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鉛聖書に対する洞察,第2巻
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重金属元素の一つで,その比重は11.34です。この鈍い灰色の金属は釣り糸や漁網のおもりとして,また重いふたや覆いにするのに役立ちました。モーセは,エジプト人が紅海に「鉛[ヘ語,オーフェレト]のように沈んだ」ことを,詩の形で意気揚々と歌いました。(出 15:10)使徒 27章28節で『測る』と翻訳されているギリシャ語の動詞(ボリゾー)は,字義通りには「測鉛を投げる」を意味します。アモス 7章7,8節で「下げ振り」と翻訳されているヘブライ語(アナーク)は,「鉛」または「すず」を意味しているのかもしれません。耐久性を持たせたり,読みやすくしたりするために,石に刻み込んだ所へ液状の鉛を流し込むことがありました。この習慣は少なくともヨブの時代には行なわれていました。(ヨブ 19:23,24)イザヤ 41章7節では偶像の製作に関連して「はんだ付け」(ヘ語,デヴェク)のことが述べられています。しかし,はんだが今日のように鉛とすずで作られていたかどうかは知られていません。
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尖筆聖書に対する洞察,第2巻
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金属やその他の硬い素材でできた尖筆,もしくはのみは,石や金属に文字を刻んだり彫ったりするのに必要でした。族長ヨブはこう言いました。「ああ,今,わたしの言葉が書き留められたならよいのに! ああ,書き物に記されたならよいのに! 鉄の尖筆と鉛とをもって,永久に岩に刻み付けられたならよいのに!」(ヨブ 19:23,24)ここでヨブが願っていたのは,自分の言葉が岩に刻まれ,記された文字に鉛が流し込まれてもっと耐久性のあるものになることだったようです。何世紀も後に,エホバはユダの罪が鉄の尖筆で書き記された,つまり決して消えないように記録されたと言われました。―エレ 17:1。
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