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アバドン聖書に対する洞察,第1巻
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ヘブライ語アヴァッドーンは「滅び」を意味しますが,「滅びの場所」も指すのかもしれません。この語は元のヘブライ語聖書本文に全部で5回出ており,そのうち4回は「埋葬所」,「シェオル」,そして「死」と並行的に用いられています。(詩 88:11; ヨブ 26:6; 28:22; 箴 15:11)これらの聖句の中で,アヴァッドーンという語は,明らかに,人間の死に続いて起こる腐敗の過程を指しており,これらの句は,人類共通の墓であるシェオルで腐敗や滅びの生じることを暗示しています。ヨブ 31章12節で,アヴァッドーンは,姦淫の歩みの有害な影響を表わしています。「それ[姦淫の歩み]は滅びに至るまで[アド・アヴァッドーン]食らう火であり,わたしのすべての産物の中でそれは根を降ろす」。―箴 6:26-28,32; 7:26,27と比較。
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滅び聖書に対する洞察,第2巻
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過去に神が滅ぼした人々は皆,永遠に死んだままですか
聖書は,滅びがすべてとこしえのものであるとは示していません。これは,ヘブライ語のアヴァッドーンという語(滅び)が「シェオル」と並行して2度用いられていることに示されています。(ヨブ 26:6; 箴 15:11)預言者ゼパニヤはアッシリアの滅びについて述べたのに対し,エゼキエルはアッシリアがシェオルに下ることになると述べました。(ゼパ 2:13; エゼ 32:21,22)モーセはダタンやアビラムなどの反逆者たちの滅びについて述べた際,彼らが「生きながらシェオルに下(った)」と書きました。(民 16:31,33)聖書中のシェオルは将来復活が生じる人類共通の墓を表わしているので,必ずしもすべての滅びがとこしえにわたるものというわけでないことは明らかです。神の手による滅びでさえそうです。
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