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ののしる聖書に対する洞察,第2巻
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地上におられたイエス・キリストと行動を共にしなかった人々の中にも,その行動によって,自分たちが『イエスの側に』いることを示し,イエスをののしる反対者たちにすぐには加わろうとしなかった人たちがいました。イエスの名に基づいて悪霊たちを追い出していたある男の人の場合がそうでしたが,その人はそうする力を神から与えられていたようです。その人が自分たちと一緒に来なかったので,ヨハネと他の人々はその行ないを阻止すべきであると結論しました。しかしイエスは,「彼をとどめようとしてはなりません。わたしの名によって強力な業を行ないながら,すぐさまわたしをののしる[字義,悪く言う]ことのできる者はいないからです」と言われました。(マル 9:38-40)イエスがこの言葉を述べた時,ユダヤ人の会衆は依然として神の是認のもとにあり,クリスチャン会衆が設立されるのはまだ先のことでした。(マタ 16:18; 18:15-17と比較。)イエスはまた,すべての信者がいつも自分に付き添って行動することを要求しませんでした。(マル 5:18-20)ですから,神の契約の民であるユダヤ人がイエスの名に基づいて強力な業を行なったとすれば,その人が神の恵みを得ている証拠となりました。しかしクリスチャン会衆が設立されたなら,神の恵みを望む人は,イエス・キリストの忠実な追随者としてすぐにその会衆と交わらなければなりませんでした。(使徒 2:40,41と比較。)イエスの名に基づいて単に強力な業を行なったからといって,その人がイエス・キリストの側にいる証拠となることはもはやなく,その人が神のみ子をののしる罪を持たないという保証でもありませんでした。―マタ 7:21-23。「ののしりのことば」; 「冒とく」を参照。
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心霊術聖書に対する洞察,第1巻
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「わたしたちに敵していない者は,わたしたちに味方しているのです」 ある時,使徒ヨハネはイエスに,「師よ,わたしたちは,ある人があなたの名を使って悪霊たちを追い出しているのを見ましたので,それをとどめようとしました。彼はわたしたちと一緒に従って来ないからです」と言いました。その人は悪霊を追い出すことに成功していたようです。というのは,イエスが,「わたしの名によって強力な業を行ないながら,すぐさまわたしをののしることのできる者はいない」と言われたからです。それでイエスは弟子たちに,「わたしたちに敵していない者は,わたしたちに味方している」のだから,その人をとどめようとしてはならない,とお命じになりました。(マル 9:38-40)イエスを信じた人は皆が皆,宣教を行なうイエスや使徒たちに自ら付き添ったわけではありません。そのころは神のご意志によって律法契約が効力を有しており,神はまだイエス・キリストを通して新しい契約を発効させることも,召された者たちから成るクリスチャン会衆を発足させることもしておられませんでした。だれでもキリストの名において仕える人は,イエスがご自分の犠牲によって律法を廃棄された後,西暦33年のペンテコステ以降初めて,その会衆と交わることが必要になりました。その会衆の成員はキリストへのバプテスマを受けたのです。(使徒 2:38-42,47; ロマ 6:3)その時,神はそれまでのように肉のイスラエル国民とかかわりを持つ代わりに,クリスチャンの会衆をご自分の「聖なる国民」として受け入れられました。―ペテ一 2:9; コリ一 12:13。
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