う250人は幕屋にやって来ます。ほかの大勢の人たちも,コラたちをおうえんするためにやって来ます。エホバはたいへんおいかりになります。モーセはこう言います。『あの悪い者たちの天幕から離れなさい。かれらのものにさわってはなりません』。人々はそのことばに従って,コラ,ダタン,アビラムの天幕から離れます。

      ついでモーセは言います。『これによって,あなたがたは,エホバがだれをお選びになったかわかるでしょう。地面が口を開いて,この悪い者たちをのみこむのです』。

      モーセが語りおえるとすぐに,地面が口を開きます。コラの天幕と持ち物,ダタン,アビラム,それらの人といっしょにいた人々はそこに落ち,地面はふさがります。地中に落ちた人々のさけび声を聞くと,人々は大声で,『にげろ! わたしたちも地にのみこまれるかもしれない』と言います。

      コラとコラに従う250人は,まだ幕屋のそばにいます。それで,エホバは,火を送って全員を焼きほろぼしてしまわれます。それから,エホバは,アロンの息子のエレアザルに,焼きほろぼされた者たちの火ざらを集めて,それで祭だんのうすいおおいを作るように命令されます。その祭だんのおおいは,アロンとその息子以外はだれもエホバの祭司の勤めをしてはならないということを,イスラエル人に警告するものとなります。

      さらに,エホバは,アロンとその息子たちこそご自分が祭司に選んだ者であることをはっきりさせたいと思われました。そこで,モーセに次のようにおっしゃいました。『イスラエルの各部族の長に,各自のつえを持って来させなさい。レビの部族からは,アロンにつえを持って来させなさい。そして,それぞれのつえを幕屋のけい約の箱の前に置きなさい。わたしが祭司に選んだ人のつえには花がさきます』。

      次の朝,モーセが見てみると,どうでしょう,アロンのつえには,この絵のように,花がさいて,熟したアーモンドの実がなっているではありませんか。エホバがなぜ,アロンのつえに花がさくようになさったか,これでわかったでしょう。

      民数紀 16:1-49; 17:1-11; 26:10。

      研究用の質問

  • モーセは岩を打つ
    わたしの聖書物語の本
    • モーセとアロンは自分たちが岩から水を出すと言っている

      第40話

      モーセは岩を打つ

      10年,20年,30年,39年,と長い長い年月がたちました。イスラエル人たちは,まだこう野にいます。しかし,そのあいだずっと,エホバは,民をマナでやしない,昼間は雲の柱,そして夜は火の柱で民を導いて,ご自分の民の世話をしておられます。その長い年月のあいだずっと,人々の服はすり切れず,足が痛くなることもありません。

      さて,エジプトを出てから40年めの最初の月になりました。イスラエル人は,再びカデシでテントを張ります。およそ40年前,カナンの地をていさつするために12人のスパイがつかわされたときに,人々がいたのはこのカデシです。モーセの姉のミリアムは,カデシで死にます。そして,以前と同じように,ここでまた問題が起きます。

      人々は,水が見つからないので,モーセにこう不平を言います。『死んだほうがましだった。どうして,あなたはわたしたちをエジプトから,何も育たないこのひどい土地へ連れてきたのですか。穀物もなければ,いちじくも,ぶどうも,ざくろもない。飲み水さえありません』。

      モーセとアロンが幕屋へ祈りに行くと,エホバはモーセにこのようにおっしゃいます。『民を集めなさい。そしてかれらの前で,あの岩に向かって語りなさい。人々と動物全部が飲めるだけの水がそこから出て来ます』。

      それで,モーセは人々を集めて,『聞きなさい,神を信らいしない人たちよ。あなたがたは,アロンとわたしにこの岩から水を出せと言うのか』と言います。それから,モーセがつえで岩を二度打つと,岩から水がどっとわき出て来ました。すべての人と動物が飲めるだけの水があります。

      でも,エホバはモーセとアロンに対しておいかりになります。どうしてだかわかりますか。なぜなら,モーセとアロンは,自分たちが岩から水を出すと言ったからです。しかし,じっさいにはエホバがそうなさいました。モーセとアロンがそれについてほんとうのことを言わなかったので,エホバはふたりをばっするとお告げになります。そして,『あなたがたがわたしの民をカナンの地へ導き入れることはありません』とおっしゃいます。

      まもなく,イスラエル人はカデシを去り,すこししてからホル山にやって来ます。この山の上でアロンは123歳で死にます。イスラエル人たちはとても悲しんで,みな30日のあいだ,アロンのために泣きます。アロンの息子のエレアザルは,イスラエル国民の次の大祭司になります。

      民数紀 20:1-13,22-29。申命記 29:5。

      研究用の質問

  • 銅のへび
    わたしの聖書物語の本
    • へびにかまれたイスラエル人がモーセの作った銅のへびを見上げている

      第41話

      銅のへび

      柱に巻きついているのは,本物のへびでしょうか。これは本物のへびではなくて,銅でできたへびです。エホバはモーセに,人々がそれを見つめて生きられるように,そのへびを柱につけなさいとお命じになりました。でも,地面にいるほかのへびは本物で,人々はそれにかまれてたおれました。なぜだと思いますか。

      それは,イスラエル人が神とモーセにさからって,こう不平を言ったからです。『あなたはどうしてわたしたちをエジプトから連れ出して,このこう野で死なせるんですか。ここには食べ物や水がありません。それに,わたしたちはマナを食べあきました』。

      しかし,マナは良い食べ物です。エホバは,奇跡によって人々にマナをあたえてこられました。また,エホバは水をも奇跡によってあたえてこられました。ところが,人々は,神がそのように自分たちの世話をしてくださったことを感謝していないのです。それで,エホバは,イスラエル人をばっするために,このような毒へびを送られます。多くの人はへびにかまれて死にます。

      とうとう,人々はモーセにこう言います。『わたしたちはエホバとあなたにさからって罪を犯しました。これらのへびを取り去ってくださるよう,エホバに祈ってください』。

      モーセと銅のへび

      そこでモーセは人々のために祈ります。すると,エホバは,モーセにこの銅のへびを作って,それを柱につけるようにとおっしゃいます。また,へびにかまれた人はそれを見つめるようにと言われます。モーセは神がおっしゃったとおりにします。それで,へびにかまれた人は,銅のへびを見つめると,また元気になります。

      このことからひとつの教訓が学べます。わたしたちみんなは,ある意味で,へびにかまれたイスラエル人のようです。わたしたちはだれでも死に向かっています。人々は年老いて,病気になって,死んでいきますね。それは,わたしたちすべてが,エホバにそむいた最初の男女であるアダムとエバの子孫だからです。でも,エホバは,わたしたちがいつまでも生きられる道を備えてくださいました。

      エホバはみ子イエス・キリストを地につかわされました。イエスは木にかけられました。多くの人はイエスを悪い人だと思ったからです。しかし,エホバは,わたしたちを救うためにイエスをあたえてくださったのです。もし,イエスをあおぎ見て,イエスに従うなら,わたしたちは永遠の命を得ることができます。でも,そのことについては,あとでもっと学びます。

      民数紀 21:4-9。ヨハネ 3:14,15。

      研究用の質問

  • ものを言ったろば
    わたしの聖書物語の本
    • み使いが道をふさいでいたのでロバがバラムに話している

      第42話

      ものを言ったろば

      あなたは,ろばが話すのを聞いたことがありますか。『いいえ。動物は話すことができません』と答えるでしょう。でも,聖書には,ものを言ったろばのことが出ているのです。どうしてそのようなことが起きたのか調べてみましょう。

      イスラエル人は,あとすこしでカナンの地へはいるというところまで来ています。モアブの王バラクはイスラエル人をおそれています。そこでバラクは,イスラエル人をのろってもらうために,バラムという,ぬけめのない人を呼びにやります。バラクはバラムに,たくさんのお金をあたえよう,と約束します。そこでバラムはろばに乗り,バラクに会うために出かけて行きます。

      エホバはバラムにご自分の民をのろわせたくないので,長いつるぎを持ったみ使いを送って道に立たせ,バラムが行くのを止めさせます。バラムにはみ使いが見えませんが,ろばには見えます。それで,ろばはしきりにみ使いをよけようとして,ついに道にうずくまってしまいます。バラムはおこって,棒でろばをたたきます。

      するとエホバは,ろばが次のように話すのをバラムが聞くようにされます。『わたしは,あなたにたたかれるようなどんなことをしましたか』。

      『おまえはわたしをばかにしている。つるぎがあったら,殺してやるんだが』と,バラムは言います。

      『わたしが今まであなたにこのようなことをしましたか』と,ろばがたずねます。

      『いや,なかった』と,バラムが答えます。

      すると,エホバは,つるぎを持って道に立っているみ使いがバラムに見えるようにされます。み使いはこう言います。『あなたは,なぜろばをたたいたのですか。わたしは,あなたの道をふさぐために来ました。あなたはイスラエルをのろいに行くべきではないからです。もし,あなたのろばがわたしをよけなかったなら,わたしはあなたを打って殺し,ろばのほうには何もしなかったでしょう』。

      バラムは,『わたしは罪を犯しました。あなたが道に立っておられるのを知りませんでした』と言います。み使いはバラムを行かせます。バラムはバラクに会いに行き,なおもイスラエルをのろおうとします。ところが,エホバは,そのかわりに,バラムがイスラエルを三度祝福するようになさいます。

      民数紀 21:21-35; 22:1-40; 23:1-30; 24:1-25。

      研究用の質問

  • ヨシュアは指導者になる
    わたしの聖書物語の本
    • ヨシュアとモーセと祭司エレアザル

      第43話

      ヨシュアは指導者になる

      モーセはイスラエル人といっしょにカナンへはいりたいと願い,『エホバ,わたしにヨルダン川をわたって良い地を見させてください』と言いました。でも,エホバは,『あなたには,これで十分です。このことを二度と言ってはならない』と言われます。エホバはなぜそうおっしゃったのでしょう。

      その理由は,モーセが岩を打ったときのことにあります。モーセとアロンは,エホバがほめたたえられるようにしませんでしたね。ふたりは,岩から水を出しているのはエホバだと人々に言いませんでした。それで,エホバは,ふたりをカナンへはいらせないと言われました。

      アロンが死んでから数か月して,エホバはモーセにこう言われました。『ヨシュアを連れて行って,祭司エレアザルと民の前に立たせなさい。そして,みんなの前で,ヨシュアが新しい指導者であると告げなさい』。この絵にあるように,モーセは,エホバがおっしゃるとおりに行ないます。

      すると,エホバはヨシュアにこう言われます。『強くあって,おそれてはなりません。あなたはイスラエル人を,わたしが約束したカナンの地へ導くのです。わたしはあなたと共にいます』。

      のちに,エホバはモーセに,モアブの地のネボ山の頂上に登るようお命じになります。そこから,モーセはヨルダン川の向こう側の,美しいカナンの地を見わたすことができます。エホバは,次のように言われます。『これは,わたしが,アブラハム,イサク,ヤコブの子孫にあたえると約束した土地です。わたしはその土地をあなたに見せましたが,あなたがそこにはいることはありません』。

      そのネボ山の頂上で,モーセは死にます。120歳でした。モーセはまだ元気で,目もよく見えていました。人々は,モーセが死んだので,たいへん悲しんで泣きます。しかし,人々は,ヨシュアという新しい指導者が立てられたので喜びます。

      民数紀 27:12-23。申命記 3:23-29; 31:1-8,14-23; 32:45-52; 34:1-12。

      研究用の質問

  • ラハブはスパイをかくまう
    わたしの聖書物語の本
    • ラハブと,窓の所で赤いひもをつかんでいるスパイ

      第44話

      ラハブはスパイをかくまう

      この人たちは危険にさらされています。にげなければ,殺されてしまうのです。ふたりはイスラエルのスパイで,ふたりを助けている女の人はラハブです。ラハブは,エリコの町の城へきの上にある家に住んでいます。このふたりはなぜ危険にさらされているのでしょうか,調べてみましょう。

      イスラエル人たちは,ヨルダン川をわたって,カナンの地へはいるばかりになっています。でも,その前に,ヨシュアはふたりのスパイをつかわします。ヨシュアはふたりにこう言います。『あの土地とエリコの町を見て来なさい』。

      ラハブの渡した赤いひもを使って壁伝いに下りているスパイ

      スパイたちはエリコにはいって,ラハブの家に行きます。ところが,だれかがエリコの王に,『ふたりのイスラエル人が,土地をていさつするためにこんばんここへやって来ました』と告げます。それを聞くと,王は家来たちをラハブのところへつかわします。家来たちはラハブに,『おまえが家にかくまっている者たちを出せ!』と命令します。でも,ラハブはスパイを屋根にかくまっていました。それで,こう言います。『男の人たちがたしかにわたしの家に来ましたが,どこから来たのか,わたしにはわかりません。ふたりは,日暮れに,町の門がしまらないうちに,立ち去りました。お急ぎになれば,追いつけますよ』。家来たちはふたりのあとを追って行きます。

      家来たちが立ち去ると,ラハブは急いで屋根に登ります。そして,スパイたちにこう言います。『わたしは,エホバがこの土地をあなたがたにおあたえになることを知っています。あなたがたがエジプトを出るときに,エホバが紅海を干上がらせたことや,あなたがたがシホン王とかオグ王を殺されたことを,わたしたちは聞いています。わたしはあなたがたに親切にしました。ですから,どうか,あなたがたもわたしに親切にすると約束してください。わたしの父と母,兄弟たちと姉妹たちをお助けください』。

      スパイはそうすることを約束します。ただし,ラハブにはしなければならないことがありました。スパイたちはこう言います。『この赤いひもを取って,あなたの家の窓に結びなさい。そして,あなたの親族すべてを家に集めなさい。エリコを取るためにもどって来るとき,わたしたちは窓にこのひもが結んであるのを見て,あなたの家にいる人はだれも殺さないようにします』。スパイたちはヨシュアのもとにもどったとき,起きたことをすべてヨシュアに話します。

      ヨシュア記 2:1-24。ヘブライ 11:31。

      研究用の質問

日本語出版物(1954-2026)
ログアウト
ログイン
  • 日本語
  • シェアする
  • 設定
  • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
  • 利用規約
  • プライバシーに関する方針
  • プライバシー設定
  • JW.ORG
  • ログイン
シェアする