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市民,市民権聖書に対する洞察,第1巻
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ローマの市民権は多くの方法で得ることができました。皇帝が,なされた奉仕に対して,都市や地域全体,あるいは個人にこの特別な恵みを施すこともありました。また,ある額のお金を即時に払って市民権を買い取ることも時に可能でした。軍司令官クラウディウス・ルシアスの場合がその例です。彼はパウロに,「わたしは市民としてのこの権利を多額の金を出して買い取ったのだ」と言いました。一方,市民権を買い取ったのだというクラウディウス・ルシアスの言葉に対して,パウロは,「わたしは生まれながらにそれを持っています」と応戦しました。―使徒 22:28。
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クラウディウス・ルシアス聖書に対する洞察,第1巻
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クラウディウス・ルシアス
(Claudius Lysias)
西暦56年ごろ使徒パウロがエルサレムを最後に訪れた時にその地にいたローマの守備隊の軍司令官。軍司令官(千人隊長)として,クラウディウス・ルシアスは1,000人の部下を従えていました。そのギリシャ名ルシアスは,彼が生まれながらのギリシャ人であったことを暗示しています。多分クラウディウスの治世中のことと思われますが,彼は多額の金を払ってローマ市民権を獲得しました。その際,市民権を得る人々の間の習わしにしたがい,彼も時の皇帝の名を自分の名として選びました。(使徒 22:28; 23:26)ローマの歴史家ディオ・カッシウスによれば,皇帝クラウディウスの治世の初期に,ローマの市民権は高額で売られることが少なくありませんでした。―ディオの「ローマ史」,LX,17,5,6。
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自由民,自由人聖書に対する洞察,第1巻
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ローマが支配していたとき,奴隷状態から解放された人は「自由民」(ギ語,アペレウテロス)と呼ばれました。これに対して,「自由人」(ギ語,エレウテロス)は生まれながらに自由で,使徒パウロのように完全な市民権を持っていました。―使徒 22:28。
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