1 ヨセフは豊作の年の間，どんな賢明な行動を取りましたか。そのため，どんな結果が生じましたか。

食糧管理官として任命された直後，ヨセフはエジプトの地を回り，豊作の七年が始まる時までに物事を十分に組織しました。そしてその地は手にあふれるほど産出するようになりました。ヨセフはそれぞれの都市の周辺から食料を集めてゆき，それを都市の中に蓄えました。ヨセフは「穀物を非常に多く，海の砂のように積み上げてゆき，ついには数えるのをやめてしまった。それは数知れなかったからである」と記されています。―創世記 41:46-49。

4 今日，「奴隷」級が設けている備えは，ヨセフの時代に組織された事柄とどのように対応しますか。

⁴ 今日，この「思慮深い奴隷」級の忠実な残りの者は，エホバの献身した僕たちや，世に住む関心のある人々が命を支える霊的食物を確実に得られるようにするためなら，聖書的などんな労苦もいといません。ゆだねられたこの責任は神聖な務めとみなされ，エホバへの神聖な奉仕として遂行されています。それに加えて，その「奴隷」は会衆を組織し，非常に大量の聖書文書を会衆に供給してきたので，会衆には割り当てられた畑で公にまくのに十分な王国の「種」があります。これは，ヨセフが民を諸都市に集め，命を支えるためだけではなく，後の収穫を見込んで種をまくためにも民に穀物を備えたという，当時の出来事に対応します。―創世記 47:21-25。マルコ 4:14，20。マタイ 28:19，20。

5 （イ）「奴隷」は，危機の時代に家の者たちが必要とする事柄にどのような特別な注意を払いますか。（ロ）1986年になされた「あふれんばかり」の霊的な備えは，昔のヨセフの時代に供給されたものとどのように似ていますか。

⁵ 公に宣べ伝える業が禁止され，エホバの証人が迫害されている時でも，『忠実な奴隷』は霊的な食物を備えるこの仕事を，神聖なゆだねられた責任とみなします。（使徒 5:29，41，42; 14:19-22）あらしや洪水，地震などの災害に見舞われた時，この「奴隷」は神の家の者たちの身体的な必要と霊的な必要が共に満たされるよう見届けます。強制収容所にいる人々にさえ，印刷物が定期的に届けられてきました。国境は，霊的食物がそれを必要とする人々のところへ流れてゆくことを阻めません。供給を絶やさないためには，勇気と，エホバへの信仰と，多くの場合にかなりの創意工夫が求められます。1986年だけでも「奴隷」は，世界中で聖書と堅表紙の書籍を4,395万8,303冊，雑誌を5億5,021万6,455部，生産しました。まさしくあふれんばかりの，『海の砂のように，非常に多く』の量です。