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なぞに包まれたユキヒョウをご紹介します目ざめよ! 2002 | 5月8日
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ヘルシンキにいるユキヒョウ
ヘルシンキ動物園では,ユキヒョウの人工繁殖がかなり成功しています。事実,1976年に,この動物園には,ユキヒョウの国際血統登録を管理する任務が託されました。その血統登録は,飼育されているユキヒョウの個体数を把握する有用な手だてとなっています。
同様の血統登録は,各地の動物園で暮らしている他のさまざまな種類の動物,とりわけ絶滅危惧種についても行なわれています。血統登録簿には,ある特定の種の動物に関して,それぞれの動物園で暮らしているすべての個体の詳細な事柄が記載されています。動物園側には,新たに生まれた子どもはもとより,動物の移動や死亡について,血統登録管理者に知らせる責任があります。血統登録は,飼育中の動物の繁殖を図るため,つがいになれる適当な動物を選ぶのにも用いられています。「そのような動物の個体数は比較的少ないため,機能の退化や近親交配が容易に起こるおそれがあります」と,ブロムクヴィストは説明しています。
これまでにヘルシンキ動物園だけで,ユキヒョウの子どもが100頭余り生まれており,そのほとんどは外国の動物園に送られました。個体群の中で多様性を確保するため,飼育されているユキヒョウは動物園の間でしばしば交換されています。現在,飼育されているユキヒョウの個体群の多様性は大変よく保たれているので,野生のユキヒョウをこれ以上捕獲する必要はありません。
ヘルシンキの動物園を含め,各地の動物園は,遺伝的に健全な動物の個体群を維持するよう努力することによって,野生動物の保護に貢献しています。もちろん,そのおかげで,見学者たちは色々な興味深い動物をたいへん楽しく観察できるのです。確かに,ユキヒョウは忘れ難い印象を与える動物で,『すべてのものを美しく造られた』創造者の誉れとなっています。―伝道の書 3:11。
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なぞに包まれたユキヒョウをご紹介します目ざめよ! 2002 | 5月8日
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なぞに包まれたユキヒョウをご紹介します
フィンランドの「目ざめよ!」執筆員
ユキヒョウほどなぞに包まれた動物はあまりいないでしょう。野生のユキヒョウを見たことのある人はごく少数で,その生息状況はほとんど知られていません。
フィンランドのヘルシンキ動物園では,ユキヒョウは呼び物の一つです。ネコ科に属する大型の哺乳類の中で,多くの人から最も優美な動物とみなされているこのユキヒョウは,珍しい習性を持つ,魅力的な生き物です。
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なぞに包まれたユキヒョウをご紹介します目ざめよ! 2002 | 5月8日
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ヘルシンキ動物園の園長,レイブ・ブロムクヴィストはこう言います。「実におとなしい動物です。ユキヒョウは人間にすぐ懐きます。動物園では朝になると,係りの人にあいさつをするかのように寄って来ます」。ブロムクヴィストは,その穏やかな性質はユキヒョウの子どもにも観察できると付け加え,こう語ります。「動物園の職員が体重を量ったり,予防接種をしたりする時でも,ユキヒョウの子どもは,じたばたしたりしません」。しかし,同じ年ごろのほかの種類のヒョウを扱うとしたらどうでしょうか。ブロムクヴィストによれば,「そうするのはほとんど不可能です。護身用の衣服や手袋が必要です。激しく抵抗するからです」。
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