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聖書の植物聖書に対する洞察,第1巻
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常緑樹であるオリーブは,それから採れる油のゆえに特に珍重されました。オリーブ油はイスラエル人の食生活の中で基本的な品目であり,化粧品や燃料としても広く用いられ,重要な交易品とされました。打ち傷や切り傷に塗って痛みを和らげるためにも利用されました。(ルカ 10:33,34)また,オリーブ油を頭に塗ることは人の気持ちを静め,さわやかにします。そのようなわけで,クリスチャン会衆の年長者たちは,霊的に病気の人のために祈るさい,比喩的な意味で『エホバの名において油を塗る』,つまり神の言葉を用いてその人を静め,正し,慰めるようにと訓戒されています。―ヤコ 5:13-15。
あおい
黒クミン
ふうちょうぼくの花
アーモンドはイスラエルで一番早く花を咲かせる果樹の一つです。その堅果は珍味とされています
こいなす。ジャガイモの仲間で,スモモほどの大きさの黄色みがかった実を結びます
シュラムの娘は愛する羊飼いの髪の毛をなつめやしの房になぞらえました
パピルス。大型の水生植物で,紙を作るのに用いられました
アマ。亜麻布を作るのに用いられます
芳香油の採れる各種のバルサム樹の一つ
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例え聖書に対する洞察,第2巻
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エルサレムからエリコに向かう道は,頻繁に強盗が出没する荒涼とした寂しい地域を通っていました。非常に危険な道だったので,やがてそこに旅人を保護する守備隊が駐在するようになりました。1世紀のエリコはエルサレムの東北東約21㌔の所にありました。律法は「隣人」に対して愛を働かせるよう命じていましたが,イエスはその「隣人」の実体を明らかにするため,強盗に遭って半殺しにされた人に対する祭司とレビ人の反応について語られました。祭司はエルサレムの神殿で犠牲をささげるよう割り当てられていた人々であり,レビ人は彼らを補佐していました。サマリア人は五書<ペンタチューク>に示されている律法を認めていましたが,ユダヤ人は彼らを隣人とはみなさず,実際,彼らとは交渉を持とうとしませんでした。(ヨハ 4:9)ユダヤ人はサマリア人を甚だしく軽べつしていました。(ヨハ 8:48)また,会堂で公にサマリア人をのろったり,サマリア人がとこしえの命にあずかれないよう日々神に祈ったりするユダヤ人たちもいました。けがをした人の傷口には油とぶどう酒が注がれましたが,それらは傷をいやす目的でしばしば用いられていました。けが人を世話するため,サマリア人が宿屋の主人のもとに置いていったデナリ二つは,ほぼ二日分の賃金に相当しました。―マタ 20:2。
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宿屋聖書に対する洞察,第2巻
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宿屋
(やどや)(Inn)
ギリシャ語のパンドケイオンには,字義通りには「すべての人が受け入れられ,迎え入れられる場所」という意味があります。つまり,旅行者たちはここで自分や自分の動物の泊まる宿舎を得ることができました。古代の中東の宿屋は,もっと近年になってその地域に建てられた宿屋と似ていたかもしれません。これらの宿屋は一般には四方を壁に囲まれた広場になっており,入口は一つしかありません。壁に沿って一段高くなった所には,旅行者や家財を収容するための,家具のない部屋が幾つかあり,内側の中庭から入れるようになっています。動物は大きな中庭に残され,それらの中庭の中央にはたいてい井戸がありました。古代には,宿屋の主人が旅行者に二,三の必要な物を提供し,だれかから人を預けられた場合にはその世話をして,そのサービスに対する報酬を受け取りました。―ルカ 10:33-35。
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