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エホバは「ほどなくして必ず起きる」事柄を明らかにされるものみの塔 2012 | 6月15日
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英国と米国が権力の座につく
3. 十本の角を持つグロテスクな獣は何を表わしていますか。その十本の角は何を表わしますか。
3 啓示 13章に出てくる野獣の7番目の頭は,ヨハネのこの幻と,ダニエルが見た十本の角を持つグロテスクな獣の幻を比較することによって特定できます。a (ダニエル 7:7,8,23,24を読む。)ダニエルが見た獣は,ローマ世界強国を表わしていました。(12-13ページの図表を参照。)西暦5世紀,ローマ帝国は分裂を始めます。この恐ろしい獣から生え出ている十本の角は,ローマ帝国から出た諸王国を表わします。
4,5. (イ)小さな角はどんな行動を取りましたか。(ロ)どの強国が野獣の7番目の頭になりましたか。
4 どう猛なこの獣の頭から生え出た角つまり王国のうちの四つについて,特別な説明が加えられています。3本の角が,ある角つまり「小さなもの」によって引き抜かれます。このことは,ローマ帝国の辺境の植民地であった英国が優勢になった時に成就しました。英国は17世紀まで,あまり重要な強国ではなく,旧ローマ帝国の他の三つの地域,すなわちスペイン,オランダ,フランスのほうがずっと力がありました。しかし英国はそれらの強国を次々と引き抜き,名誉ある地位から引きずり降ろします。しかし,18世紀半ばの時点ではまだ主要な強国ではなく,野獣の7番目の頭となるのは,まだ先のことです。
5 その後,英国は主要な強国になりましたが,北アメリカにあった植民地が英国から独立します。とはいえ,独立したこの国つまり米国は英国海軍の保護を受けて,強力になってゆきます。主の日が始まった1914年までには,英国は史上最大の帝国に,米国は世界最大の産業国になっていました。b 両国は第一次世界大戦中に特別な提携関係に入り,ここに英米世界強国が生まれます。これが野獣の7番目の頭です。この強国は女の胤をどのように扱ったでしょうか。
6. 7番目の頭は,神の民をどのように扱ってきましたか。
6 主の日が始まって間もなく,7番目の頭は神の民に,つまりキリストの兄弟たちのうち地上に残っている者たちに攻撃を加えます。(マタ 25:40)イエスは,ご自分の臨在期間中に胤の残りの者たちが地上で熱心に活動するということを示しておられました。(マタ 24:45-47。ガラ 3:26-29)英米世界強国はそれら聖なる者たちと戦います。(啓 13:3,7)第一次世界大戦中にこの世界強国は神の民を圧迫し,出版物の一部を禁令に処し,忠実な奴隷級の代表者たちを投獄しました。野獣の7番目の頭は,ある期間にわたり,宣べ伝える業を完全に抑え込んだも同然でした。エホバはこの劇的な出来事を予見し,それをヨハネに啓示しておられます。また,胤の副次的な部分は回復して霊的な活動を増し加える,とも告げておられます。(啓 11:3,7-11)エホバの僕の現代の歴史は,そうした出来事が実際に生じたことを確証しています。
英米世界強国,そして鉄と粘土でできた足
7. 野獣の7番目の頭と,途方もなく大きな像との間には,どんな関係がありますか。
7 巨大な像の足は,野獣の7番目の頭と同じもの,つまり英米世界強国を表わします。英国はローマ帝国から出ました。米国も,英国から出た国なので,間接的な意味でローマから出たと言うことができます。ですから像の足には鉄が含まれています。しかし,粘土の部分もあります。(ダニエル 2:41-43を読む。)この足に関する描写は,7番目の頭である英米世界強国が生まれた後のことを述べています。鉄と粘土が混ざったものは鉄のみの場合より弱くなります。同様に英米世界強国も,母体となった強国ローマよりも弱くなるのです。どうしてでしょうか。
8,9. (イ)7番目の世界強国は,どのように鉄のような強さを表わしますか。(ロ)像の足の粘土は,何を表わしていますか。
8 野獣の7番目の頭は時おり,鉄のような特性を示しました。例えば,第一次世界大戦に勝利することによってその力を証明し,第二次世界大戦中にも鉄のような力を発揮しました。c 大戦後も時おりそうした特性を表わしましたが,その鉄は早い時期から粘土と混ざり合ってきました。
9 エホバの僕たちは長い間,像の足の象徴的な意味を理解しようと努めてきました。ダニエル 2章41節は,鉄と粘土の混合部分を,多くの国としてではなく一つの「王国」として描いています。ですから粘土は,英米世界強国の勢力範囲内の諸要素を表わします。それらの諸要素により,英米世界強国はローマ帝国という鉄だけの部分よりも弱くなるのです。粘土は「人の子ら」つまり一般の人々として言及されています。(ダニ 2:43)それらの人々は,公民権運動,労働組合,独立運動などによって自らの権利を主張してきました。英米世界強国が鉄のような強さをもって行動する力を,一般の人々が低下させているのです。また,人気のある人が指導者になっても,相反するイデオロギーにより,また選挙で過半数が獲得できなかったことにより勢力基盤が弱体化し,政策を実行できるだけの権限が得られない,ということもあります。ダニエルは,「その王国は一部は強く,一部はもろいものとなる」と予告しました。―ダニ 2:42。テモ二 3:1-3。
10,11. (イ)「足」は将来,どうなりますか。(ロ)足の指の数について,どんな結論を下せますか。
10 21世紀に入っても英国と米国は引き続き特別な提携関係にあり,しばしば協力して世界の政局に当たってきました。途方もなく大きな像と野獣に関する預言は,英米世界強国に代わる別の世界強国が現われないことを確証しています。この最後の世界強国は,鉄の脚部が表わす国より弱いかもしれませんが,内部崩壊することはありません。
11 像の足の指の数には特別な意味があるのでしょうか。ほかの幻では,ダニエルは具体的な数を挙げています。様々な獣の頭にある角の数はその一例です。それらの数には意味がありましたが,ダニエルはこの像を描写するに当たり,足の指の数を挙げていません。ですから,足の指の数は,像の腕や手,手の指,脚部,足の数と同じく,あまり意味がないようです。しかしダニエルは,足の指が鉄と粘土でできていることをはっきり述べています。以上のことから,神の王国を表わす「石」が像の足を打つ時に支配的な世界強国となっているのは,英米世界強国であると結論することができます。―ダニ 2:45。
英米と,2本の角のある野獣
12,13. 2本の角のある野獣は何を表わしますか。どんなことを行ないますか。
12 英米世界強国は鉄と粘土の混ざり合ったものですが,イエスがヨハネに与えた幻は,この強国が終わりの日の期間中ずっと,大きな役割を果たすことを示しています。どうしてそう言えるのでしょうか。ヨハネは幻の中で,2本の角のある野獣が龍のように話すのを見ました。この奇妙な野獣は何を表わしますか。2本の角があるので二重強国です。ヨハネは再び英米世界強国を見ていたのです。ただしこの野獣は,特別な役目を担うことになっています。―啓示 13:11-15を読む。
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エホバは「ほどなくして必ず起きる」事柄を明らかにされるものみの塔 2012 | 6月15日
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19. わたしたちはどんなことを確信できますか。今は何をすべき時ですか。
19 わたしたちは7番目の頭の時代に生きています。この野獣が滅びる前に,別の頭が出ることはありません。偽りの宗教が除き去られる時,支配的な世界強国となっているのは英米世界強国です。
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