-
アハシュエロス聖書に対する洞察,第1巻
-
-
3. エステル記のアハシュエロスは,ペルシャのダリウス大王(ダリウス・ヒュスタスピス)の息子のクセルクセス1世と考えられています。アハシュエロス(クセルクセス1世)は,インドからエチオピアまで127の管轄地域を支配したことが示されています。この王の支配した期間の多くの時期にその首都となったのはシュシャンです。―エス 1:1,2。
-
-
エステル記聖書に対する洞察,第1巻
-
-
歴史的な状況 この書の記述はその出来事をペルシャ帝国がインドからエチオピアまで版図を広げ,127の州もしくは管轄地域を包含していたころに支配したアハシュエロスの治世中のこととしています。(エス 1:1)これらの事実と,この書がエズラにより正典に含められたことからすると,扱われている期間は,一般の歴史で知られている次の3人の王,すなわちペルシャ人ダリウス1世,クセルクセス1世,およびアルタクセルクセス・ロンギマヌスのうちのいずれかの治世に限定されます。しかし,ダリウス1世とアルタクセルクセス・ロンギマヌスは二人とも,それぞれの治世の第12年になる以前にユダヤ人に恵みを示したことで知られていますから,この書のアハシュエロスとは符合しません。というのは,アハシュエロスはユダヤ人とその宗教をあまりよく知っていなかったようでしたし,またユダヤ人に恵みを示そうともしていなかったように思われるからです。したがって,エステル記のアハシュエロスはペルシャのダリウス大王の子クセルクセス1世だったと考えられます。ある翻訳(聖ア,モファット)の訳文では,「アハシュエロス」が「クセルクセス」に置き換えられてさえいます。
-