(きりきず)(Cuttings)
古代人の間では,喪の期間に肉体に切り傷を付けることや,腕,手,顔にかき傷を付けることが普通の習慣であったようです。(エレ 47:5; 48:37)このことは死者たちの上に権威を振るうと考えられた神々を,静める,もしくはなだめる目的で行なわれたのでしょう。ギリシャの歴史家ヘロドトス(IV,71)は,スキタイ人の王が死んだ際,彼らの間でこの習慣が守られたことに言及し,こう書いています。「彼らは耳の一部を切り取り,頭をそり,腕の周りに切り傷を付け,額や鼻をかきむしり,矢で左手を突き通す」。